北海道 旭山動物園の動物達は、いつも生き生きしている。 どうしてだろう? そのヒミツを知りたいと思い、元園長の小菅正夫先生に理由を尋ねた。 そこで聞いたことを紹介する。 小菅先生「サルに1日分のエサを一度に与えたら,どの位の時間で食べるだろう?」 筆者「1時間位ですか・・」 先生「もっと短い。」 筆者「30分・・」 先生「せいぜい10分で食べきる」 筆者「たったそれだけですか!」 先生「もし,あなたがサルだとして10分で食事をしたら,残りの時間は何をして過ごすだろう? もちろんテレビはないし,携帯もない。外出して友人に会うこともない」 筆者「家でゴロゴロするしかありません。」 先生「そうだろう!サルは1日の生活の約半分はエサを探している。 それが彼らにとっての仕事だ!」 筆者「エサが簡単に手に入ると、退屈な生活を余儀なくされるのですね」 先生「そう!エサを探す必要がなくなる。そこでその種類や与え方を工夫する。 例えば、木クズにヒマワリの種をパラパラとまいておく。 すると、サルはいつまでも探し続ける。 http://okazaki8020.sakura.ne.jp/cgi-bin/kikuzu.mp4 他にも四角い箱などに小さな穴をあけ、転がすと種が出るようにしておく。 ホラッ! 見つけて食べている時のサルの顔、実に良い表情をしているだろう」 なるほど!エサを十分に与えれば良いというものではない。 簡単に手に入る環境は、動物の仕事を奪うことにつながる。これは社会・心理的フレイルに陥る可能性がある。 そういえば、類似した話を競走馬の調教師から聞いたことがある。 魚を採る網に、エサの草を入れるという。 どうして,このような与え方をするのだろうか? ここで、その理由を考えていただきたい。 1:レースに勝てなかったときの“お仕置き”。 2:エサを食べ過ぎないようにダイエット。 3:エサを早く食べさせないようにする。 続く
著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!
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