長年、開業の立地を見ていると、時には思わぬところが好立地にかなっていることがあります。 新規の顧問先に初めて訪問すると、そこはきれいな一軒家の歯科医院。 南欧風で明るくオシャレな医院でした。 しかしまわりを見渡してみると、すべて畑。 あたり一面が農地という立地でした。
最初「こんな何もないところで大丈夫だろうか」と思ったのですが、いざ開業すると杞憂に終わりました。 開業1ヶ月目から患者さんが押しかけて、3ヶ月目もすると予約がすぐにとれないほどに。
こんなに患者さんが来た理由を先生に聞いてみました。 すると医院から北2㎞のところに大きな総合病院があり、地元の人には有名な病院でした。 特にお年寄りは何らかの世話になっているようで。 その病院の通り道にこの歯科がありました。 すると病院に通った人は必然的に目にします。
つまり地元の人に認知されやすい場所でした。 そして南に2㎞ほど行くと高速道路のインターがあり、そちらにも行きやすい。 さらに毎月通っていると、もっと大きな理由がわかりました。 その歯科に向かうため、車で駅からメインの国道を通ると、いつも渋滞がありました。 特に夕方はひどく、駅前から歯科にいくまで30分以上もかかり、少し走っては止まるを繰り返し。 あるときタクシーを使うと、運転者さんは国道から数百メートル奥に入った道から行きました。 するとスムーズに行けて、15分ほどで医院に到着。 しかもこの道は歯科のすぐそばまで、繋がっていました。 つまり国道の抜け道になっていたのです。
地元に住まないとわかりませんが、この抜け道は地元の人に知られた通りで、よく使われていました。 まわりも畑で視認性もいい。 何より土地代も安いので、開業の費用が抑えられる。 このように、一見へんぴな場所でも成功する場所はあります。 とくに地元で開業する人は、抜け道をくまなく走ってみてはいかがでしょうか。