TOP>コラム>ウイズコロナの時代と対策 その2 マスクの下で口呼吸?

コラム

ウイズコロナの時代と対策 その2 マスクの下で口呼吸?

ウイズコロナの時代と対策 その2 マスクの下で口呼吸?
ウイズコロナの時代と対策 その2 マスクの下で口呼吸?
唐突だが、マスクの下で口はどうなっているだろう?



1:閉じている 2:開いている

某放送局の街頭インタビューでは、鼻呼吸が約1/3、口呼吸が2/3であったという。



マスクをして呼吸することは、呼気をそのまま吸うことになる。
当然、取りこむ酸素量が減少するので口呼吸が誘発される。
マスクの長時間の使用は、口呼吸の癖がつく可能性があるのだ。

そこで、すでに佐賀県歯科医師会では、
「マスクを付けると"ムレ"・眼鏡のくもり"・"ニオイ"ませんか?」
と"口呼吸の癖"と口腔衛生に関するポスターを作製し注意喚起を行っている。



「マスクを付けると"ムレ"・眼鏡のくもり"・"ニオイ"ませんか?」ポスターダウンロード
提供:佐賀県歯科医師会

ちなみに、ガーゼマスクの網の目を国立競技場に例えると、ウイルスの大きさはサッカーボール大。
不織布製においても、網の目を直径50cmの大時計とすると、パチンコ玉大となる。
網の目が細かくなるほど、体内に入る酸素量が減少することがわかる。
この代償作用こそが"口呼吸"なのだ。

そこで、マスクの長時間使用により、頭痛・めまい・集中力の低下が起こる。
いずれも"マスク酸欠"が原因だ。
頭痛は、二酸化炭素の蓄積の影響で、脳の血管が拡張するため起こる。

しかもこれからの季節、"マスク熱中症"も起こしやすい。



新鮮な外気は、鼻腔を通じ脳のラジエター役として働いている。
一方、暑い日中、鼻まで覆うと体を冷やすことができない。
そのため、熱がこもるのだ。
中国では中学生3名が、マスクをして体育の授業中に突然死した。
このうち2名は、医療用のN95マスクをしていたのである。
酸欠になると、徐々に意識が遠のき、自身が酸欠になっている自覚がない。
そして、倒れる直前に初めて酸欠であることを自覚する。
運動とマスクは相性が悪いのは当然だ。
日本でも猛暑日、体育の授業中にマスクをしていた高校生が、午後から全員早退したという。

マスク酸欠と熱中症が合わさり重症化すると、昏睡に至る意識レベルの低下に陥り生命の危機となる。
頭痛を感じたら、マスクを外しゆっくりと新鮮な外気を取り入れる。
同時に、直ちに体を冷やすことが重要だ。

続く

著者岡崎 好秀

前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授

略歴
  • 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
  • 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
所属学会等
  • 日本小児歯科学会:指導医
  • 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
  • 日本口腔衛生学会:認定医,他

歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!


岡崎 好秀

tags

関連記事