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『日本全国で活躍する歯科衛生士さんインタビュー』白石歯科歯周再生クリニック 村上祥子さん

『日本全国で活躍する歯科衛生士さんインタビュー』白石歯科歯周再生クリニック 村上祥子さん
『日本全国で活躍する歯科衛生士さんインタビュー』白石歯科歯周再生クリニック 村上祥子さん

『日本全国で活躍する歯科衛生士さん探訪』

第4回目は福岡県北九州市小倉南区で主に歯周治療を中心に診療を行っておられる白石歯科歯周再生クリニックにおじゃまして、歯科衛生士村上祥子さんにお話を伺いました。さらに、院長の白石和仁先生には、村上さんの仕事ぶりなどについてお聞きしました。 第4回 福岡県北九州市小倉南区 白石歯科歯周再生クリニック 歯科衛生士:村上祥子さん 歯科医師:白石和仁院長 左:歯科衛生士 村上祥子さん  右:白石和仁院長 ―― はじめに白石院長にお話を伺います。クリニックの診療方針について教えてください 白石院長:昨今、色々な治療方法が錯綜している世の中ですが、私たち歯科医師の使命は「歯を残すこと」ですから、まずその土台となる歯周組織をできるだけ健全な状態まで近づけて維持することから始まります。そこで当院では、スタッフ全員が一丸となってこれまで歯周治療に精力を注いできました。 白石歯科歯周再生クリニックの皆様 ―― 歯周治療には歯科衛生士さんの力が欠かせませんね 白石院長:まさにそうなんです。歯周治療は治療後のメインテナンスが重要ですし、患者さんとのお付き合いも長期間にわたります。その間、的確な処置と指導、さらに良好な人間関係を維持していく必要がありますから、歯科衛生士の役割はとても大事だと感じています。 ―― 村上さんを採用された経緯をお聞かせください 白石院長:私の先輩からの紹介で「友人の親類が、まだ就職が決まってないらしいので面接してやってくれないか」という依頼がありました。 もうほとんどの歯科医院では採用が終わっている時期だったので「(この時期でまだ決まっていないって)どんな学生なんだろう?」と少し不安な気持ちもありました。でも実際に面接で話してみると「なんでこの子が残っていたんだろう?」と思えるほど、魅力的な学生だったんです。 ―― その後の村上さんの仕事ぶりはいかがですか 白石院長:とにかく村上さんがいないと私は仕事にならないんです。なにせもういちばんのベテランですから…。外科手術も難しいケースの場合は村上さんにアシストについてもらわなければスムーズに事が運びません。今後の要望としてはさらにステップアップする意味でも日本歯周病学会の認定歯科衛生士の資格も取ってほしいですね。これはクリニックのためという意味合いもありますが、本人の将来のことも考えてということでもあります。 ―― ご本人の将来のために、ですか ええ。私が元気なうちはいいですが、万が一何か私が病気になるなどのトラブルがあってクリニックが続けられなくなったとしても、認定歯科衛生士のライセンスを持っていれば再就職のハードルも大きく下がりますから…。 あとは健康で病気せずに長く勤めてもらえれば院長にとってはこれほどありがたいことはないですね。 ―― すばらしいお考えです。つぎにスタッフさんの教育方針について教えていただけますか 白石院長:現在は基本的にスタッフに大部分を移譲しています。いわば先輩スタッフが後輩に教えていく通常のスタイルです。村上さんも入職当時は先輩スタッフから教わって、それを後輩に引き継いでいきながら現在のキャリアを築いてきました。もちろん開業当時のスタッフは私が教育しましたが、今は教育するどころか逆に私の方が教育されている状態ですよ(笑)。 ―― 今後の目標をお聞かせください 白石院長:さまざまな理由によりこの医院を去る時に「このクリニックで働けて良かった」と思ってもらえることがいちばんでしょうか。院長冥利に尽きるといいますか…。 あとはエンドとペリオは歯科をやっていく上で欠かせない重要な手技ですから、そこは若い先生方にこれからも精力的に伝えていきたいですね。審美は機能を維持・回復するという観点から見た場合、治療と言えるかどうか疑問ですし、インプラントは最後の手段でいいんですよ。 ―― ところで外観はもちろんですが、院内に置かれている調度品もセンスがいいですね 白石院長:昔は洋風なイメージが好きだったんですけど、ある程度の年齢になってくると和風なものが心身ともに落ち着くんです。日本人の「血」ですかね?(笑)意外と患者さんからも評判がいいんですよ。ぜひ見ていってください。 白石歯科歯周再生クリニックの外観の院内の調度品 白石院長のセンスが光る ――ありがとうございました。続いて村上さんにお話を伺いましょう。村上さんが歯科衛生士になろうと思ったきっかけから教えてください 村上さん:高校生の進路選択の時“将来何になりたいか”考えてみましたが、とくにこれといった職業が思い浮かばなかったんですよ。ただ幼い頃、近所にある小児内科にかかることが多かったのですが、診察後そこで働く薬剤師さんを見ていて仕事に興味を持った記憶がありました。それからなんとなく医療に関心を持つようになったんです。 最終的に看護師さんと歯科衛生士に絞ったのですが、当時の私には看護師さんはからだ全体を診るのにくらべて歯科衛生士は口腔という狭い分野ですけど、そのぶん専門性が高くて奥が深いと感じて だんだん歯科の方に気持ちが傾いていきました。歯医者さんのイメージも私の中で悪くなかったですし、細かい作業も好きでしたから…。 ――歯科に対して抱いているイメージも悪くなかったんですね 村上さん:はい。自分が歯科治療を受けることに対して、苦手意識はなかったです。幼い頃、私を担当してくださった歯科衛生士さんが、いつも優しく楽しく接してくださっていたお陰かもしれません。人と積極的に関わるのが得意な方ではなかったのですが、歯科衛生士になれば人と接する機会も増えて「少し自分を変えられるかな」という期待もありました。 ――先ほどの白石院長のお話では、最後まで就職が決まらず残っていたと伺いました 村上さん:そうなんです。私ってなんでも動き出すのが遅いんです(笑)。就活の時も他の同級生と同じように歯科医院を見学して検討していたつもりだったのですが、「なんかちょっと自分には違うかな」と思いながら決めきれずにズルズルいってしまって…。 歯科大付属の衛生士学校だったこともあって一般の開業歯科医院にあまり縁がなかったことも影響していたと思います。 気がつくと周りはみんな就職が決まっていく中で、療育センター内の歯科の採用試験が遅くにあるので、それを受験する予定だったんです。でもその前に、心配した叔父のつてで白石先生のクリニックの面接を受けて、不思議とそのまま「お世話になろう」と決めました。私の出身地もこの小倉南区で馴染みもあって「これも何かのご縁だな」と感じました。 ――実際に入職された時の印象はいかがでしたか 村上さん:私が入職した当時は、“みて覚える時代”でした(笑)。気さくな歯科衛生士の先輩方からはとても真面目で、誇りを持って毎日楽しくお仕事されている感じが伝わってきました。白石院長は普段あまり口数が多い方ではありませんが、学会や研究発表の際に私たちが携わった症例を挙げてお話される様子を見て、診療に携わった甲斐があったと感じました。また、院長が普段どんなことを考えて診療に臨んでおられるのかを垣間見ながら勉強しましたし、発表用の症例のアシストにつきながら徐々に知識を増やしていきました。 ――村上さんはこのクリニックで勤めて何年目になりますか 村上さん:新卒からお世話になって、23年目になります。今振り返ってみると本当にあっという間でした。できない事が多くて、先輩から無理を言われていると感じることもありましたが、先輩がいなくなると今度はどうしよう とパニックになったりもしましたね。「もう23年も経つんだ」という思いがやはり強いです。 ――普段患者さんと接する中ではどんなことを心がけておられますか 村上さん:そうですね、例えば美容師さんってとても対応が丁寧な印象がありますよね。ちょっと席を外すだけでも一言言ってくれたり、声がけが徹底しているイメージが私の中であるんです。私だったら、美容師さんが気づかない間に手を止めて別のお客さんの所に行ってしまったり、いきなり髪を触られたりしたら嫌だなと思うので、そこは参考にして患者さんが嫌な思いをされないように心がけています。 ――歯科衛生士をしていて良かったと思える瞬間はどんな時でしょう 村上さん:たくさんありますが、ひとつはすべての治療が終わって「次からメインテナンスですね」という瞬間です。もちろんその後もメインテナンスを継続して行うので、ここがゴールというわけではないのですが、達成感があります。患者さんとも「頑張りましたね」とお互いをねぎらう気持ちが生まれて、心が通い合ったと感じる時がなにより嬉しい瞬間です。 ――クリニックでは重度の歯周病の方を診ることが多いのでしょうか 村上さん:はい、多いですね。白石院長も重度の患者さんを積極的に診ようとされているということもあると思います。私はそうした患者さんの診療に携わることが多いので、どちらかというと軽度の患者さんと触れ合う機会はそれほど多くありません。 歯周病は生活習慣病ですから、患者さんの生活背景を知ることは大切です。患者さんの年齢が私と同世代だったり、両親の年齢に近い事が多いので話題には事欠きませんし、世間話の中からも少しずつ生活習慣に関することを引き出すように心がけています。治療やメイテナンスの期間も長くなりますから、その分患者さんとコミュニケーションがとれているかどうかは重要なことだと思っています。 ――村上さんが日々の業務の中でいちばん楽しい手技は何でしょう 村上さん: とにかく口の中がきれいになっていく過程が楽しいですね。ブラッシング指導をして前回よりプラークや炎症が少なくなっているのが確認できると、やりがいを感じますし、メインテナンス後に患者さんから「気持ちよかった」と言ってもらえることも嬉しいです。患者さんとの距離が近くていろんな感想を直接お聞きできることがやりがいにも繋がっていると感じます。 ――目指す歯科衛生士像はありますか 村上さん:数年前から、白石院長が講師を務めているセミナーや学会に参加させていただくようになって、他のクリニックを支えている歯科衛生士さんのお話をお聞きすることが増えて、見習うべき歯科衛生士さんとたくさん出会うことができました。仕事に取り組む姿勢や、自分のライフスタイルを見直す良い刺激をいただいています。みなさん素敵で、頼りがいのある歯科衛生士として活躍されています。私も、新しい知識を柔軟に取り込んで活かす事ができる歯科衛生士。新卒の頃に憧れた先輩方のように、仕事中は凛としてオフの時間も大切にする歯科衛生士。患者さんや医院からも頼りにされる歯科衛生士。いつまでも年齢不詳な姿勢の美しい歯科衛生士(笑)欲張りなので、なりたい歯科衛生士像はたくさんあります。一つでも近づけるように頑張りたいと思います。 このMORE SMILEのインタビューのお話をいただいた時、「まさか、私に⁈」自分がインタビューを受ける日が来るなんて思いもしませんでした。長くこの仕事を続けていられるのも、白石院長の導きで色々な経験をさせていただいているからだと思います。そのことに感謝の気持ちでいっぱいです。 ――ありがとうございました。ここからはお仕事から離れてお聞きしていきます。まずクリニックのある北九州市小倉のいいところはどんなところでしょう 村上さん: 程よく都会で程よく田舎なところでしょうか(笑)新幹線で博多へも出かけやすいですし、どこに行くのも交通の便が良いです。TGC(Tokyo Girls Collection)が開かれたこともあるんですよ。他には、桜の名所として有名な小倉城もあってお花見の時期はとても綺麗です。また、郊外に出ると自然もたくさん残っていてのんびりできます。私の実家ではお米作りもしているんですよ。 ――ストレス解消法として普段されていることがあれば教えてください 村上さん:う〜ん。特に普段のストレス解消法ってないんですよね。皆さんはなにかありますか? 毎日、クリニックに来て帰ることの繰り返しの日常です(笑)ただ、週に一度仕事帰りにピラティスに通っています。通い始めてもう10年くらいになります。ほんの1時間程度の軽い運動ですが、それ以来体調が良くなったように感じます。 ――ピラティスですか? 名前を聞いたことはありますが… 村上さん:やはり体が資本だと思って始めたんです。普段仕事で身体を動かすことも少ないし汗もほとんどかかないので良くないなと思って、でもジム通いは億劫だし…。ピラティスはヨガに近い感じですが、もともと入院患者さんがベットの上だけで身体を動かして機能を回復させていくところから発展したといわれていて、体幹やインナーマッスルを鍛えています。先生に日頃の身体の使い方などを見破られて、姿勢が悪いとよく叱られています(笑)。指摘を受けて自分でもケアできるので身体を整えるのにとても重宝しています。 ――休日にはどんなことをして過ごしておられますか 村上さん:部屋の片付けとかですかね(笑)。あとは家族が家庭菜園をやっているので、その一部を間借りして自分で野菜を育てて楽しんでいます。いい気分転換になりますよ。 これからは遠出もしたいですね。神社などのパワースポットに行くのも好きですし、東北へは機会があれば行ってみたいと思っています。 ――最後に小倉のお勧めグルメについて教えてください 村上さん:あまり詳しくないですが、「焼うどん」の発祥は小倉だそうです。福岡というとラーメンのイメージがありますが、意外にうどん屋さんも多くてJR小倉駅の構内にもかしわうどんで有名な立ち食いうどんのお店があるんですよ。他には、「オーシーエム」というサンドイッチ専門店もお勧めです。学生の頃から大好きで、老舗シロヤの食パンに好きな具材を自由に組み合わせて挟む事ができるんです。コスパのよいグルメが沢山ありますので、ぜひ北九州に来た時は食べてみてください。 お土産用に、北九州は工業地帯として有名なので、それにちなんだ実際に回せるネジ型のチョコレート「ネジチョコ」もかわいくて人気です。 左:ネジチョコラボラトリー   右:シロヤ 左:小倉駅-北九州駅弁当株式会社  右:サンドイッチファクトリー・オー・シー・エム

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