「面接は準備が9割・本番1割で決まる」と言われており、就職活動では面接の準備が大切です。ただ、「どんな準備をすればいいの?」「面接で何を聞かれるの?」と悩む歯科衛生士さんも多いでしょう。
今回は、持ち物やマナー、よく聞かれる質問、面接に落ちる原因について解説します。
知っておくだけで面接の準備ができるため、参考にしてください。
歯科衛生士の面接前・応募時のポイント
はじめに、歯科業界に限らず面接は応募する段階から準備を行う必要があります。
面接者の第一印象は応募や問い合わせのやりとりで決まるためです。
まずは、応募時に好印象を持たれるポイントを解説します。
電話で問い合わせる場合
電話をかける時間帯に気をつけてください。
診療時間中は患者さんの対応をしており、電話を取る余裕がない歯科医院が多いです。
応募する歯科医院の診療時間外をインターネットで調べ、迷惑にならないように電話しましょう。
また、忙しい合間で電話を取ってもらうため、端的に用件を伝える必要があります。
電話する前に、手元に応募する医院の求人広告や、メモと筆記用具を用意しましょう。
メールで問い合わせる場合
ビジネスマナーに気をつけたメールを送りましょう。
メールの文面から仕事を行う上で必要なマナーを理解しているかどうかが伝わります。
具体的には以下の3点に気をつけてください。
・宛先や挨拶から書き始める
・メールの内容はを明確にする
・言葉遣いは敬語で書く
その他(求人サイトなど)で応募する場合
求人サイトから応募するときは「情報が間違っていないか」を確認しましょう。
応募フォームに必要な情報を入力するため、手軽に応募できます。
ただし、情報に間違いがあると「簡単なことでもミスを行う人」と思われかねません。
送信ボタンを押す前にしっかりと確認しましょう。
また、応募した後は応募先からメールが帰ってくるため、メールボックスを忘れずにチェックしましょう。
メールが届いたら、遅くとも3日以内に返信するように心がけてください。
歯科衛生士の面接の持ち物
万全の状態で面接に伺うことが理想です。
前日までに次の内容をチェックしておきましょう。
<確認事項>
・履歴書や職務経歴書を見返す
・募集要項やメールを読み返す
・日時や歯科医院の住所・行き方を再確認する
内容の認識違いや、誤字脱字のないように注意してください。
<持ち物>
・履歴書や職務経歴書
・歯科衛生士免許とコピー
・筆記用具やメモ帳
また、歯科医院の見学をする場合でも、必ず履歴書と職務経歴書を持って訪問しましょう。
見学でも、履歴書や職務経歴書の提出を求められることがあります。
歯科衛生士の面接のマナーや身だしなみ
面接での受け答えだけではなく、身だしなみやマナーもチェックされるポイント。
社会人として基本的なことができているかを確認しているためです。
ここからは、身だしなみやマナーで気をつけるポイントを解説します。
服装
リクルートスーツで訪問しましょう。
歯科医院では、清潔感が大切です。
面接で「私服OK」の歯科医院もありますが、ラフすぎたり派手な私服は印象がいいとは言えません。
無難なリクルートスーツを選びましょう。
色や柄が派手でないシャツや、露出が少ないカットソーをおすすめします。
メイク・爪
さきほどもお伝えしましたが、面接では清潔感が重要です。
メイクはナチュラルにし、健康的な印象を心がけましょう。
また、爪は衛生面に関わるため特にチェックされます。
ネイルをせず、短く切って面接に伺いましょう。
ヘアスタイル・髪の色
髪の毛の色は黒、または自然な茶色をおすすめします。
一般的に髪の色は、ヘアカラーの番号で「7番まで」を上限とされることが多いです。
明るい髪の色の場合には、面接前に自然な色に染め直しましょう。
到着時間
遅れてはいけませんが、早く着きすぎることもマナー違反です。
早すぎず遅すぎない面接の10分前に到着しましょう。
また遅刻は厳禁ですが、もし遅れる場合はすぐに電話で連絡しましょう。
挨拶
歯科医院に着いたら、患者さんの邪魔にならないように気をつけ、受付で自分の名前と面接に来たことを伝えましょう。
待ち時間は、すれ違う他のスタッフさんに挨拶すると好印象です。
自己紹介
面接室に案内されたら、「失礼します。」と言ってから、入室してください。
面接が始まったら、「○○と申します。よろしくお願いします。」と、改めて自己紹介をしましょう。
面接中の姿勢
面接官から促されたら、「失礼します。」と言ってから椅子に座ります。
椅子には浅く腰掛け、背筋を伸ばします。
明るくハキハキと受け答えし、敬語を使いましょう。
年齢の近いスタッフが面接官を担当するかもしれませんが、年齢に関係なく、敬意を払って丁寧に対応しましょう。
また、質問に対して正確に答えることも大切です。
お礼
面接終了時には、「本日は貴重な時間をありがとうございました。」など丁寧にお礼を伝えましょう。
歯科医院の連絡先を伺っていたら、当日または翌日中にお礼のメールを送っておくことをおすすめします。
お礼メールでは、面接のお礼にプラスして働く意欲などを伝えておくと好印象です。
歯科衛生士の面接でよく聞かれる質問と回答例
ここからは面接でよく聞かれる質問項目と回答例をお伝えします。
自己紹介
自己紹介を求められた際は、アピールポイントを短く伝えることが重要です。
今まで経験したことや得意なこと、長所などを、1分程で答えられるようにしましょう。
<回答例>
「○○(名前)と申します。
歯科衛生士として、○年仕事をしてまいりました。
特に○○分野に興味があり、○○の資格を取得しました。
本日はどうぞよろしくお願いします。」
また、新卒の方は聞かれませんが、社会人経験があれば経歴を聞かれます。
業界外の経歴であっても、採用の判断材料となるためです。
これまで携わった業務や得られたことについて答えられるようにしましょう。
志望動機
他のクリニックではなく、そのクリニックを志望する理由を伝えることが重要です。
<回答例>
「地域に根差した歯科医療に貢献したいため、地域密着の理念を掲げている貴院を志望しました。」
「審美歯科に興味があり、審美歯科で多数の実績を持たれる貴院を志望しました。」
また、志望動機を明確にするために、できれば事前にWEBページなどで、歯科医院ならではの特徴を理解しておくといいでしょう。
長所・短所
長所または短所を伝える際は、以下のポイントを押さえましょう。
▼長所
長所は、自分の魅力や人柄を面接者に伝えるチャンスです。
具体的なエピソードを交え、長所が仕事においてどう活かせるか伝えましょう。
<回答例>
「私の長所は傾聴力が高いことです。
『○○さんなら何でも話せる』とクラスメートによく言われ、相談に乗ることが多かったです。
患者さんや他のスタッフさんと良好な人間関係を作り、貴院に貢献したいと思っています。」
▼短所
短所を伝えるだけでなく、それを補うためにしている対策やフォローを伝えることが重要です。
<回答例>
「私の短所は流されやすいことです。
他人の話に共感してしまい、意見をそのまま受け入れてしまいます。
短所をカバーするために、他の人の意見を聴きながらも自分の意見を持つように・伝えられるように努めています。」
短所は誰にでもあるため、「ありません。」などの回答はNG。
マイナスを改善する努力をしていることを伝えると、好印象を与えられるでしょう。
どんな歯科衛生士になりたいか
歯科衛生士には色々な業務があるため、どのような経験を積みたいか伝えましょう。
例えば、アシスタント業務なのか、スケーリングなどの予防業務なのか、歯科保健指導なのかなどです。
<回答例>
「まずは、一般歯科全般を担当し、多様な経験を積みたいです。
その上で、インプラント業務に興味があるため、資格を積極的に取得し、経験を積んでいきたいと考えています。」
逆質問
逆質問とは、面接官に対してこちらから逆に質問することです。
質問の内容の良し悪しで、応募者の意欲が測られる場合があります。
「特にありません。」では意欲がないと思われかねないため、逆質問を事前に考えておくと安心です。
<回答例>
「勤務までに何か準備や勉強した方がいいことはありますか。」
「○○な働き方をしたいと思っていますが、ロールモデルになるような歯科衛生士の方がいらっしゃればお伺いしたいです。」
もし、どうしても思いつかなければ、「一生懸命頑張ります。ぜひ、よろしくお願いします。」など、前向きな姿勢を伝えましょう。
歯科衛生士の面接で落ちる…不採用の原因と解決策
面接に落ちる人には共通している特徴があります。
以下の点もチェックしてみましょう。
面接に落ちる人の特徴
以下の特徴がある人は落ちる可能性が高まります。
①身だしなみや第一印象が悪い
歯科衛生士の仕事は患者さんを接客するため、安心して患者さんを任せられるかを見られます。
身だしなみを見直してみましょう。
②元気がない、やる気を感じられなかった
患者さんの接客だけではなく、仕事は院長や他のスタッフと協力して進めます。
そのためコミュニケーションが気持ちいいかどうかもみられています。
③歯科医院で働く意欲が伝わらなかった
どのような業務で経験を積みたいか、またどのような歯科衛生士になりたいかなど、仕事の意欲を伝えれていないことも考えられます。
上記のように、これまでお伝えしたポイントを外しているケースがほとんどです。
解決策
面接に落ちる人は、以下の対策をやってみてください。
▼身だしなみを再チェックする
今回ご紹介したチェックポイントを再確認してください。
意外と見落としがちなことが、スーツのセットアップです。
セットアップは、上下が組み合わせとなっているスーツのこと。
上下バラバラにならないようご注意ください。
▼声を張ってハキハキ喋る
声が弱々しいと、それだけで印象が悪くなります。
意識して声を出すだけで面接では好印象を与えます。
女性で声を出しにくい場合は、腹式呼吸を心がけ、お腹から声を出しましょう。
▼意欲を伝える
歯科医院の院長やスタッフは、前向きな人と一緒に働きたいと思っています。
もし歯科医院で働きたい明確な理由がなかったとしても、「頑張りたい」という意欲や貢献できる姿勢を伝えましょう。
準備で9割決まる!しっかりと準備を
今回は、歯科衛生士の面接のマナーや持ち物、準備や面接対策についてお伝えしました。
ビジネスマナーや身だしなみは、社会人では「やって当たり前」と判断されるため、必ず押さえておきたいポイントです。
その上で、自己紹介や長所・短所、逆質問などを通し、自分の魅力や意欲を伝えていくことが重要となります。
こちらの記事を参考にしながら、面接の準備を進めてみてくださいね。