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パラジウムの価格が金を上回った理由

2020/10/6 デンタル〇〇デザイン

金の相場は、新型コロナの感染拡大に伴い、各国から金融緩和の風潮が高まるなどの影響を受け、40年ぶりの価格をマークしました。一方、パラジウムの相場はその影で金の価格より高騰しています。

では何故、これほどまでにパラジウムの価格が高いのでしょうか?

貴金属の埋蔵量は限られるため、その希少性から価値が生まれます。価格は、需要と供給のバランス、そして経済的・政治的・社会的要因から価格が生成されています。さらに為替による影響もあります。

では、パラジウムの需要と供給はどのようになっているのでしょうか?

「パラジウムの需要」

パラジウムの需要の80%は自動車になります。 自動車から排出される排気ガスの有毒物質を取り除く「触媒」としてパラジウムが使用されています。 自動車の排気ガスには、炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物などを含みますが、パラジウムやプラチナの酸化物を触媒に使うことで、炭化水素を水に、一酸化炭素を二酸化炭素に変換し、地球温暖化を抑制しています。ディーゼル車にはプラチナ、ガソリン車にはパラジウムが主に使用されます。 世界の風潮としては、今から20~30年後を目安に電気自動車(EV)化への移行が進んでいまが、完全な電気自動車(EV)には触媒としてのパラジウムは使用されません。それなのに何故パラジウムは価格が高騰しているのでしょうか? それは、EV車そのものというよりは、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車への移行が中心になると考えられているためです。 新車の需要の大半がアメリカと中国になるため、この2つの国による需要が大きく左右します。アメリカ・ヨーロッパ・インドを始め、中国を中心とした排ガス規制の影響で、自動車1台あたりのパラジウム平均触媒充填量に伴い、需要が増加しています。またその影響により投資家の動きも活発になり、先行きの不透明感が増しています。 過去、ガソリン車に使用する触媒は、プラチナからパラジウムへ切り替わった経緯があります。しかしながら、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)、自動運転車への開発に向けた大きな波がある中で、その設備投資に数年単位の時間と費用を費やし、排ガス量規制基準が過去と異なる状況下で、触媒の貴金属を切り替えるリスクは負いにくい事が考えられます。

「パラジウムの供給」

一方、供給面としては、ロシアが39%、南アフリカが38%と2つの国で供給が77%になります*Ⅰ。ロシアはアメリカによる経済(制裁)措置、南アフリカ鉱山会社は電力供給不足による鉱山の停止や労働者問題、そして新型コロナウイルスによるロックダウンなどが影響し、供給が弱い状態で推移しています。パラジウムは、ニッケル、銅、プラチナなどの副産物として採掘されます。そのため、それだけの採掘、供給量のコントロールは難しくなります。 パラジウム1gあたりの小売価格は、2016年2月頃に1gあたり税抜で2,000円を切りましたが、2020年2月頃には1万円近くまで上昇し、現時点では7,000円台に落ち着いています。今後どのようになるか見逃せません。 *Ⅰ GFMS Platinum group metals survey 2019参照 2020年10月16日現在 2020年キャッシュバックキャンペーンの詳細は下記のリンク先をクリックして下さい。 2020年キャッシュバックキャンペーンの詳細 歯科用貴金属のスクラップリサイクルについてのご相談は下記まで 株式会社ジェージーエス 記事編集:デンタルライフデザイン編集部