TOP>MoreSmile>長期的安定のためのインプラントメインテナンスVol2 プロケアとセルフケアの両立

MoreSmile

長期的安定のためのインプラントメインテナンスVol2 プロケアとセルフケアの両立

長期的安定のためのインプラントメインテナンスVol2 プロケアとセルフケアの両立
長期的安定のためのインプラントメインテナンスVol2 プロケアとセルフケアの両立

交通外傷へのリハビリ後、13年経過症例。

前回は日本国内における社会的および歯科事情についてお伝えしました。国民病ともいえる歯周病も、本テーマと関連するインプラント周囲疾患においても、歯周病病原菌への感染による炎症性サイトカインの産生をいかに抑え、病原菌の毒性を下げていくことができるかが大きな課題となります1)。その対処法としてはバイオフィルムのコントロールであり、プロケアはもちろん、セルフケアにおいてもターゲットを明確にして適切な方法やツールの選択を心がけます。

インプラント周囲疾患というくくりのなかには、「健全」・「インプラント周囲粘膜炎(以下粘膜炎)」・「インプラント周囲炎(以下周囲炎)」3つの病態があり、粘膜炎には「骨吸収なし・可逆性あり」、そして周囲炎には「骨吸収あり・可逆性なし」という特徴があります(表1)2)
皆様の施設にも、口腔内に既にインプラント治療がなされており、そのメインテナンスを必要として新患として来院する患者さんが増えているのではないでしょうか?そのような状況では、なぜ天然歯を喪失しインプラント適用となったのか、その原因については現状の口腔内状態から推測するしか方法はありません。そこで2017年にまとめられた米国および欧州歯周病学会の見解の中では、現状との比較対象となる以前のX線写真がない場合には、「X線写真上の骨吸収が3mm以上、BOP有り、PPDが6mm以上」という基準で周囲炎と診断するとしています。

この続きは会員登録をすると 読むことができます。

ログイン

著者柏井伸子

歯科衛生士

略歴
  • 1979年 東京都歯科医師会付属歯科衛生士学校卒業
  • 1988年 ブローネマルクシステム(歯科用インプラント)サージカルアシスタントコース修了
  • 2003年 イギリス・ロンドンおよびスウェーデン・イエテボリにて4ヶ月間留学
  • 2006年 日本口腔インプラント学会認定専門歯科衛生士取得/li>
  •     日本医療機器学会認定第二種滅菌技士
  • 2009年 日本歯科大学東京短期大学非常勤講師
  • 2010年 上級救命技能認定
  • 2011年 東北大学大学院歯学研究科修士課程口腔生物学講座卒業口腔科学修士
  • 2013年 東北大学大学院歯学研究科博士課程口腔生物学講座入学
  • 2015年 ミラノにて3か月間臨床研究
  • 2016年 アメリカ心臓協会認定ヘルスケアプロバイダー
  • 2017年 上記更新
  • 2020年 WHO Confirmation of Participation Infection Prevention and Control (IPC) for Novel Coronavirus (COVID-19)修了
近著
「よくわかる 歯科医院の消毒滅菌管理マニュアル」
~無駄なく無理なく導入できる現実的な実践法~
書き込み式 歯科衛生士のための感染管理の基本
http://interaction-books-information.blogspot.com/2018/04/blog-post.html
柏井伸子

tags

関連記事