インターネットの普及で様々なデータが手軽に手に入るようになりましたが、 中にはどう使えばよいのか分からないものもあります。 こちらのコーナーでは、だれでも入手可能な「オープンデータ」を使って、そんな「So What?」をマーケティングの目で簡単にご説明します。年齢別人口
地域や商圏内の人口の中身を見る方法で「年齢別人口」があります。 概ね5歳きざみのデータをグラフにしてみれば、地域の生活者の姿が見えてきます。 グラフの「日本平均」をご覧ください。 70歳前後の団塊の世代と40歳代前半の子供が2人(団塊ジュニア)という人口構造が見えます。 また、その団塊ジュニアの子供(団塊の孫)として、20歳前後にもう一つ山があって然りなのですが、明確な山は見当たりません。 これが日本の「少子化」「非婚率化」を見える化したグラフです。 「地区A」のグラフはある地域の5歳きざみの年齢構成です。 ご覧のとおり40歳代を中心とした人口構成ですが、別の言い方をすると40歳代の夫婦と子供1人の典型的な核家族が中心の人口構成が見て取れます。 一方、「地区B」のグラフも40歳代を中心とした人口構成ですが、こちらは40歳代の単身者、又は40歳代の子供のいない世帯が中心に構成されています。 ここでご覧いただきたいポイントは「親子関係」です。 地区A、Bとも「40歳代」が多い状況は同じですが、同じ「40歳代」でも「地区A」ではファミリー、「地区B」では単身者である確率が高く、2つの地域では明らかに家族の姿が異なることが伺えます。 また、地区A、Bとも40歳代の家族の多くは他地区より転入してきた、いわゆる「地の人」ではない事も推察できます。 理由は、40歳代よりその親世代である70歳前後の割合が低いことから、40歳代と70歳代は親子関係でない可能性が高いからです。 このように、商圏内の人口を年齢別に見てみることで、ターゲットとなる生活者の姿から、一般論ですが ①両地区の可処分所得には差がある ②年齢層に偏りがある ③「地区A」では、家族間での口コミが期待できるが、「地区B」ではネットでの情報共有がメインになる ことを考慮すると、ターゲット層とその戦略が見えてくるかもしれません。 また、このグラフの山は時間の経過とともに右方向へスライドしますので、商圏内生活者のライフサイクルに応じた需要の「予測」も可能です。 ただし、地域によっては常に同じ年齢層が一定程度存在する地域がありますので、ご注意ください。 (大学が多い街、工場が多い地区、自衛隊基地など) 次回は商圏設定についてお伝えします。 詳しい数値などはこちらをご覧ください。 資料名 : 統計でみる都道府県のすがた2017 出典 : 政府統計窓口 記事編集:デンタルライフデザイン編集部