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歯科医院経営をデザインする 第3回:
スタッフに長く働いてもらうためのコツ

2019/10/31 歯科医院経営

歯科医院を経営する院長の思いとして、スタッフが長く勤めてくれることがいちばんです。しかし、中堅スタッフが辞めてベテランスタッフと新人スタッフ中心という歯科医院もあります。前回の記事「歯科衛生士不足を解消するための処方箋」では、長く働いてもらうために女性のライフステージの変化に対応した歯科医院づくりが必要だと述べました。

医療福祉分野において必要な人材は2025年には931万人となり、2018年と比べて108万人増えます(厚生労働省「2040年頃の社会保障を取り巻く環境」を参照)。一方で、生産年齢人口(15~64歳)は2018年と比べて350.2万人と大幅に減少(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口 平成29年推計」を参照)していきますので、人材不足はさらに深刻になります。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、日本の出生数が2021年に90万人を割りこむと予想していましたが、2年前倒しで90万人割れとなる可能性が高くなったとマスコミが報道しました。だからこそ、スタッフに長く働いてもらうことができる歯科医院づくりが大切なのです。

歯科医院にとって、スタッフに長く働いてもらうことの重要性は増しています。スタッフが長く働ける環境をつくるメリットは人材確保の面だけではありません。
  • ①スタッフと患者さんの信頼関係が深くなり、患者さんが離れなくなる
  • ②スタッフの技術習熟度の向上による売上増加
  • ③スタッフの技術習熟度向上による経費削減
  • ④院内の連携がスムーズになる
――などのメリットがあります。 スタッフが長く働くために一番大切なのは「院長との信頼関係の構築」です。スタッフはやりがいを見つける前に退職することが多いので、優先するべきは院長との関係なのです。具体的には「1on1ミーティング」を実施します。スタッフが何を考えているのか?何に困っているのかを把握するために話を聴き、一緒に問題を解決していくという姿勢が必要です。 また、大規模な歯科医院では事務長やチーフが面談することが多いと思います。スタッフとの関係が良好であればそれでもかまいませんが、スタッフが「自分は院長に期待されている」「院長やチームメンバーに必要とされている」と感じることが大切なので、そのような歯科医院でもチーフが面談した結果をもとに、院長が最低でも年2回は面談するほうが良いと思います。 日常的には「スタッフが頑張っていること」「できるようになったこと」など、成長の情報をチーフや他のスタッフから入手し、承認の声がけをします。スタッフが成長して内発的動機が育っている場合は感謝の言葉で良いのですが、成長途上のスタッフには「頑張りを承認する」ということが必要です。 職種や成長度によってスタッフの承認ポイントは異なりますが、歯科医師や歯科衛生士の場合には人柄ではなくスキルや行動に対して承認するほうが効果的です。