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考える 化粧療法とは
第5回:オーラルフレイル
対策の前にしておくこと

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粧うからお口の健康を
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第5回:オーラルフレイル
対策の前にしておくこと

粧うからお口の健康を<br>考える 化粧療法とは<br>第5回:オーラルフレイル<br>対策の前にしておくこと
粧うからお口の健康を
考える 化粧療法とは
第5回:オーラルフレイル
対策の前にしておくこと
最近、いろいろなところで目にする「フレイル」ですが、歯科領域ではオーラルフレイルが注目されています。オーラルフレイル対策として、口の中を清潔に保つ取り組みはもちろんですが、唾液腺マッサージや口や舌の体操なども口の機能を維持する取り組みとして実施されているかと思います。ただ、高齢者が自分の口のささいな衰えに気づき、自分事として問題意識をもっていただかなければ、皆さんのせっかくの活動が無駄になってしまいます。今回は、オーラルフレイル対策の前にしておくことについて考えてみましょう。

口の健康が徐々に衰えていくステップを表した概念図が日本老年歯科医学会から示されています。下図に示された矢印の起点をご覧ください。フレイルは心身機能の低下するところから始まっています。

皆さんに質問です。第1段階「社会性/心のフレイル」は誰が対応するのでしょうか?口腔リテラシー、口腔への関心度を高めることが、オーラルフレイル、そして口腔機能低下症への進行を予防するといわれていますので、歯科医療従事者による対応が求められます。


鈴木隆雄,飯島勝矢,平野浩彦,小原由紀,菊谷武ら. 平成25年度老人保健健康増進等事業「食(栄 養)および口腔機能に着目した加齢症候群の概念の確立と介護予防(虚弱化予防)から要介護状 態に至る口腔ケアの包括的対策の構築に関する研究」報告書より引用

ただ、図をよく見てみますと、口腔リテラシーの低下の前に精神(意欲低下)・心理的なフレイルが起きていることがわかります。私としては、精神・心のフレイルのアプローチも、歯科医療従事者がオーラルフレイル対策とセットで実施することをお勧めします。

弊社が20代~60代女性を対象に行った美容意識調査(2018年 N=3,000、インターネット調査)では、「口周りのしわ」に関心がもっとも高い年代は60代でした。その中で、高齢になっても使用する化粧品アイテムの第1位は口紅でした。したがって、美容や化粧というアプローチで口に関心をもってもらえる可能性は十分にあります。また、しわ対策として化粧水などを使って唾液腺マッサージをしたり、ブラッシング指導の後の口紅や色付きのリップクリームを使って口の中と外をきれいにする方法を取り入れたりすることで、精神・心のフレイル対策につながります。

下の写真は、ブラッシング動作と口紅動作です。どちらも道具を持ち、鏡に映る自分の口を注視しています。口の中と外をセットでケアする取り組みが高齢者の口腔への関心や意識の向上につながるでしょう。



高齢になると、なかなか美容教室に参加しづらいという声を聞いたことがありますが、お口の健康教室であれば参加しやすいと思います。肌と口の健康を同時に実現するオーラルフレイル予防教室を展開することで、社会的/心のフレイル対策もでき、オーラルフレイルの根本的な解決にもつながると思います。

オーラルフレイル対策の前に、高齢期でも比較的関心の高い美容や化粧を入り口として、口の外からアプローチし、口への意識を高め、その後口腔に関する専門的な情報発信することで、楽しみながら口腔リテラシーの向上が期待できます。

当社では化粧療法を学ぶための講座を開催しています。これまでも歯科従事者の方も多数受講されています。ご興味のある方は、下記HPよりお申込みください。
https://corp.shiseido.com/seminar/jp/adl/index.html

次回の最終回では、地域ですでに化粧療法を活用して活動している歯科医院について紹介します。

著者池山和幸

株式会社 資生堂 社会価値創造本部 マネージャー

略歴
  • 2005年、株式会社 資生堂入社。
  • 専門は老年化粧学、化粧療法学。
  • 京都大学大学院医学研究科にて学位(医学)取得。
  • 大学院在学中に介護福祉士の資格を取得。
  • 入社後、化粧療法研究に従事。
  • これまでに約200の高齢者施設で、高齢期の化粧を医学的観点・介護の視点で効果検証。
  • 2014年から研究知見をいかし、高齢者美容サービス開発にも携わる。
  • 高齢期の化粧・美容という視点で、高齢者の外出支援や健康寿命の延伸などの社会的課題解決に取り組む。
  • 「化粧療法研究室」内のブログで情報発信中。
  • 近著に『装いの心理学(北大路書房)』(分担執筆)がある。
池山和幸

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