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歯科医院のデジタル化とは?
デジタルデンティストリーの技術やメリットまとめ

2020/8/3 歯科医院経営

近年のデジタル技術の急速な発達とともに、歯科業界においてもデジタル化が急速に進行しています。
世の中の流れに呼応して、次世代のデジタル歯科診療システムを積極的に導入している歯科医院の数も徐々に増えてきています。

歯科医院のデジタル化とは具体的にどのような内容なのでしょうか。
今回は、歯科業界のデジタル化の一環として特に注目を集めているデジタルデンティストリーの具体的な内容や技術の中身、デジタルデンティストリー導入におけるメリットなどを紹介します。

歯科医院におけるデジタル化(デジタルデンティストリー)とは

コンピュータやIT技術の進化とともに、IT業界に限らずさまざまな業界においてデジタル化の波が押し寄せてきている昨今、歯科業界においても決して例外ではなく、今後経営を続けるためにも、デジタル化は避けては通れないものとなっています。 歯科医院におけるデジタル化は通称『デジタルデンティストリー』と呼ばれています。 具体的な例としては、口腔内をスキャナーで撮影してタブレットなど端末の画面上で状態を確認し、さらには歯の状態を計測して3Dプリンタで歯列模型や補綴物を作成する技術などです。 さらに計測したデータをAIアルゴリズムで解析して、最適な歯列模型の制作などを行うことなどもできます。 従来の歯科医院では、治療行為だけでなく、歯列模型や補綴物などを製造するためのスキルが必要でした。 現在も人間の手を介した作業が多いものの、人間が行うことができる作業には量的にも質的にも限界があります。 デジタルデンティストリーが進み、歯科医院で行われる作業や取り扱うデータを可能な限りデジタル化することで、以前よりも物事を効率的に進めることができるようになりました。 歯科医院におけるデジタルデンティストリーの技術はまだまだ未知数であり、今後さらなる発展が期待できる分野です。 今後多くの歯科医院が生き残りを賭け、デジタルデンティストリーに積極的に取り組んでいくことでしょう。

 

デジタルデンティストリーの意味

デジタルデンティストリーは、『歯科医院や歯科業界のデジタル化』という意味を有しています。 一般的にデジタル化とは、ITを介して多くの人や物、情報をつなげることによって、有意性のあるサービスを生み出すことを意味します。 AIやディープラーニングをはじめとしたIT技術が年々急速に発展する中で、歯科業界も迅速にデジタル化することが求められています。 もともと歯科医院には、治療器具や精密機械、治療に関する多くのデータがあります。 これらのデータをデジタル化することにより、効率的に業務を行うことができるようになりました。 歯科業界や歯科医院のデジタル化は現在急速に普及しており、歯科医院特有のデジタル機器の開発も積極的に進められています。  

デジタル化のメリット

歯科医院をデジタル化することによってデータを整理・保存・共有できるため、歯の治療行為をこれまでよりも効率化できる点が最大のメリットです。 歯の治療法や歯科技工にはさまざまな種類があり、その多くは歯科医師や歯科技工士などの手を介して行われていました。 例えば歯列模型を作成する際においても、歯科医師が取った印象に石膏を流し込み、完成した模型に歯科技工士が手を加えるなど多くの作業や人の手が必要でした。 しかしながら、IT技術の発達とともにデジタル対応の医療機器が開発され、デジタル機器によるデータの電子化が進むことによって、歯科医院の治療行為も圧倒的に効率化できるようになってきました。 治療行為が効率化されることよって、患者の治療に対するストレスや不安が軽減され、より快適な歯科治療が可能になることが期待できます。 また、業務効率化によりコストの削減にも繋がるでしょう。

デジタルデンティストリーに代表される技術

デジタルデンティストリーに代表される技術として、具体的に以下のような機器等が挙げられます。 ・口腔内カメラスキャナー ・3D印刷(3Dプリンタ) ・デジタルラジオグラフィー・レントゲン ・CAD/CAM ・ミリングマシン 以下、それぞれの機器について解説します。  

口腔内カメラ/スキャナー

口腔内カメラスキャナーとは、小型カメラで口の中を撮影し、そのデータをもとにして立体画像を作成し画面に映し出すデジタル機器です。 口の中を細部まで撮影することで精密な情報を取得できるだけでなく、取得した情報をデータ化し、インターネットを介して共有できます。 歯科医院だけでなく患者にとっても効率的かつ正確な治療を提供できる、有用性の高い機器といえます。  

印刷(3Dプリンタ)

3D印刷(3Dプリンタ)とは、治療の際に取得した画像データをもとに歯列模型などをデザインし、3Dで出力する機器です。 これまでの歯列模型は、人の手を介して印象を採取して模型を作成し、鋳造して制作していました。 作業工程も多く時間がかかっていましたが、3D印刷(3Dプリンタ)の誕生によって、より短時間で精度の高い歯列模型やサージカルテンプレートを作成できるようになりました。  

デジタルラジオグラフィー・レントゲン

これまでX線によるレントゲン撮影は、X線フィルムがほぼ唯一の画像表示手段でした。 しかしデジタル技術の発達により、フラットパネルディスプレイを利用した『デジタルラジオグラフィ・レントゲン』が誕生して、X線フィルムとの立場を逆転するようになりました。 デジタルラジオグラフィー・レントゲンはX線よりも低線量であるため、身体にとって安全に検査することが可能です。 さらに解像度の高い鮮明な画像を取得できるため、よりきめ細かな治療が可能となっています。  

CAD/CAM

CAD/CAMとは、口腔内に装着するクラウンなどの補綴物を計測し、設計するシステムです。 CADはコンピュータによって補綴物の設計支援を行い、CAMは補綴物の製造支援を行います。 これまで歯科医師や歯科技工士などの専門家が手作業で行ってきた過程をコンピュータが支援することにより、補綴物をより一層精密に製造できるようになりました。 CAD/CAMを導入することで技工作業の効率化を図ることが可能になり、さらに治療時間が削減されて患者の負担を減らすことができるようになってきました。  

ミリングマシン

補綴物を切削加工する機器として、デジタルシステムを採用したミリングマシンが普及し始めています。 これまで補綴物を製造加工する際は、鋳型を用いて製造していました。 しかしデジタル化が進んだことで、コンピュータ制御による高性能のミリングマシンが普及したことにより、より高速かつ高精度の切削加工が可能になりました。

歯科医院のデジタル化(デジタルデンティストリー)の今後

デジタル技術は年々進化を続け、新しい技術や優れた機器が次々と誕生しています。 デジタル機器を積極的に導入し、デジタルデンティストリーの実現に向けた取り組みを行なっている歯科医院も多いです。 一方で、IT時代の流れについていけず、まだデジタル化に対応できていない旧態依然とした歯科医院も少なくありません。 世の中がデジタル化に向けて急速に動き出している状況下において、今後デジタルデンティストリーの実現に対応できない歯科医院は将来的に不安な状況に直面する可能性があります。 今後は患者側のニーズに応えるためにも、歯科医院のデジタル化は避けることができないものと認識する必要があるでしょう。

まとめ

デジタルデンティストリーの分野はまだ歴史が浅く、歯科業界に完全に浸透している訳ではありません。 しかし先進的な歯科医院の中には、時代の流れを敏感に読み取り、デジタル化を積極的に進めているクリニックも数多くあります。 デジタル化に取り組んでいる歯科医院とそうでない歯科医院では、数年後大きな差が生じることが予想されます。 まだデジタル化に取り組んでいない場合は、危機意識を持ち早急にデジタル化の流れに対応していくことをおすすめします。