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歯科医院経営をデザインする 第4回:
三方よし経営とは 実践その1

2019/11/12 歯科医院経営

歯科医院は「三方よし」の経営を続けることでうまくいく。私はそう考えています。「三方よし」と言えば近江商人です。今回は近江商人の理念について考えてみたいと思います。

近江商人は、少額の元手で天秤棒を担ぎ行商を始め、江戸時代には京都、大坂、江戸に大きな店を構える豪商になりました。近江商人の理念を表す代表的な言葉は「売り手よし 買い手よし 世間よし」の三方よしですが、これは近江商人、麻布商中村治兵衛宗岸の家訓の一文「只其ゆくさきの人を大切ニおもふべく候」をもとに、戦後の研究者が「三方よし」と名付けたと言われています(諸説あり)。

この家訓の意味は「たとえ他国へ行商に出かけても、自分が持参した商品を、その国の人々が皆気分よく着用してもらえるように心掛け、自分のことばかりを思うのではなく、まずお客のためを思って、一挙に高利を望まず、何事も天道の恵み次第であると謙虚に身を処し、ひたすら行商先の人々のことを大切に思って、商売をしなければならない。そうすれば、天道にかない心身ともに健康に暮らすことができる。自分の心に悪い心が生じないように、神仏への信心を忘れないこと。地方へ行商に出かけるときは、以上のような心構えが一番大事なことである。このことをよく心掛けることが一番である」。
(出典:清文社 吉田實男「商家の家訓」)。

近江商人は、売り手の勝手や儲けだけで商売をせず、買い手が商品に心底満足することを目指し、商売を通じて地域に貢献することを目指しました。この近江商人の理念と商売のやり方が、歯科医院を発展させる方法と共通しているのです。
(参考資料:特定非営利活動法人三方よし研究所.近江商人とは?.
http://www.sanpo-yoshi.net/about/concept.html 
/株式会社グラスティ.家訓・家憲ドットコム.
https://kakun-kaken.com/kakun01/ 
〈ともに2019年11月11日アクセス〉)

歯科医院にとっての三方よしは「スタッフよし 患者(地域)よし 医院よし」の順となります。実はこの順番で経営することによって医院の収益は増やすことができるのです。三方よし経営では、まず歯科医院の発展に必要な「スタッフよし」の視点から人件費について考えてみます。たとえば院長が理想とする治療を行う場合に1年間に必要な人件費が1,500万円とします。人件費の目安は売上の20%程度とされているため、必要な売上の目安は5倍の7,500万円となります。(自費治療が多い歯科医院、メインテナンス患者数が多い歯科医院の人件費はあと2~4%程度高くなります)

上記の点から院長は1,500万円の人件費を使って7,500万円の売上を達成する方法を考え出さなくてはならないのです。

次回は人件費に見合った売上を達成する方法について考えてみます。