Dental Life Design

あなたのデンタルライフを彩るメディア

スタッフに愛される歯科医院づくり
第1回:押し寄せる”令和”

2019/10/1 歯科医院経営

上昇と発展を求めた「昭和」、安定とゆとりを求めた「平成」を経て、「令和」の時代が到来しました。いつの時代も、成功者は時代の流れに対応できる者のみです。私たちはこの「令和」をどう生き抜くべきなのでしょうか?

歯科では長らく人材難が続いています。全国津々浦々、たくさんの先生方から「歯科衛生士が足りない。西依さん、知り合いの歯科衛生士さん紹介して!」と言われますが、まず先生方!歯科衛生士が足りないのではありません。

「日本は働ける人間が足りないのです」

弊社のスタッフは歯科衛生士のほかに「百貨店」「不動産・建築」「住宅関係」「人材派遣」などの職歴をもち、スタッフ教育の経験をもつ者も複数在籍します。私自身、一時マンション販売の仕事を行っていたこともあり(実は出戻り歯科衛生士なのです)、そのような社内で歯科医院の求人サポートを行う時によく話すのは「どの業界も一緒」ということ。"少子高齢化"という言葉が耳に慣れすぎてイマイチ危機感を感じない向きもありますが、日本の生産年齢人口は減少の一途をたどっており、危機的な状況です(図1)。人材難は、もはや歯科に限ったことではなく今や業種間の闘いへ。そこから抜け出せない業種や事業所には、普遍的な問題が潜んでいるように感じるのです。 図1 わが国の人口の推移。出典:「平成28年版情報通信白書」(総務省)

キーワードは 「ES(従業員満足度)」

さまざまな歯科医院を拝見するなかで、一見よさそうなのに人材が居つかない「なんちゃってスタッフ想い」に陥っている場合があります。 ①院長が"いいひと" もちろんいい人なのが悪いわけではありませんが、その目線はどこに向いているでしょうか?院長先生方が陥りやすいトラップに「患者さんのため」があります。もちろんそれも悪いことではありません。問題になるのは「患者さんのため"だけ"」になったときです。一生懸命患者さんのために日々努力されている先生は「スタッフにも同じ気持ちで頑張ってほしい」と思いがちです。しかし、スタッフにそう思ってもらうためには、まず職場として一定の満足を得て、気持ちと生活に余裕をもってもらわなければならないのです。医療人だからといって自己犠牲を強いるのはほんの一部の人にしか受け入れられないということを、院長(経営者)になった時点で心得なければなりません。 ②与える福利厚生 たとえば忘年会や新年会などの酒席、社員旅行、スタッフルームのお菓子、リフレッシュ休暇や時短正社員、週休3日や週38時間勤務、就職お祝い金や住居手当など。挙げればきりがないほど、歯科衛生士の労働環境はさまざまな工夫と改善がされるようになってきました。20数年前に歯科衛生士になった私には考えられないほどの好条件も目にするようになりました。ところでその条件、スタッフはどう感じているかしっかり把握できていますか? いうまでもなく、好条件は医院の利益を削り生み出されます。スタッフの満足度が大きく上がり、生産性が向上すればすばらしい施策といえますが、それほど感謝されるものでなければ、ただ利益を下げるだけとなります。そしてこの「スタッフがどう感じているか」の視点は"就職の動機となりえるか"という当初視点と、"継続して働く動機となりえるか"という現状視点の2つがなければならないのです。 「なんちゃってスタッフ想い」、お心当たりはありましたか? 人材不足の時、どうしても"どう雇用するか"という外向き思考になりがちです。もちろんそれも大切なことですが、そのような時こそぜひ!今一緒に頑張ってくれているスタッフの皆さんと語り合ってほしいのです。なぜスタッフ不足に陥っていると思うか、逆にどうしてあなたはここで働いてくれているのか。まっさらな心で耳を傾けることでこそ、次なる出会いを成功に導くのです。