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歯性病巣感染と歯科治療

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ウイズコロナの時代と対策 その9
歯性病巣感染と歯科治療

ウイズコロナの時代と対策 その9<br>歯性病巣感染と歯科治療
ウイズコロナの時代と対策 その9
歯性病巣感染と歯科治療
病巣感染の原病巣として、"扁桃"と"歯・口腔"があげられる。



残念ながら、両者の直接的な因果関係を証明するのは難しい。
しかし、歯性病巣感染を見逃しているケースは、山ほどあるように考えている。

筆者が勤務していた岡山大学病院 小児歯科での話。
ある日、小児科から紹介状を持ち、若い小児科医と入院中の子どもが訪れた。
担当医は、病棟カルテを持参されたので見せていただいた。
そこには、教授回診で指示されたことが口述筆記されていた。
教授「いろいろな治療を試みて治らなければ、口の中に原因があることが多いので、小児歯科へ紹介しなさい」。
そこで慌てて連れてきたようである。
乳歯に多数の重症齲蝕があり、抜歯をすると症状は快癒した。
こんなケースがあると、小児科の医局でも話題になるのだろう、続けて何枚もの紹介状をいただいた。
おかげで、歯科治療で改善したケースを多数経験した。
小児科で考えられる治療を施した後なので、歯が原病巣である可能性が高かったのだろう。
まさに、医科歯科連携のおかげであった。

その中で、忘れられないケースを紹介する。
小児科から紹介されてきた4歳児、小柄で顔色も悪い。
病名は、ヘノッホ・シェーライン紫斑病。
小児に多い、全身の小血管炎で難治性の病である(現在では、IgA血管炎と呼ぶ)。
保護者の話では、大阪に居住し通院していたが、良くならないので空気の良い場所への転地療法を勧められた。
そこで両親は、仕事を辞し自宅を売り、岡山へ引っ越しされた。
しかし、こちらに来ても一向に良くならない。
そこで小児科から、紹介されてきたのだ。



まず基本は、原因歯の抜歯である。
しかし、それをすると噛める歯がなくなってしまう。
仮に乳歯義歯を作っても、年齢的に装着してくれそうにない。
この状態で、本当に抜歯することが正しいのだろうか?
悩むところである。

そこで保護者と相談し、まず根管治療後に乳歯冠を装着し、噛める口を作ることを目標とした。
それでも、症状が改善されなければ抜歯することで同意を得た。
歯冠の崩壊が著しかったが、何とか乳歯冠の装着までこぎつけた。
以後、狙い通り再発することはなかった。
彼は、その後サッカーに打ち込み、いつも真っ黒な姿をして定期健診に訪れていた。
そんな彼は、そろそろ40歳、どこかで元気に暮らしているだろう。
病巣疾患の原因歯を抜歯するか?噛める歯を作って体力を高めるか?
どちらが正しいかったか、未だにわからない。

続く

著者岡崎 好秀

前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授

略歴
  • 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
  • 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
所属学会等
  • 日本小児歯科学会:指導医
  • 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
  • 日本口腔衛生学会:認定医,他

歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!


岡崎 好秀

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