前回は未収発生の理由と未然防止策についてご案内いたしました。
https://d.dental-plaza.com/archives/980
今回は、発生してしまった未収の治療費の回収についてご説明します。
(1)督促状を送る
支払いをしない滞納者に対しては督促状を送りましょう。
督促状の内容や送り方には法律的な制限があるわけではありませんが、送付の有無がわかるように、書留など送付と相手方の受領の有無がわかるようにしておくとよいでしょう。
また封筒の色や大きさに工夫をすると回収率が向上することがあります。
具体的には、赤色や黄色などの目立つ色の封筒を使ったり、あえて大きなサイズの封筒を使うという手法です。
(2)電話をかける
電話をかけて督促をする際のポイントは、期日を管理して電話することと、繰り返しかけることです。
期日を管理するとは、入金予定日の前や予定日に入金がなかった場合には、その翌日に電話をすることです。
こうすることで、相手方に「ここはしっかり管理している病院だな」と思わせることができます。
また、1回だけで終わらせるのではなく、2回、3回としっかり電話をかけることも回収につながります。
(3)裁判をする
「少額で裁判なんて」とお考えになるかもしれませんが、裁判も有効な方法です。
裁判は費用がかかると思われがちですが、弁護士等の専門家に頼む費用を除けば意外と裁判費用は低額です。
裁判所に提出する訴状等の形式を整えておけば、専門家に頼まずとも自身で裁判をすることもできます。
裁判を起こすことにより、強力なプレッシャーを相手に与えることができます。
治療費の未収は不意に発生してしまう事がほとんどで、また残念ですが悪意の有無もその場で判断しなければなりません。
役割分担を含めた対応マニュアルを、未収の「発生前」と「発生後」に分けて整備しておくことで、対応時の負担軽減や後々の処理をスムーズ、かつ優位に進められます。