【金価格の変動要因とは?】
金の値段は、相場によって左右されます。金など貴金属の価格は「需要と供給」の変化と、政治・経済など「世界情勢」により、価格が形成されています。また、「為替」も重要な要因です。貴金属の価格は、米ドル建ての海外市場から、日本向けに提示される価格を円建てに換算して算出されるため、その影響は少なくありません。つまり、円高になれば貴金属の国内価格は安くなり、円安になれば値上がりする要因となります。 金は有事の金とも呼ばれますが、2019年現在 直面している米中貿易戦争、FRB(米連邦準備理事会)による利下げ、イランに関わる地政学的リスクなどの「世界情勢」により、安全資産として価値がどう変動するのか見ものです。【では金の値段はなぜ高いのでしょうか?】
今日に至るまで金が貴金属として愛されてきたのは、その輝きとともに、希少性の高さがあります。人類がはじめて金を手にしたのは、今から6,000年前だと言われています。これまで金が採掘された総量は約183,600トン。これは、オリンピックの国際基準プール(50m ×25m)約4杯分です。現在、金は年間3,000トン前後のペースで産出されており、その他、市場からの回収などによって年間で合計約4,500トン供給されています。 金は、宝飾用、純金バー、金貨のほか、産業用の資源としても重要な役割を果たしています。しかし、現在地球に埋蔵されている金は約56,000トン程度とオリンピックプールの約1杯ちょっとになります。しかも、その大部分は採掘が困難な場所にあり、近い将来は、地上にある在庫を再利用する以外に手段がなくなると言われています。 シェールオイルのように、技術革新に伴い、これまで産出が難しいと言われていたところから、金が回収されることもあります。ですが、単純に現在の予想埋蔵量から、年間の産出量を割ると、20年前後で鉱山から金は無くなる予定です。 これらの事から、需要に対するその希少性により、価値が高いという理由も少し納得できます。 【金の需要と供給】2016年のデータより ※ 引用:田中貴金属工業㈱HP ※ 引用:World Gold Council 「Gold facts」 ※ 引用:World Gold Council 「ゴールド・デマンド・トレンド2016年年間」 ※ 引用:GFMS Gold Survey 2017 歯科用貴金属のスクラップリサイクルについてのご相談は下記まで 株式会社ジェージーエス 記事編集:デンタルライフデザイン編集部
著者井上鐘蔵
税理士
略歴
- 平成9年に税理士として独立 平成14年に法人化し税理士法人マネイジメント総研を設立し、一般企業・医療機関および相続対策が必要なクライアント等を対象に幅広い税理士業務を提供している。
- 税理士事務所としては、クライアントの規模は比較的大きく、経営の安定したクライアントが多い。
- 理系出身の税理士であり、コンピューター関連にも精通し、税理士法人内のLAN管理は当然のこと、クライアントの要望に応え簡易なソフトウエアを制作することもある。
- 現在の関心事は、RPA(Robotic Process Automation)であり税理士業務をコンピューターにより自動化させることを目指している。