「医院選びは『男選び』だ!」
私の尊敬する大先輩歯科衛生士・井上 和さんの言葉です。初めてこれを聞いたときは、むち打ち症になるかと思うくらいうなずいたものです。今や求職者数に対する歯科衛生士求人数は20倍以上といわれ、弊社は創立以来「歯科衛生士の確保と定着のための取り組み」のご依頼が7割を超え続けています。
歯科衛生士の人材難については皆様もご存じのとおり、近年歯科衛生士の就労者数は全体の約50%あたりを推移、歯科衛生士を増やすべく養成校・学生定員数は右肩上がりなのですが、歯科衛生士養成校の入学者が定員に満たない割合はなんと50%を超え、歯科衛生士数自体は微増にとどまっています。
図1 一般社団法人全国歯科衛生士教育協議会「歯科衛生士教育に関する現状調査の結果報告2019」より
歯科衛生士の需要が高まり、採用定着にさまざまな試みが必要な時代になってきましたが、弊社もそのお手伝いをするなかでさまざまなトラブル(悪徳な人材紹介業者や、ニーズを逆手に取った悪意ある転職を繰り返す歯科衛生士など)も耳にするようになりました。厳しい現状を勝ち抜いて賢く人材を確保するには何が必要なのでしょうか?
婚活市場でかつてもてはやされた"3高"といえば「高学歴」「高収入」「高身長」ですが、時代とともにモテる要素は変化しているといわれています。"3高"はバブルとともに去り"3平"(平均的年収・平凡な外見・平穏な性格)へ。そして次の時代は"4低"へと移り変わっています。女性が大多数を占める歯科衛生士を長期にわたって雇用したい歯科医師の先生方にとって、この「女性のニーズの変化」はとても重大なポイントといえます。
"4低"は
①低姿勢(女性に威張らない)
②低依存(家事を女性に頼らない)
③低リスク(リストラされない)
④低燃費(節約できる男)
――です。
これを歯科医院に置き換えると……
①女性スタッフに威張らない
②雑用をスタッフに押し付けない
③業績が安定している
④節約できる歯科医師
――などになるでしょうか。
「女性に威張らない」に関しては、歯科だけでなく世間一般的に"パワハラ"という概念が浸透し、時に過敏に反応する方もいますので、是非注意していただきたい点です。「雑用をスタッフに押し付けない」「節約できる男」などは、主に共感力を問われます。院長が率先して行うことも大事ですが、雑用をてきぱきこなすスタッフの労をねぎらう・感謝する、スタッフが熱心に考え行ってくれている節約の価値を認め評価するなど、共感を示すことでスタッフの感じ方は大きく変わることを意識しましょう。「業績が安定している」についてはどの院長先生も真摯に取り組まれていることと思いますが、意外に盲点なのが"院長室"です。さまざまな資料・書籍などどうしても物が増えがちですが、中には脱ぎ捨てた白衣など私物が積もり積もって巣窟になっている院長室もあると聞きます。業績に直結することではないように感じますが、スタッフ目線で考えると「院長先生の(体力的・精神的・金銭的)状態、大丈夫かな」という漠然とした不安を感じさせることがあります。ぜひ院長室も見直していただきたい項目です。
さまざまな見方で"選ばれる男になる方法"を考えてきましたが、最後のポイントは「結局、好みもあるよね」です。十人十色といいますが、人にはいろいろな個性があり、受け取り手によって長所にも短所にもなることは多くあります。まず採用に関して、雇用条件や仕事内容だけでなく考え方やどのような院長・スタッフで動いている医院なのか、しっかり伝えたうえで選んでもらう仕組みは現代社会には必要かもしれません。
仕事は、人生の中でも多くの時間と労力を費やします。お互いを高めあい尊重しあい、患者さんの健康を支えその成果を喜び合う仲間になれば、人生はもっと豊かなものに変わります。このたび、弊社では歯科医院と歯科衛生士のマッチングサイト「HAGUKUMU」(
https://hagukumu.jp)をリリースいたしましたのでご活用ください。そのような環境をつくれるよう、ぜひ選ばれる"モテ男"を目指して頑張ってみてください。