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『日本全国で活躍する歯科衛生士さんインタビュー』若林歯科医院 大山眞央さん

『日本全国で活躍する歯科衛生士さんインタビュー』若林歯科医院 大山眞央さん
『日本全国で活躍する歯科衛生士さんインタビュー』若林歯科医院 大山眞央さん

『日本全国で活躍する歯科衛生士さん探訪』

東京の数ある街の中でも美術館や最先端なグルメ店といったおしゃれスポットが多い恵比寿駅周辺。第3回目はそんな「“おとな”な街」で開業する「若林歯科医院」にお邪魔しました。歯科衛生士になって8年目の大山眞央さんとともに、インタビューには若林健史院長にもご同席いただきました。 第3回 東京都渋谷区 若林歯科医院 歯科衛生士:大山眞央さん 歯科医師:若林健史院長 予防や歯周病治療に力を入れる「若林歯科医院」の若林健史院長は「歯科の8割は歯科衛生士の仕事」と話します。歯科衛生士さんが働きやすい環境づくりにも力を注ぐ「若林歯科医院」の職場はどんな雰囲気なのでしょう。業務のことや職場のこと、恵比寿の街について伺います。 ―― はじめに、大山さんが歯科衛生士を目指したきっかけを教えてください 大山さん:自分から「なりたい」と思ったというよりも母から勧められたのがきっかけでした。というのも、もともと母が歯科衛生士だったんです。 なので、昔からどういう仕事なのかは何となく分かっていましたし、「歯医者さんで働くお姉さん」という印象があって、カッコいい仕事だなと思っていました。 ―― 実際に働かれるようになって、思い描いていたことと違った点はありますか 大山さん:専門学校に通ううちに具体的にどんな仕事なのかが分かってきて、どんどん興味が湧いたんですが、 それでも「ドクターのアシスタント」とか「その延長線上」くらいの認識でいました。実際に働いてみて、患者さんからとても近い存在なんだと分かり、今では患者さんの健康のためにとても大切な仕事をしていると日々、実感しながら働いています。 ―― これまでの勤務経験を教えてください 大山さん:専門学校を卒業後は当院とは別のクリニックで2年ほど勤めていました。「若林歯科医院」に勤めるようになって6年目です。 ですから歯科衛生士としては8年目になります。ここに来たばかりの頃は歯周病の軽度から中等度の方を担当することが多かったのですが、今では重症度の患者さんも担当しています。 ―― 若林院長は採用の際にどんなことを大事にされていますか 若林院長:第一印象ですね。私の場合は特に表情を見るようにしています。何でも前向きになって、明るく積極的に取り組もうという気持ちがある方はそういう雰囲気が表情に出てくると思うので…。この仕事はスタッフや患者さんとの人間関係がとても大切なので、にこやかにハキハキと答えてくれるかどうかも大切ではないでしょうか。 ―― 大山さんの第一印象はどうでしたか 若林先生:最高にいい笑顔でしたよ!「大山と申します」という第一声でだいたいどんな方なのかは分かる気がします。人に対して優しそうだな。患者さんに信頼されそうだなと感じました。実際に患者さんに対してとても優しく接していて、「この人なら安心して任せられる」と患者さんに思ってもらえているんじゃないでしょうか。 ―― 大山さんが患者さんと接するときに心がけていることはありますか 大山さん:これは先生や先輩から教わったことなのですが、患者さんは皆さん、不安な気持ちいっぱいで来院されます。その不安を不安のままにしないように、患者さんの心配事をすべてクリアにするように心がけています。 そうして患者さんと仲良くなると、ファンになってくれるというと少しオーバーですが、私を信頼してお互いにいろんな相談ごとなどをするようになるんです。そういう部分に楽しみがあるので、お口の中を良くしたいということはもちろんですが、たくさんの方と信頼関係を築いていくのが楽しいと感じています。 ―― それは具体的にはどんなことをされているのでしょうか 大山さん:例えば、歯磨きの仕方が分からないという患者さんもいらっしゃいますし、どんな治療をしているのか分からないために不安を感じているという患者さんもいらっしゃいます。小さな誤解や小さな不明点でも、そのままにしておくと大きくなってしまうので、その都度、その都度、理解されているかどうかを確認するようにしています。あとは患者さんとの角度にも気をつけています。 ―― 角度ですか? 大山さん:はい。患者さんと真正面に対峙してしまうと患者さんは緊張してしまいます。かといって真横だと目線が合いません。正面からちょっと角度をつけて、斜めに向かうようにして、目線も合うようにしています。そして、疑問や不安を感じていそうなら、その都度訊ねて、問題を一つひとつ解決するようにしています。 ――仕事をする上でどんなところにやりがいを感じますか? 大山さん:歯周病の方の歯肉が健康な状態に戻ったり、健康な状態をキープできていたりするとやりがいを感じます。 若林先生:当院では定期的にX線や口腔内写真、歯肉や歯周ポケットの測定など、時間をかけて口腔内やそのまわりの資料を取らせていただいています。細かく資料を取ることで、しっかりと治療ができているのか、健康な状態を維持できているのかが可視化できるんです。 大山さん:その時々の状態が数値化されるので成果が見えやすいのは、やりがいにもつながっています。その反面、治療がうまく進まないときも数値化されるので、責任の大きさも感じます。ですので、「知識や技術を向上させていかなきゃ」という思いは常にありますね。 若林先生:資料は歯科医師や歯科衛生士が患者さんの状態を把握し、次の治療につなげるために役立つのはもちろん、患者さんにご自身の状態を理解していただくためにも大切なツールになっています。そして、患者さんにちゃんと理解していただくために、カウンセリングの時間もしっかり取るようにしています。 大山さん:そうなんです。資料を使ってきちんと理解していただいて、それが結果的に信頼にもつながっていると思いますし、やっぱり患者さんが安心して通ってくださる姿を見るのは、こちらとしても嬉しく思います。 ―― 先ほど、「技術や知識の向上」というお話がありましたが、そのために取り組んでいることはありますか 大山さん:知識や技術については先生や先輩に教えてもらうことと、専門誌や本も読むようにしています。あとはモチベーションを維持・向上させるために、セミナーや講演などにも積極的に参加していて、単に知識を詰め込むだけじゃない「感動づくり」の時間を大切にしています。 ―― 「若林歯科医院」で働くことについて、どんな魅力を感じますか 大山さん:一言では言い表せませんが、何かを勉強をしたいと思ったときに院長は「どんどんやりなさい」と背中を押してくれます。そうした学べる環境があるのは魅力ですね。先ほど、モチベーションの話をしましたが、働き続けているとどうしてもモチベーションが下がる時があります。その中でやりがいを感じたり、勉強したいと思った時に学べる環境があるのはモチベーションの維持・向上につながります。あとはベテランの方が多いので小さな疑問や問題がすぐに解決できるところも魅力です。院長にすぐに相談できるのもありがたいですね。 若林先生:私は怒るのが嫌いなんです。怒っている自分も嫌いですし。むしろ、私のほうが「パソコンの電源を消し忘れてますよ」と、スタッフから怒られちゃうことがあるくらいです(笑)。私自身は、先生だから、助手だから、受付だからというふうに、職種や肩書きで「こっちのほうが偉い」みたいな考えは持っていません。職種や肩書きの前に、みんな同じ「人」。歯科医師だって単なる「人」です。そういう目線でスタッフと相対したいと思っています。だから、分け隔てなく、みんなで一緒に楽しく仕事をしようというスタイルなので、質問も相談も気軽にしてもらいたいと思っています。 大山さん:そういう雰囲気の職場なので不安に思うことを溜め込まずに済んでいるんだと思います。また、当院は担当制なので一人の患者さんに対して、きちんと責任を持って対応することができる点もいいですね。それだけこちらに任せてくれているので、伸び伸びと歯科衛生士として働くことができています。 若林先生:他人に迷惑をかけないとか最低限のルールはもちろんあるけれど、みんなそれぞれでいろいろなことを考えて行動しているはずだから、「ああしろ」「こうしろ」とこちらから押しつけずに、みんながどんどん自由に活躍できる雰囲気づくりを大切にしています。みんなが最大限の能力を発揮できる環境づくりこそ、院長の仕事だと思っています。 大山さん:私はここに勤めて6年目ですが、以前、働かれていた歯科衛生士さんから引き継いだ患者さんもいて、中には何十年も通ってくださる80代の患者さんもいらっしゃいます。つまり、歴代の歯科衛生士さんたちがその患者さんの健康をバトンタッチしながら守っているんです。そういう引き継ぎ方ができるのも、先ほど院長がおっしゃった「分け隔てなく、みんなで一緒に楽しく」という雰囲気から生まれてくるんじゃないかと思っています。 ―― 患者さんにしても歯科衛生士さん同士の雰囲気がよく、うまくバトンタッチが できていれば、安心ですよね。今後のことについてもお訊きしたいのですが、目標があれば教えてください 大山さん:高齢者は今後も増えていくので、全身疾患と歯周病との関わりについてもっと勉強して、トータルマネジメント力を高めたいと思っています。 ―― 目指している理想の歯科衛生士像はありますか? 大山さん:医療はどんどん進歩するので、いつでも勉強ができる環境で、楽しく生き生きと歯科衛生士として働くことが理想かなと思っています。その上で、経験値や知識をもっと増やして、患者さんへの共感力を高められたら嬉しいですね。 若林先生:私としては、大山さんはひと通りなんでもできるようになったので、次のステップとして後輩を育てる立場になって欲しいなと思っています。知識や技術を身につけることと、それを人に教えることはまったくの別物。当院にはベテランの歯科衛生士もいるので、ベテランから教わるところは教わって、新しく入ってきた後輩たちにはこれまで培ってきた知識や技術を伝える、そのためのスキルを磨いて欲しいなと思います。期待しているので、どんどんチャレンジして欲しいですね。 ―― ここからは恵比寿という街についても伺いたいと思います。まず、恵比寿の魅力について教えてください 大山さん:アクセスがいいので患者さんにとっても私たち働いている者にとっても便利な街だと思います。また、この辺りは観光スポットや美味しいご飯屋さんが多いので「診療後に友だちとご飯に行きます」とおっしゃる患者さんは多いですね。新型コロナウイルスの影響で最近は忘年会などをやっていませんが、以前は近所のおいしい焼肉屋さんで院長がご馳走してくれることもありました。実はサウナにハマっていて、最近おしゃれなサウナが近所にできたので、いつか行ってみたいと思っています。恵比寿はそういうさまざまなスポットがある街ですね。 ―― オススメのお店はありますか 大山さん:ここから歩いてすぐの場所に「パティスリー レザネフォール」というフランス菓子専門店があって、テレビでも取り上げられる人気店です。 若林先生:代官山寄りになりますが、「アムストラムグラム」というタルト専門店も旬のフルーツを使ったタルトを毎日焼いていて、とてもおいしいですよ。そこで飲むコーヒーもおいしいです。 ―― ぜひ、伺ってみたいです。最後に全国の歯科衛生士さんに向けて、メッセージをいただけますか 大山さん:歯科衛生士という仕事は本当に患者さんの近くでサポートができて、患者さんの生活の質や人生そのものをより良くできる仕事です。働いている環境は皆さんそれぞれ違うと思いますが、モチベーションを上げて、みんなで頑張っていきたいです。 若林先生:多くの国民が悩んでいる歯周病については、歯科医師が適切な治療を行うことはもちろんですが、歯科衛生士がその後継続的にメインテンスを行うことで、その多くは改善へと向かいます。また、重度歯周病の場合、外科手術を伴うケースもありますが、歯科衛生士が丁寧にベースの部分をケアしてくれるから、つぎに歯科医師が関わる治療もスムーズに進むんです。だから、歯科衛生士がいなくてはこれからの歯科治療は成り立たないと言えるでしょう。 ――予防という部分でも歯科衛生士さんの活躍が期待されます 若林先生:その通りです。今まさに国民皆歯科健診の導入が検討されています。健診にしても歯科衛生士がいなければ成り立ちませんし、ますます予防の重要性が高まっているので、なおのこと歯科衛生士の活躍が期待されます。私自身は予防歯科の考えがどんどん広まって、削って埋めるような虫歯の治療がなくなり、最終的には予防だけでクリニックが成り立つようにしたいと思っています。それは開業当初からの目標なんです。予防がきちんとできて、お口が健康になったら、今度は全身の健康にもつながります。そうすれば、国の財源を圧迫する医療費の削減にも貢献できます。だから、日本を救うのは歯科衛生士なんです。そういう仕事であるという自負と誇りを持って、日々の業務に取り組んでいただきたいなと思っています。 ―― 本日はありがとうございました

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