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日本の小児の齲蝕減少の歴史
その7 三つ子の魂 百まで

2021/12/25 デンタル〇〇デザイン

現在、3歳児の齲蝕罹患者率は8.6%、1人平均df歯数は1.0歯である(平成28年(2016年)歯科疾患実態調査)。
しかし、45年前の昭和50年(1975年)ではそれぞれ82.1%、5.98歯であり、現在の齲蝕罹患者率は約1/10に、1人平均df歯数は約1/6となっている。
ちなみに当時の2歳児の罹患者率は49.3%、1歳児で10.4%であった。


筆者は、乳歯齲蝕が減少した背景には、乳幼児歯科健診との関係が深いと考えている。
昭和50年当時、すでに3歳児では齲蝕が多く、この時期からの指導では手遅れだった。
このような背景から、まだ齲蝕の少ない1歳6か月児健診時に歯科指導が始まった。
そこで、まず夜間哺乳瓶の使用中止の指導により、タイプAの上顎乳前歯部の残根など重症齲蝕が減少した。





そして、上顎乳前歯部の齲蝕が軽症化しタイプBに移行した。





また間食回数の制限(規則的に与ええる・2回以下)、保護者による介助磨き(特に上顎前歯部)の指導がされるようになった。


ところで、2歳前後はもっとも歯磨きを嫌がる時期である。
嫌がる子どもを押さえつけて磨けばよいのか?
それとも、そこまでして磨かねばならないのか?
この点に関し筆者は、"口腔"を"部屋"に例えて伝えている。
すなわち"歯磨きは、部屋の掃除"と同じである。



部屋の掃除が困難であれば、汚さないことを考えればよい。
困難な時期は、砂糖を制限し口腔を汚さない努力をすれば良い。
"部屋の掃除をする"ことに目を向けるか?
それとも"汚さないこと"を心掛けるか?



これが間食指導の重要な点である。
2つの視点から考えると、おのずと答えが導き出される。


さて"インプリンティング(刷り込み)"の言葉はご存じだろうか?
「三つ子の魂 百まで」という言葉がある。
"おふくろの味"も同様だ。
3歳までに受けたしつけや教育は、一生変わらない。
発達のごく初期に受けた刺激は、生涯の基盤となる。
例えば、サケは河川で生まれた後、成魚になり太平洋を回遊する。
そして産卵の時には、自分が生まれた河川に戻って来る。



サケは、生まれた河川の水のにおいを憶えて帰ってくるという。(におい刷り込み説)


すなわち幼児期に受けた刺激は、成熟後も求めるようになる。
3歳まで甘い物を口にしなければ、"甘過ぎるものはイヤ"という子に育つ。
"甘い味を教えて、後で我慢させる"のと、初めから"甘い味を教えない"のでは、どちらが親切だろうか?