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日本の小児の齲蝕減少の歴史 その9 フッ化物は10点

日本の小児の齲蝕減少の歴史 その9 フッ化物は10点
日本の小児の齲蝕減少の歴史 その9 フッ化物は10点
齲蝕は、歯を攻撃する因子、および防御する因子のバランスにより起因する。
歯を攻撃する因子は、ミュータンス連鎖球菌などによる歯垢や酸産成能などがある(齲蝕活動性)。
一方、歯を防御する因子は、フッ化物や唾液緩衝能、歯の萌出後成熟などがある(齲蝕感受性)。



フッ化物の応用は、歯を防御する因子を高める。
しかし、攻撃力がそれを上回れば齲蝕が発生する。
フッ化物の副作用については、多くの成書にあるように適当な濃度であれば問題ないだろう。


しかし・・である。
かつて、重症齲蝕を持つ小児の保護者から「保健所でのフッ化物塗布は受けてきたのですが・・」と言われた。
歯垢が付いた状態で塗布しても、それが歯面まで達するとは思えない。



フッ化物の最大の副作用は、"保護者の過信"といえる。
この点をわかりやすく伝えるためには、どう表現すれば良いだろう?


そこで以下のことを考えた。
例えば、70点以上だと齲蝕にならないと仮定する。
そして、フッ化物の効果は10点として、おやつや歯磨きの点数変えてみる。


例えば、A君は、おやつや歯磨きの点数が90点、フッ化物の10点を足すと齲蝕はできない。
Bさんも同じ90点、フッ化物塗布を行わなくても齲蝕はできない。




次C君は、おやつや歯磨きの点が30点 フッ化物を塗布しても40点にしかならず齲蝕が出来る。




そしてDさんは、おやつや歯磨きが60点、フッ化物を塗布しないと齲蝕ができる。
さらにE君も、おやつや歯磨きが60点、フッ化物を塗布することで齲蝕にならない。




本当に、フッ化物の恩恵を得るのはDさんだ。
この様に表現すると、フッ化物の効果がわかりやすい。
実際に、クイズにして子ども達に計算してもらえば良い。




さて、フッ化物の応用で、ある程度の齲蝕予防効果は期待できる。
しかし、歯周病は防げない。
齲蝕や歯周病は、歯垢が原因だから歯磨きはかかせない。
もちろん、食生活とも関係が深い。
しかも食生活は、肥満とも関連する。
フッ化物では、歯周病や肥満は防げないから、平行して健康教育を行うことも忘れてはならない。

著者岡崎 好秀

前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授

略歴
  • 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
  • 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
所属学会等
  • 日本小児歯科学会:指導医
  • 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
  • 日本口腔衛生学会:認定医,他

歯科豆知識 「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!


岡崎 好秀

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