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必見!歯科医院のキャンセルを減らす有効な対策・改善案5つを解説

必見!歯科医院のキャンセルを減らす有効な対策・改善案5つを解説
必見!歯科医院のキャンセルを減らす有効な対策・改善案5つを解説
歯科医院でキャンセル率が数%増えただけで、年間の売り上げや利益は落ち込みます。
経営を安定させるためにも、予約キャンセルは最小限に抑えましょう。

今回は、予約キャンセルの主な理由や5つの改善案、キャンセル料の請求についてご紹介します。
自院に取り入れてキャンセル防止を目指しましょう。

歯科医院のキャンセルでどのくらい損害が出る?

予約キャンセルは、「治療期間が伸びてしまう」「型取り後に補綴物が詰められていない」といったような患者さんの不利益だけでなく、歯科医院側にも損害をもたらします。 歯科医院の平均売り上げは、平成29年 医療経済実態調査で約4,000万円であることが判明しています。 おおよそ1日あたりの売り上げや経費の内訳は、診療日数235日(変動比率20 %、労働分配率30%、固定比率35%)とした場合、以下のような計算となります。 ----------------------------------------------------------------- 収支条件(1日あたり) ・売り上げ高 17万円 ・変動費(材料費や技工代など) 3.4万円 ・人件費 4万円 ・固定費(家賃・水道光熱費・リース代など) 6万円 ・利益 3.6万円 ----------------------------------------------------------------- キャンセル率が高いと、歯科医院の利益に損害をもたらします。 例えば、月間の売り上げを100%、固定費70%、変動費20%、利益10%とします。 キャンセルにより売り上げが10%下がると、売り上げ90%、固定費70%、変動費18%、利益2%となります。 年間4,000万円の売り上げなら、利益は400万円から80万円まで低下し、なんと5分の1まで縮小してしまうことになるのです。 利益を得られなければ、歯科医院が設備や人材育成に投資する資金が不足します。結果的に「治療技術や接客サービスの低下につながり、患者数が減り、さらに売り上げや利益が落ち込む」悪循環を招きます。

歯科医院の予約キャンセルを行う患者さんの心理

株式会社コンピューター・プランニング・リサーチが2015年に行ったインターネット調査によると、予約キャンセルをしやすいサービスTOP3は以下の通りです。 1位:「飲食店(居酒屋・レストラン・個室)」24.6% 2位:「病院クリニック(歯科・内科・小児科・耳鼻科など)」20.6% 3位:「理容、美容室」20.4% 2番目にキャンセルされやすいのが、歯科医院を含む病院クリニックです。 では、なぜ患者さんは予約キャンセルをしてしまうのでしょうか。

予約キャンセルする理由TOP3

予約キャンセルする理由TOP3は、「家庭、家族の事情」38.2%、「仕事上の事情」37.4%、「友人、知人関係の事情」19.8%の順です。

【引用】『予約キャンセル』はなぜ起こる?イマドキの予約キャンセル事情の調査レポート

男性の場合は「仕事上の事情」、女性は「家庭、家族の事情」の割合が多いです。 家庭、家族の事情は、「子供の急な病気やケガ」や「冠婚葬祭との重複」といった理由です。特に女性のキャンセル理由に多いようです。 仕事上の事情は、「急な会議や商談が入ってしまった」や「(特にサービス業など)他の欠勤者の代理で勤務した」、「顧客のクレーム対応」といった理由に当たります。特に男性に多い理由のようです。 友人、知人関係の事情は、「冠婚葬祭と重なった」「同伴者の都合が悪くなった」などの理由です。 緊急かつ重要な理由もありますが、予約キャンセルの件数が増えると、歯科医院の売り上げは打撃を受けてしまいます。 また、予約キャンセルすると気まずいサービスTOP3は、「旅行、ツアー」32.0%、「宿泊施設」27.6%、「病院クリニック」20.4%でした。

【引用】『予約キャンセル』はなぜ起こる?イマドキの予約キャンセル事情の調査レポート

無断キャンセルではないにしろ、「予約をキャンセルして約束を破ってしまった」という事実は、患者さんに「同じ歯科医院に行きづらい」と感じさせるかもしれません。 結果、他の歯科医院に転院してしまう恐れもあるでしょう。 そのため予約キャンセルを受ける際には、スタッフの言い方にも注意を払う必要があると言えます。

歯科医院でのキャンセル数を減らす対策

歯科医院のキャンセル数を減らすための改善案を5つご紹介します。 ・予約する意味を初診時に説明しておく 治療計画は基本的に初診時に立てますが、多くの患者さんは、「なるべく短期間で完治させたい」という考えを持っています。 スピーディに治療するため、全体のスケジュールを組むと同時に、予約して治療を進める重要性を伝えます。 例えば、「予約しておけば、◎◎さんの治療に集中して時間を使える」「治療が一度遅れると、症状が長引いてしまう」といった表現で、予約診療の価値を説明しましょう。 ・予約通りに来院したら感謝を伝える 予約をきちんと守った患者さんに対し、スタッフや院長から感謝の気持ちを伝えましょう。 「予約通りにご来院頂いて、ありがとうございます」「治療計画通りに進められるから助かります」など、簡単な表現で構いません。 ・リマインドの電話を行う 前日もしくは2日前に予約確認の電話をかけてリマインドを行います。 ただ、「予約確認のために電話した」という言い回しは不快感を与える可能性があるので避け、「患者さんを気遣って電話した」ことが伝わるよう言い方を工夫しましょう。 ・予約キャンセルにおける対応マニュアルを用意する 患者さんから予約キャンセルの連絡をもらい、何も言わずに受け入れると「気軽にキャンセルできる」と勘違いされ、繰り返しキャンセルされる恐れがあります。 反対に患者さんを責めるような言い方をしてしまうと、転院されてしまう恐れもあります。 スタッフの受け答えをマニュアル化し、予約を大切にしていることを伝えましょう。 例えば、キャンセルの続く患者さんに対して「残念ですが、当院に何か問題がありましたか?」「お約束のために、当院でできることがありましたら何なりとお申し付けください」のような言い方が望ましいです。 トラブルを避けるために、患者さんではなく、あくまで自医院側に責任があるという言い回しを心がけましょう。 ・無断キャンセルは電話確認を徹底する もし無断キャンセルがあった場合は、一定時間が経ってから電話で確認します。 連絡が取れたら、次の予約を受けます。すぐに連絡が取れなければ、診療後や後日に再度電話をしましょう。 次の予約を受ける際にも、前述のように「予約を大切にしていることを伝える」「どうしたら約束を守れるか探る」ための受け答えマニュアルを医院内で作っておき運用することをおすすめします。

歯科医院のキャンセル料を請求することは可能?

結論から言うと、予約キャンセル料の請求は法律的には可能です。 2020年1月現在、予約キャンセルに対するキャンセル料徴収を禁止する法律は定められていません。 そのため当事者間の同意があれば、キャンセル料を請求できます。 ただし、キャンセル料の合意を求める場合には、いくつか注意すべき点があります。 まず、書面での説明と同意です。 口頭での約束は、言った言わないの水掛け論になるため、事前に書面上で予約キャンセルについて説明し、同意の上で署名してもらいましょう。 次に、院内での掲示です。 キャンセルポリシーが書かれた張り紙を院内で掲示します。 書面だけでなく、患者さんの目につく場所に貼っておくことで、キャンセル料についての説明や告知をしっかりと行った証拠となります。 キャンセル料は、妥当な金額で設定します。消費者契約法第9条1号では、違約金等の規定で、事業者に生じる平均的な損害の額を超える合意の内容は無効としています。 つまり、「予約キャンセルが無く、通常の治療で得られたであろう診療報酬」の範囲内での算出が望ましく、それ以上の金額の請求はできません。 予約キャンセルのタイミングによって、「前日なら50%」「当日なら100%」をキャンセルポリシーで定めておいてもいいでしょう。

予約キャンセルゼロを目指して

予約キャンセルが10%に上ると、歯科医院の利益はほとんど得られなくなってしまいます。 こういった事態を防ぐために、普段からの対策が必要です。 今回お伝えした5つの改善案を行いながら、予約キャンセルゼロを目指しましょう。

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