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2022年12月のピックアップ書籍

2022年12月のピックアップ書籍
2022年12月のピックアップ書籍

矯正治療を学びたい読者の強力なサポーター 図解! 矯正治療が面白いほどわかる本 基礎知識~セファロ分析~診断~治療の実際まで

下間一洋・監修 井筒大輔/蓮池一晃/佐名川 徹/井筒正嚴・編著 市川正人/釜田博史/下間雅史/下間美沙/ 洲脇道弘/竹北益生/土居容子/藤田泰弘/ 松野 茜/宮田康平/吉本直樹/片山雅彦/ 岸 一雄/松木謙直 /森 亮輔・著 クインテッセンス出版 問合先 03-5842-2272(営業部) 定価 19,800円(本体18,000円+税10%)・272頁 評 者 中津勝善 (兵庫県・中津歯科医院) 矯正治療を学びたい一般臨床医にとって、待望の書籍が発刊された。本書は40年以上の歴史をもつ矯正講習会のコース内容を、コース主宰の下間一洋先生監修の下、インストラクターらがまとめた1冊で、「これから矯正治療を学んでいきたい」という初心者はもとより、「矯正治療をより深く学びたい」という中級者まで幅広く対象としている。 矯正治療は、その特殊性から、独学で学ぶことがなかなか困難な分野である。私自身、一般臨床歯科医として診療に従事しているが、過去には矯正治療を学ぼうと多くの本を手にしたものの、思ったような収穫が得られなかったという経験があった。しかし、その常識は見事に覆された。 本書の最大の特徴は、随所に散りばめられている“わかりやすく、面白いイラスト”である。難解な矯正治療の理論を、退屈する事なく、楽しく理解できるため、自然とページが進み、読み終える事ができた。現在の日本では、少子高齢化が進んでおり、「少ないわが子に最良の治療を」という親御さんのニーズも年々高まってきていると感じる。一般歯科で診療の際に矯正治療の質問を受ける機会が増えており、その質問に対して答えに困る時が少なからずある。そういった質問に対する答えのヒントなども本書では随所に盛り込まれている。本書の前半でとくに秀逸に感じたのは、セファロ分析や抜歯、非抜歯の診断についての項目である。セファロ分析は、矯正治療初学者がつまずきやすく、苦手に感じがちな項目である。重要だとわかっていながら、一体どの点がなぜ重要なのかがわからないまま、取り組めない先生もおられるのではないだろうか。 本書では、セファログラムの必要な点を絞り、誰でも間違えずに見つけられるようにわかりやすく解説している。また、分析項目もわかりやすいので、文字通り“目からウロコ”であった。『矯正診断の進め方』では、なぜそのように考えるかをわかりやすく解説してあり、読者が自身の臨床に“しっかりとした矯正診断”を無理なく落とし込んでいけるような内容となっている。後半では、実際のマルチブラケット治療のstep by stepや補綴を絡めた矯正治療の考え方が、症例を通じて詳細に記載され、随所に散りばめられたイラスト付きの解説が読者の理解を助けてくれる。 終盤に掲載されている『「矯正学的知識」を「補綴治療」に活かそう!』においては、若い患者だけでなく欠損補綴が必要な中高年の患者であっても、矯正診断に基づいて“前歯の位置を適正な位置に移動させる”ことによって、口元が劇的に変化し、美しくなることが示されている。患者のQOL改善への、歯科治療における新たな可能性と魅力を再確認出来る1冊だ。本書が矯正治療を学びたいすべての読者の強力なサポーターになってくれると確信している。

歯科医師として「やり直しがなく、より長持ちする治療をすること」 若手臨床医サブノート 治療計画・治療順序編

栗原 仁・監著 佐藤昌徳/矢田航也/田村太一/金子祥子/ 坂田一道/山中千里/工藤健一郎/栗原律子/ 小林徳子/礒㟢祐太・著 クインテッセンス出版 問合先 03-5842-2272(営業部) 定価 12,100円(本体11,000円+税10%)・216頁 評 者 宮前守寛 (大阪府・宮前歯科クリニック) 本書は、The Japan Institute for Advanced Dental Studies(JIADS)のファンダメンタルコースを著者が中心となり講義および実習している内容を受講者だけでなく、若手の歯科医師にも理解してもらうために出版された経緯がある。著者は卒後さまざまな診療所で多くの臨床を経験したなかで、治療のゴールへの導き方に紆余曲折があったようである。しかし、JIADSの創設者である小野善弘先生、中村公雄先生との出会いが歯科医師としての確かな方向性を導かれたといっても過言ではない。両氏より「やり直しがなく、より長持ちする治療をすること」と教示されたことが転機となり、患者さんに対して感謝の気持ちや思いやりを踏まえて歯科医師として自己研鑽に努めた。そして、この考えを念頭に置き、患者さんのバックグラウンドを斟酌し、信頼関係を築くことで安心した治療を受けることができる内容をこの1冊にまとめあげた。 本書はChapter1から5に分けて構成されている。Chapter1では歯科医師の心構えとして、若手から中堅の先生の経験年数に合わせて技術と治療に取り組む心の変化を端的に伝えている。Chapter2は資料収集や読影を行い、治療計画から導かれる治療順序を確実に習得することで総合治療の礎が築けるという内容。Chapter3は臨床の幹と題し、咬合、ペリオ、エンドに関する17項目をあげ、若手臨床医が必ず悩むであろう症例に対し、エックス線と口腔内写真により細かく分析し、基本的な術式を用いて適正な結果が導けるような内容になっている。Chapter4では応用編としてあらゆる事例が網羅されて詳しく説明している。Chapter5は患者さんのための交渉学として①ミッション、②ゾーパ、③バトナ、④ターゲットの4つのキーワードから信頼関係を構築することの重要性を学んでいく内容になっている。 200ページを超える膨大な資料を集約した内容は、著者の歯科教育に関する気概を強く感じられ、いわゆる武士道にいわれる倫理、道徳規範および価値基準の根本をなす常識的な考えのようにも捉えられるすばらしいものである。造語ではあるが歯科医道を貫いているといっても過言ではない。『若手臨床医サブノート』というタイトルではあるが、評者のような30有余年も歯科医師人生を送ってきたものが読んでも有益な要旨となっている。とくに著者が念願している「患歯を治療するに至った原因の解明と長期的なビジョンでみた治療計画の確立方法」をもっと以前に知ることができたら、評者の歯科医師としての歩み方がもう少し変われたのかもしれないと思わせる名著である。 歯科学生の教育に始まり、若手歯科医の育成、ひいては一般臨床医のために知識の整理にも役立つ内容が幅広く網羅されており、多くの臨床医にもご一読いただける1冊である。

超高齢社会の日本ですべての歯科医療従事者に目を通してほしい良書! 病気をもった高齢者が歯科に来院されたときに読む本 知っておきたい! 全身疾患と薬の基礎知識

松村香織・著 クインテッセンス出版 問合先 03-5842-2272(営業部) 定価 6,930円(本体6,300円+税10%)・104頁 評 者 千原明得 (岐阜県・元町デンタルクリニック) 本書でまず目が止まったのは、非常に見やすくわかりやすいシェーマやまとめである。それらが各所にちりばめられており、読了後、本文と図がバランス良くレイアウトされていてとても読みやすい本だと感じた。そういう点からも歯科医師だけでなく歯科衛生士にもおススメできる書籍である。そして高齢者だけでなくすべての年齢層の有病者の治療に取り組むうえで必要十分な内容など、細かなトピックも含め臨床に即したまさに痒い所に手が届くような構成となっている。 まずChapter1では内科疾患、特にわれわれが日常的に遭遇する循環器疾患・糖尿病・慢性腎臓病について本書の半分近くのページが割かれている。前述のとおり、わかりやすいシェーマが随所にちりばめられていて、歯科医療従事者にとって苦手意識があると思われる医科の知識をなるべくわかりやすく解説したいという著者の気持ちが伝わってくる。 つぎにChapter2では、有病者が歯科医院に来院した際の情報収集について掲載されている。医療面接の重要性は言わずもがな、各疾患について聞いておくべき質問とその答えが具体的にわかりやすく掲載されており、歯科衛生士・歯科助手にも積極的に理解・活用してもらいたい内容になっている。 そしてChapter3では、現在そしてこれからの時代を見据え、最近よく耳にするようになった医科歯科連携や地域包括医療を確立していくうえにおいて、医科医師と情報連携を図ることは必要不可欠である。しかし本書にも書いてあるとおり、われわれ歯科医師からの診療情報提供書は医科医師からすると非常に不十分なものが多く、返答に困るという話を評者も医科医師より聞いたことがある。本章では症例に応じて診療情報提供書の書き方が詳しく解説されているため、円滑な連携を図るうえでとても参考になると感じた。 Chapter4では、実際に有病高齢者を治療する際に注意するポイントとして局所麻酔や投薬について書かれている。その中でも血管収縮薬の希釈や偶発症に対する緊急対応など、われわれ歯科医師が本当に知りたい勘所がシェーマを用いて具体的かつわかりやすく書かれている。さらに、本文だけでなく最後の医療略語や血液検査などの一覧が6ページにわたってまとめて掲載されているのは著者の配慮といえる。 本書は、有病者歯科の教科書的な内容よりもハードルを低くしたいとの思いから、噛み砕いた表現など読者が自信をもって安心・安全な歯科医療に取り組むことができるようにと願う著者の想いが感じられる。 超高齢時代のなかで、歯科医療を行っていくうえで避けては通れない有病高齢者への対応として本当に役立つ情報満載の書籍である。歯科医療にかかわるすべての歯科医師だけでなく歯科衛生士、歯科助手にもぜひ目を通していただきたい。歯科医院に一冊は置いておくべき良書として、自信をもってお薦めしたい。

インプラント治療のエキスパートが患者様の疑問にわかりやすく解説 Q&Aでわかる専門家が作った 患者さんのためのインプラント治療ガイド

勝山英明・監修 大谷昌宏/小川秀仁/上浦庸司/川﨑雄一/ 千 栄寿/高野清史/林 秀一/北條正秋/ 堀 良彦/三上 格・著 クインテッセンス出版 問合先 03-5842-2272(営業部) 定価 3,520円(本体3,200円+税10%)・80頁 評 者 嶋田 淳 (明海大学歯学部付属明海大学病院教授) 患者様は、インプラントというものについて関心はあるけれど、漠然とインプラントっていう歯の治療方法ってどうなのかしら? よく噛めてなんでも食べられるって耳にするけど、治療は痛くないのかな? 費用はどのくらいかかるの? などと疑問を抱えている。インプラント治療は受けたいけれど、患者様が二の足を踏んでいる一番の理由は、手術に対する恐怖心であり、次いでかかる費用についての疑問、さらにどこの歯科医院で治療を受けたらよいかわからないの3点である。先生から説明を受けたけどよく理解できなかったし、もう一度聞きたいけど先生には聞きにくい、という実情は患者目線の真実である。 そんな時、この一冊が歯科医院、院長先生の力強い味方になる。待合室の書架に数冊置いておき、患者様が自由に閲覧できる状態にしておけば、患者様の理解が自然に得られるし、手間と時間のかかる治療コンサルテーションの一助になる。インプラント治療に興味を持ち、治療を受けたいと思う患者様が増え、マーケティングにも有利に働くだろう。レセプションのカウンターに置いて、定価で頒布するのもよいかもしれない。インプラント治療を予定している患者様、迷われている患者様には貸し出しという手もある。何しろ、説明しにくい費用のことやトラブルについても具体的にわかりやすく書いてあるから、患者様には治療を受ける前にぜひこの本を見て下さいとお伝えすればよい。インプラント治療に関する内容を6つの章に分けて、治療を受ける前、受ける時、受けた後に感じる疑問について、読むというより見るだけで理解できるように図や写真を交えてわかりやすく記してある。項目は全部で68あり、目次から個別の疑問点を探せばすぐに説明のページにたどり着ける。 この本の監修はCID Club理事長の勝山英明先生である。歯科界、インプラント治療に携わる歯科医師の間では知らない人はいないといっても過言でない実力派の有名人である。CIDというのはCenter of Implant Dentistryというインプラント治療のエキスパートが集まる学術クラブで、そこに所属するインプラントの専門家の先生が患者目線でわかりやすく執筆されている。 さらにガイデッドサージェリーやナビゲーションサージェリーなど、最新のインプラント治療のトピックスも掲載されており、先進的治療に興味ある患者様の知識欲をくすぐることは間違いない。また先生がこの本を熟読すれば、患者様の疑問にもわかりやすく丁寧に説明できるようになると思う。先生も、患者様もこの一冊を通読すればお互いにインプラント博学の称号に値するだろう。 SNSの口コミで、歯科医院の評価を上げる理由のダントツは、丁寧に説明してくれることである。インプラント治療を勧められたが決断できない、説明を受けたがよくわからなかった、そんなことを患者様に感じさせないためのMUSTの一冊である。

矯正歯科界で活躍する著明な先生方の治療哲学に触れられる絶好の一冊 別冊ザ・クインテッセンス 臨床家のための 矯正 YEARBOOK 2022 成人の叢生を考える

クインテッセンス出版・編 クインテッセンス出版 問合先 03-5842-2272(営業部) 定価 7,040円(本体6,400円+税10%)・214頁 評 者 根岸慎一 (日本大学松戸歯学部歯科矯正学講座) 本誌の素晴らしさは、矯正歯科界で著名な先生方の治療における哲学に触れられることである。筆者も臨床家として研鑽を積む身であり、今回も非常に勉強になった。巻頭トピックスは、槇宏太郎教授(昭和大)がアライナー矯正における留意点に関して、バイオメカニクスや失敗症例から注意すべき点を簡潔に示しており、大変わかりやすい内容となっている。 特集は「成人叢生を考える」をテーマに、2部構成となっている。第Ⅰ部は、さまざまな流派の先生方の診断・治療計画立案・治療方法について詳細に記されている。簡潔に紹介すると、矯正歯科治療の真の目的である長期的な歯列の安定、不正咬合の診断における口腔機能の考え方、超高齢社会の矯正歯科治療の留意すべきポイント、小臼歯抜歯の反作用の予防法、CBCTによる歯槽骨量や気道への影響を考慮した治療計画の立案、ストレートワイヤーシステムによる診断と治療計画立案、TMJを考慮した機能的咬合の重要性、などである。日常臨床において困った時に打開策となるヒントが数多く掲載されており、すべての項目でまさに目から鱗が落ちる思いであった。第Ⅱ部は、各メーカーによる矯正歯科装置の紹介をしている。とくにブラケットおよび歯科矯正用アンカースクリューに関連したものは治療例とともに読むことができるため、臨床応用しやすい。 特別企画は、動的治療を行う際に考慮すべき項目の1つである歯肉退縮についてである。加治彰彦先生ら(東京都開業)が多くの論文的考察から検討を行っており、さらに知っておくべき最新の歯肉退縮の分類についても記載されている。 また、海外論文の項目では,下歯槽神経に近接している第三大臼歯を一時的に牽引することで抜歯のリスクが軽減した症例に関する論文を、宮下邦彦先生(東京都開業)がわかりやすく翻訳し、さらに解説を加えることで、非常に読みやすい内容となっている。 国内学会抄録では、森山啓司教授(医歯大)と齋藤功教授(新潟大)による第80回日本矯正歯科学会学術大会の事後抄録が掲載されている。これから矯正歯科医を目指す若い先生方に向けて“医療人としての矯正歯科医のあるべき姿”についてふれられており、すべての矯正歯科医が必読すべき項目である。 トレンドの項目では、中嶋亮先生ら(東京都開業)がモディファイドコルチコトミー法について紹介している。加速矯正としての治療期間の短縮と歯周組織の強化を目的としたフェノタイプモディフィケーションを同時に行うことが可能な手法で、これらは術者と患者の両輪のニーズを解決する、矯正歯科治療の未来を感じさせる治療方法だと感じた。 本誌はまさにイヤーブックとして多岐にわたる治療方法が存在する矯正歯科界の現在地が記されており、日本の矯正歯科治療の現状を知ることができる素晴らしい一冊だ。

デジタル矯正歯科の最先端がここに! 世界のオールスターが勢ぞろい! 歯科矯正学における3D診断および治療計画 アライナー、OSA、TMD治療にも応用できる最新のデジタル矯正

Jean-Marc Retrouvey/ Mohamed-Nur Abdallah・編 三林栄吾/深澤真一/ 友成 博/根岸慎一・監訳 クインテッセンス出版 問合先 03-5842-2272(営業部) 定価 30,800円(本体28,000円+税10%)・336頁 評 者 山﨑長郎 (東京都・原宿デンタルオフィス) 本書を開いた最初の率直な感想は、「とうとう矯正歯科治療もこのような時代がきたか」とため息をついてしまった。インプラントの分野におけるデジタル化は、スムーズさとスピードをもって受け入れられ日常臨床に応用された。この波はやや遅れて矯正歯科治療にやってきた。よく考えてみると診断は、二次元のセファロによる分析・診断のみが長く続き、それ以上が組み込まれることはなかったのではないか。恐らくこれらをふまえて矯正歯科治療のターニングポイントとして本書が上梓されたのではないか。いずれにしても、読み進めるうちに今までの技術・手法のみにとらわれた矯正歯科治療の書籍とは一線を画すすばらしい内容に惹き込まれてしまった。矯正歯科治療の未来形を教示するとともに、現在の治療の変換を示している。 本書は大きくPartⅠとPartⅡに分かれていて、PartⅠは本書の肝であるさまざまなデジタルツールを診断にいかに使用して分析するかが述べられている。PartⅡは画像診断によるプランニングおよび臨床症例への応用が中心である。   1章は、人工知能(AI)を応用した診断の進化であり、矯正歯科治療の未来形を暗示している。2章は、矯正歯科治療における臨床写真の使用方法と新しい口腔内スキャナー(IOS)との組み合わせである。特にIOSによるDSD(Digital Smile Design)との連携が興味深い。3章から5章は、三次元画像による評価、コンビームCT画像との共用、三次元頭部X線規格写真と画像診断など、それぞれの特徴と応用方法、従来の診断ツールの違いを解説している。6章はIOSについて、7章はTMDの画像診断について述べられている。 PartⅡは、PartⅠの診断がいかに臨床に応用されているかが述べられている。8章はMAPAシステムとF22アライナーの実例が特に目を引いた。9章は、従来のアプローチによる二次元の限界から顎関節・咬合の変化を三次元的に可視化するV.T.O.とオクルソグラムによる治療目標の達成である。10章はIOSのSTLデータとCBCTのDICOMデータの融合による三次元分析から治療計画立案と実行である。まさにデジタルツールのアドバンテージを感じられる。11章と12章は顎矯正手術における治療計画および難症例の三次元治療計画である。この分野は特にデジタルによるシミュレーションが有効で利便性が高い。13章は、インターディシプリナリーアプローチで矯正と補綴の定義的連携を述べている。最終ゴールの補綴を見据えて矯正歯科治療を行う、まさにデジタルデンティストリーである。 何はともあれ、現在・未来をステップアップさせる矯正歯科のデジタル治療に関する内容が充実している。本書が矯正歯科のパラダイムシフトをさせることは間違いなく、読者の胸に刻まれる1冊である。もちろん読み方は自由であるが、個人的にはAirwayについての記述がある5章が特に興味をそそられた。

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