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歯科医院経営をデザインする第1回:10月からの消費税増税への対応~デンタルグッズと自費治療価格の見直し~

歯科医院経営をデザインする第1回:10月からの消費税増税への対応~デンタルグッズと自費治療価格の見直し~
歯科医院経営をデザインする第1回:10月からの消費税増税への対応~デンタルグッズと自費治療価格の見直し~
10月1日から消費税の増税に対応して診療報酬が改定されました。ご存じのように保険診療にかかわる分につきましては消費税が非課税であり、医療機関が負担した消費税を最終消費者である患者さんに転嫁できません。その分、診療報酬を上げることにより解消しようとするのですがそこに落とし穴があります。今回の診療報酬改定で歯初診届出機関には「初診14点」「再診3点」が加算されます。歯初診は多くの歯科医院が届出していますが、訪問診療料(1~3)は訪問診療を実施している医院しか算定できません。

他の改定項目でも同様のことがいえます。消費税増税はすべての医療機関で負担増になりますが、それを診療報酬改定で補填できる金額は医院によって異なるのです。

一方、課税売上である自費治療や物販における問題は「価格設定」にあります。どこの医院も2%の消費税増税分は患者さんから徴収すると思います。ただ、物販や自費治療の価格を長い間据え置いていて見直していない院長が多いのが現状です。たとえば自費治療にかかわる治療技術や機材は進歩していますし、治療の手間も増えています。材料費や技工費などの変動費だけではなく自費治療が負担するべき固定費も増加しているのです。したがって、自費治療の質を向上させ経費が増えた場合には、自費治療の価格を見直すことが必要です。

ちなみに消費税増税における「キャッシュレス決済のポイント還元」につきましては、保険診療だけでなく自費診療分に関しても対象外となります。また、すでに対応されていると思いますが、物販におけるグミなどは軽減税率の対象となります。課税売上は他にも「除去金属の売却」「固定資産の売却」などが該当します。

前々事業年度の課税売上が1,000万円を超えている場合には課税事業者となりますが、簡易課税(課税売上5,000万円以下)を選択している場合には「仕入れ率、利益率」が5つの事業区分ごとに決められています。したがって、課税売上が増えている歯科医院の場合には「原則課税」と「簡易課税」のどちらが有利なのか、再検証することをお勧めいたします(簡易課税を選択すると原則2年間は原則課税に変更できません)。

医院によって状況は異なると思いますので、詳しくは顧問の税務会計事務所にご確認ください。

著者森脇康博

三方よしビジョン達成サポート代表

略歴
  • 1960年大阪府生まれ。前職の大阪の開業医団体時代に経営セミナーを立ち上げ、みずからも講師として300件以上の経営相談にかかわる。
  • 開業1年未満で業績不振により廃院する医院が増えていることにショックを受け、真摯に歯科医療に取り組む院長を応援したいと決意し30年勤務した後に独立。
  • 現在は、歯科医院経営コーチとして歯科医院の経営戦略の立案、事業計画の立案と達成をサポート。ほぼ毎日更新される経営ブログが好評を博している
  • http://shikauriage.com/
森脇康博

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