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日本の小児の齲蝕減少の歴史 その2

2021/10/12 デンタル〇〇デザイン

日本の乳歯齲蝕の減少の経過を時系列からタイプA~Eに分けてみた。




筆者が小児歯科を志したのは1970年後半。
まさに乳歯齲蝕の洪水を言われたタイプAの時代であった。




これは当時の典型的な4歳児の写真。
上顎右上のEはC2、下顎の乳前歯・乳犬歯はC2であり、それ以外の乳歯はC3、すなわち20本の乳歯はすべて齲蝕である。
おそらく若い先生は、目にしたことない口腔だろう。
さらに、どこから治せばよいかわからないだろう。
しかし、この様なケースは決して珍しくなかった。


上顎左側EとC、右側Eは根管治療後に乳歯冠を装着。
下顎右下Eも根管治療後に乳歯冠の装着。
両側Cはレジン充填。
その他の乳歯は抜歯し、床保隙装置が装着されている。



これで処置終了して定期健診に移る。


数年後には、上顎はCを除いて永久歯に交換。



下顎は、小臼歯は未萌出なので、まだ床保隙装置を使用。
第1大臼歯と下顎前歯は萌出しているものの、右側大臼歯にはアマルガム充填がなされている。
定期健診に訪れながらも、この状態である。
もし、訪れなければ、もっと悲惨な状態になっていることだろう。


さて乳歯と永久歯の齲蝕は、相関する。
これは乳歯と永久歯の齲蝕の関係を示したものである。



3歳児に9本以上乳歯齲蝕があったものは、中学1年時には永久歯で約7歯。
一方、齲蝕がなかったものは、約3.2歯となっている。
乳歯の齲蝕と永久歯の齲蝕の関係は、
「ミカン箱のミカンが一つ腐ると、周りも腐り始めると考えればわかりやすいだろう」。
いずれにせよ、齲蝕の治療を行なうだけでは、永久歯の健康につながらないことがわかる。
定期健診が重要なことがわかる。