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歯科医院経営をデザインする第2回:
歯科衛生士不足を解消するための処方箋

2019/10/18 歯科医院経営

平成30年末現在の就業歯科衛生士数は132,635人で、平成28年末と比較して8,804人増えています(平成30年衛生行政報告例〈就業医療関係者〉の概況より)。平成31年1月末の歯科医院数が68,544件。全員が歯科医院に勤務すればありがたいのですが、診療所に勤務する歯科衛生士は120,068人(90.5%)で、それ以外は病院や市町村、介護保険施設に勤務しています。診療所数で単純に割ると1.75人ですが、実際には診療所ごとの偏りが大きいといえます。歯科衛生士の年齢も25歳以下が減って50歳以上が増えている。地方の歯科衛生士学校を卒業しても一定数は都市部に出ていくことを考えると、地域によっても歯科衛生士数の格差はあります。

では、歯科衛生士に先生の医院で働きたいと思ってもらうには何が必要なのでしょうか?それはズバリ働きやすい環境です。多くの女性のライフステージにおいて「結婚」「出産」「育児」「夫の転勤」「介護」が働き続けるうえでの障壁になります。家族や職場の理解があり働き続けられる場合もありますが、ライフステージの変化によって退職を選択する場合も多いのです。また、それ以外で退職理由として多いのが「職場の人間関係」「労働条件:休めないなど」「業務内容:やるべき作業が多い」などです。人間関係では50%程度が院長との関係であり、院内での人間関係の構築法が歯科衛生士不足解消における一つの鍵となりそうです。

これらを総合しますと、歯科衛生士が働きやすい職場づくりには「人間関係が良好」で「女性のライフステージの変化に対応できる仕組み(産休・育休制度、病児保育、時差出勤、時短など」を構築する必要がありそうです。歯科衛生士が多い歯科医院ではこれらの条件を満たしており、先輩歯科衛生士がいるからと安心して就職先を選ぶ新卒歯科衛生士も多いようです。周りの歯科医院より労働条件を良くして歯科衛生士を募集したところ、3人の応募があったという話も聞きました。

また、「歯科衛生士の応募がない」と嘆く院長に「どこに募集をかけているのですか?」と聞くと、ハローワークにしか出していないということも多いのです。歯科衛生士の応募を勝ち取るにはタイミングが大切ですので、ハローワークや歯科衛生士学校だけではなく人材紹介会社や募集広告など、費用対効果も考えながら出し続けることを考えてみましょう。さらに、募集文書の内容は重要です。現在勤務する歯科衛生士に「あなたはうちの募集文書の何が響いて応募してくれたの?」と聞いて、それを募集文書に活かしてください。もちろん、出しっぱなしは良くありませんので、反応がなければ内容を変えていくことも必要です。その他、実習生を受け入れる場合には、本人の希望を聞きながらカリキュラムを作成してサポートしていくとよいでしょう。実習生の受けた印象が歯科衛生士学校の他の生徒に伝わることを意識して対応しなければ逆効果になってしまいます。

インターネット時代のなか、募集広告を見た歯科衛生士の多くはその後医院のホームページをチェックしています。患者さんと同様に院長の人柄や目指している歯科医療、院内の教育システム、院内の人間関係もイメージしながら見ますので、閲覧者の疑問に答えるページを用意するのも効果的です。

とにかく諦めずに募集し続けることが大切だと考えます。