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プロービングの当て方や動かし方を詳しく解説

プロービングの当て方や動かし方を詳しく解説
プロービングの当て方や動かし方を詳しく解説
歯科衛生士の森田先生の『お悩み事ご相談フォーム』にも、「プロービングの当て方について教えてください」という声が寄せられました。

プロービングは歯科衛生士がエラーを起こすと正確な数値や病変が読み取れなかったり、時系列で見た時にプロービングの数値が悪くなっているか、改善されているかの評価がわからなくなってしまいます。

今回は森田先生監修のもと、正確にプロービングを行うポイントや実際の動かし方を解説します。

プロービングの基本3要素

プロービングとは、プローブを用いて歯周ポケットを検査することです。 プロービングを行うことで、口腔内所見ではわからないような歯周組織の炎症の有無や治療後組織の回復度合いなどがわかります。 プロービングに関して、まずは 1.持ち方 2.力加減 3.モーションの仕方(動かし方) 3つを基本的な要素として押さえておきましょう。

プローブの持ち方

プローブの持ち方は『執筆上変法』が鉄則です。 よくしてしまうダメな2パターンを例にあげます。 例1 下の画像のように把持をして、強い力を加えてプロービングをしてしまうパターン 例2下の画像のように、プローブに力を入れすぎてプロービングをしてしまうパターン 例にあげた2パターンをしてしまう方が多いため、力が入りすぎないように必ず指頭で軽く把持をして、プローブの後方の先を引っ張った時に、『抜けるか抜けないか』ぐらいの力加減で把持をするようにしましょう。

プロービングの力加減

プロービングを行う際の力加減について、歯科衛生士の学校で習った方が多いのではないでしょうか。 プロービングを実施する際は力加減に気をつける必要があり、一般的にプロービングにかける力加減の基準は10~25g と言われています。 力加減については以下の2つの練習方法がおすすめです。 力加減の練習方法1 測りの上でレストを置き、モーションを行って、25gを超えないか測りで測定する。 力加減の練習方法2 指と爪の間にプローブを差し込み、指の皮膚が少し白くなるくらいの力加減。 おすすめの練習方法で個人練習することも必要ですが、総合実習で実際にプロービングして、被験者に痛くないかをフィードバックしてもらうことも重要です。

プロービングの動かし方

ウォーキングプロービング』という方法を学校で習った方がいると思います。実際どのようにプローブを動かすかについて説明します。 まずはレストを置いて歯根にプローブを挿入し、挿入位置を少しずつずらしながらプローブを細かく動かします。 ウォーキングプロービングは慎重に行うようにしましょう。 歯根は根尖方向に向かうにつれて窄まった形態をしているため、必ずプローブの先端が歯根に常に接触していることを感じながら、歯根の形態に合わせてプローブの挿入方向を考えましょう。 6点法でプロービングを行う際に6点だけを測定してしまうと、エラーが起きプローブの数値の見逃しに繋がってしまいます。 正確に測定するために、『ウォーキングプロービング』を行うことをおすすめします。

プロービングを行う前に必ずチェック

プロービングを行う前に、まずは必ずレントゲン像を見て、『骨吸収がないか』あるいは『歯根膜腔が拡大していないか』をチェックします。 レントゲン像を見た後に、口腔内で歯肉の炎症などがないかを見ます。 例えば、歯肉に腫れが見られる箇所やサイナストラクトが出ている箇所は、プロービングの数値が少し高くなる可能性があるため、さまざまな要因を考慮してプロービングを行なっていくためにもレントゲンや実際の口腔内でチェックは必ず行いましょう。

【部位別】プロービングの動かし方

実際の患者さんの口腔内で、『ウォーキングプロービング』方法を用いたプローブビングの動かし方を、部位別に説明します。

前歯部の場合

前歯部でペリオプローブ#7(YDM)を用いて、プロービングの動かし方について説明します。 プローブを握る時に、指が反って力が入りすぎないように指頭でしっかり把持をします。 レストは必ず隣在歯におきましょう。 プロービング圧は20~25gで、プローブを細かく上下に動かします。 悪い例としては、飛び飛びで6箇所だけプロービングしてしまったり、あるいはプローブを横に引きずるようにプロービングをしてしまうことです。 悪い動かし方を行うと正確なプロービングができないため、必ずプローブを細かく動かすようにしましょう。 プロービングを行う際、破折がある場合やエンドぺリオがある場合は、プロービングが1本入るか入らないくらいの深いポケットがある場合があります。その場合は、プロービングの数値幅が大きくなることがあるため、丁寧にプロービングを行うようにして下さい。

下顎臼歯部の場合

下顎臼歯部のコンタクト直下は大変アプローチが難しいところです。 プローブを真っ直ぐ入れてしまうと、コンタクト直下にプローブが入りません。 画像のように斜めからアプローチをして測定すると、コンタクト直下まで正確に測定することができます。 また、舌圧が強い患者さんの場合は、下顎7番の歯の舌側面へのアプローチも難しいと思う方も多くいます。 森田先生の臨床経験上、舌をミラーで強く排除すると、舌が反発して測定がしづらくなることがあります。 反対に、軽くミラーを挿入すると、ミラー越しに光が術野に入る上に、ミラー越しにプロービングの数値を確認することができるというメリットがあるため、軽くミラーを挿入しましょう。

難しいファーケーションプロービング

ファーケーションプロービングはファーケーション用プローブ分岐部用(YDM)を用い、プローブの先端を歯周ポケットに挿入して、ファーケーション部分の深さや水平的な骨吸収量を測定します。 ファーケーションプロービングは難易度が高いため、下顎(下6番の歯)と上顎(上6番の歯)を用いて詳しく説明します。

下顎(下6番の歯)の場合

下6番の歯は2根であるため、頬側の中央部と舌側の中央部からアプローチが可能です。頬側は上図のあたりから測定します。また、舌側も中央部分に からアプローチしましょう。

上顎(上6番の歯)の場合

右上の6番のファーケーションですが、近心部分に関しては口蓋側からアプローチをします。また、遠心部分は遠心のちょうど中央部から、遠心部分にプローブを沿わせるようにアプローチします。 頬側面は2根あるため、中央部分あたりにプローブを沿わせるように確認して行いましょう。 グラムプローブのご紹介

まとめ

プロービングを簡単に思い、すぐに臨床現場で実施される方もいますが、歯根の形態やプロービングの方法を正確に把握していないと正確なプロービングは行えません。 数値の見逃しにつながる可能性もあります。 この記事を参考にしてプロービングの理解を深めてから、臨床に活かしてください。 また、この解説をもっと詳しく知りたい方は、下記のプロービングの当て方に関する解説動画をご視聴ください。
さらに、『森田先生に相談したいこと』『動画で取り上げてほしいこと』がありましたら、お悩み事ご相談フォームからお問い合わせください。 モリタ友の会の会員様としてログインされている場合は 「プロービングの当て方や動かし方」について更に詳しい動画が下記に表示されます。
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著者萬田 久美子

歯科衛生士

略歴
  • 2000年 太陽歯科衛生士専門学校 卒業
  • 2003年 森田デンタルクリニック 勤務
  • 2010年 アメリカミシガン大学 研修
  • 2013年 スウェーデンイエテボリ大学 研修
  • 2013年 スタディーグループ「PASSION」SRP・シャープニングセミナー専属講師
  • 日本歯周病学会 認定歯科衛生士
  • 日本摂食嚥下リハビリテーション学会 認定士

歯科衛生士学校を卒業後、歯周治療に軸足を置き国内外問わず研鑽を積む。 高齢者の歯科衛生士業務を得意とし、SRP・シャープニング講師やメーカーセミナー、執筆活動等を精力的に行っている。 <主な活動歴> 2017年 第60回 春季日本歯周病学会 学術大会 シンポジスト 2017年 中部歯内療法学会 学術大会 基調講演

萬田 久美子

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