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化粧療法とは第3回:
スキンケア×唾液腺マッサージ=?

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粧うからお口の健康を考える
化粧療法とは第3回:
スキンケア×唾液腺マッサージ=?

粧うからお口の健康を考える<br>化粧療法とは第3回:<br>スキンケア×唾液腺マッサージ=?
粧うからお口の健康を考える
化粧療法とは第3回:
スキンケア×唾液腺マッサージ=?
今回のタイトルの答えを考えてみましょう。

スキンケアは肌のお手入れや基礎化粧と言われ、化粧水、乳液、美容液、クリームなどを使って肌を清潔にし、肌の乾燥やしわ、しみ、たるみを防いだりすることです。動きとしては、化粧料を肌になじませるために顔をさすったり、たるみ予防としてマッサージをしたりします。またリラックス効果を高めるために、指でツボを押したりします。



一方、唾液腺マッサージは、口腔ケアのひとつで、唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)を刺激し、唾液の分泌を促す方法です。その方法としては、唾液腺を肌の上からさすったり、指で押したりします。

スキンケアと唾液腺マッサージは、手の動きという視点で考えると、非常に似ています。違いは、化粧品を使っているかどうかだけです。写真の女性も見方によっては、耳下腺をマッサージしているようにも見えます。

通常、マッサージをするとき、化粧水やクリームなどを使うとすべりがよくなり、手や指を動かしやすくなります。また、香りによるリラックス効果なども期待できます。

世の中の女性で、毎日スキンケアをする人口と毎日唾液腺マッサージをしている人口はどちらが多いでしょうか?今年1月に弊社が70~84歳の女性(300名)を対象に実施した化粧実態調査(インターネット調査)の結果です。



高齢期には、メイクをしなくなる人の割合は増えますが、スキンケアは比較的継続される化粧行為ということがわかります。若い世代とほとんど変わりません。

残念ながら、唾液腺マッサージを習慣的に実施している女性の正確な数字はわかりませんが、スキンケアをしている人口と比較すると明らかに少ないということは容易に想像できます。

高齢になって、新しいことを習慣化することは難しいかと思います。口腔ケアの一環で唾液腺マッサージを習慣化するには、習慣化された行為、つまりスキンケアの中で実施してもらうほうが受け入れられやすいと考えられます。そうすることで肌も口の中も潤い、一石二鳥です。そして、ステキな笑顔に出会えるでしょう。



ここで重要なことは、唾液腺が顔のどの場所にあるかを誰が伝えるかということです。いうまでもなく歯科従事者から発信していただくことがもっとも自然で効果的です。毎朝のスキンケアのときに、唾液腺がある箇所を思い出してもらえれば、自発的かつ継続的に唾液腺マッサージを自宅で実践してもらうことができるでしょう。

最後に解答です。

スキンケア × 唾液腺マッサージ = 肌がきれいになる口腔ケア

「『肌がきれいになる口腔ケア』はじめました。」
こんな歯科医院があってもよいですね。

次回は、「食べる」と「粧う」について紹介します。

著者池山和幸

株式会社 資生堂 社会価値創造本部 マネージャー

略歴
  • 2005年、株式会社 資生堂入社。
  • 専門は老年化粧学、化粧療法学。
  • 京都大学大学院医学研究科にて学位(医学)取得。
  • 大学院在学中に介護福祉士の資格を取得。
  • 入社後、化粧療法研究に従事。
  • これまでに約200の高齢者施設で、高齢期の化粧を医学的観点・介護の視点で効果検証。
  • 2014年から研究知見をいかし、高齢者美容サービス開発にも携わる。
  • 高齢期の化粧・美容という視点で、高齢者の外出支援や健康寿命の延伸などの社会的課題解決に取り組む。
  • 「化粧療法研究室」内のブログで情報発信中。
  • 近著に『装いの心理学(北大路書房)』(分担執筆)がある。
池山和幸

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