口腔領域の2大疾患「う蝕」と「歯周病」は感染症であり、予後を健全な状態で維持するためにはセルフケアとプロケアの両輪が稼動しなければなりません。新型コロナウイルス感染症拡大が懸念される時だからこそ、口腔衛生の必要性について、科学的背景に基づいた情報を分かりやすく患者さんに伝え、口腔衛生の維持が感染予防になると啓発していきましょう。 日本は2019年9月現在で高齢者人口が28.4%に及んでおり、2025年には75歳以上の後期高齢者が2,000万人を超える超高齢社会となり ※1)、2005年から2030 年までに後期高齢者人口が倍増していきます ※2)。男性8.84年・女性12.35年という健康寿命と平均寿命とのはざまにおいては ※3)、全身疾患を有しつつ歯科処置を受療することになります。平成28年歯科疾患実態調査では、4mm以上のポケットを有する歯が残っている状況が見えます(図1,2)※4)。 図1:20本以上歯が残っている人の割合 図2:4mm以上のポケットをもつ人の割合
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著者柏井伸子
歯科衛生士
略歴
- 1979年 東京都歯科医師会付属歯科衛生士学校卒業
- 1988年 ブローネマルクシステム(歯科用インプラント)サージカルアシスタントコース修了
- 2003年 イギリス・ロンドンおよびスウェーデン・イエテボリにて4ヶ月間留学
- 2006年 日本口腔インプラント学会認定専門歯科衛生士取得/li>
- 日本医療機器学会認定第二種滅菌技士
- 2009年 日本歯科大学東京短期大学非常勤講師
- 2010年 上級救命技能認定
- 2011年 東北大学大学院歯学研究科修士課程口腔生物学講座卒業口腔科学修士
- 2013年 東北大学大学院歯学研究科博士課程口腔生物学講座入学
- 2015年 ミラノにて3か月間臨床研究
- 2016年 アメリカ心臓協会認定ヘルスケアプロバイダー
- 2017年 上記更新
- 2020年 WHO Confirmation of Participation Infection Prevention and Control (IPC) for Novel Coronavirus (COVID-19)修了
近著 「よくわかる 歯科医院の消毒滅菌管理マニュアル」 ~無駄なく無理なく導入できる現実的な実践法~ 書き込み式 歯科衛生士のための感染管理の基本 http://interaction-books-information.blogspot.com/2018/04/blog-post.html