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【前編】20代若手女性歯科医師の働き方とは?
労働時間や現場の理解等の職場環境、
結婚や将来のキャリアへの本音に迫ります

2021/8/20 歯科医院経営

働き方改革や女性活躍推進法により、中小企業を含むすべての会社に多様な働き方の推進が求められています。
歯科医師を目指す女性も増えており、歯科医院・歯科医院経営者にとっても結婚・出産・育児を経験する女性歯科医師への理解や待遇の促進は避けて通れない経営課題となります。

今回は20代の若手女性歯科医師のA先生から現在の勤務スケジュール・現場での労働時間や上司・職場に対しての思いをインタビューし、若手女性歯科医師の本音に迫ります。

若手女性歯科医師の働き方について

インタビュアー 現在、女性若手歯科医師として活躍されており、大変忙しい中、インタビューをお受けいただき誠にありがとうございます。 早速ですが、先生の1週間の勤務スケジュールを教えていただけますでしょうか。 A先生 5時~6時半の間に起床し、帰宅は20時~24時です。 毎日朝早くに起きて晩遅くまで働いていると思われるかもしれませんが、歯科医師の勤務スケジュールとしては一般的なものかと思います。 1週間の勤務スケジュールは以下のような感じです。
月、火曜日(病院勤務):5時起床・6時20分出発、20-24時帰宅 水曜日(歯科医院勤務):6時30分起床・13時30分出発、20時帰宅 木曜日(歯科医院勤務):6時30分起床・8時30分出発、20時帰宅 金曜日(歯科医院勤務):6時起床・7時50分出発、21時帰宅 土曜日(歯科医院勤務):6時起床・7時50分出発、14時帰宅
インタビュアー 「定時あがり」という言葉がある会社員の方からすると激務と感じてしまう勤務スケジュールかと思います。 また、歯科医院と病院両方に勤務されていることも驚きました。 毎日遅い時間帯に帰宅されていますが、帰宅後や休日は何をされているのでしょうか? A先生 帰宅後に時間があれば、料理したり、テレビを見たり、勉強する時もあります。 帰宅時間が遅くなった時はお風呂に入って寝るだけですね。 平日は時間が取れないことが多いため、休日に買い物に行って料理の作り置きをしています。 インタビュアー 自由な時間を確保しつつも自炊やプライベート・勉強時間もしっかり確保されていて、同じ女性として頭が下がります。 終業時刻が毎日遅いと思いますが、勤務されている歯科医院や病院には就業時間の規定はあるのでしょうか? A先生 大学病院は大学院生として勉強のため、無給で勤務しているため、就業時間の規定はありません。 私の場合、大学病院での専門は麻酔科のため、終業時刻はオペが終わる時間によります。 また、オペが終わってからもしばらく様子見ていた方がいい患者さんがいらっしゃる場合、患者さんの容態が安定するまで大学病院に残るようにしています。 一方で、歯科医院は勤務時間が決められています。 インタビュアー 一般的な企業に勤める会社員は帰宅時間が遅いにもかかわらず、残業代がでないとモチベーションが下がる方もいらっしゃいますが... 先生は今の労働時間には満足されていますか? A先生 満足していないです。大学病院では私が入ってないオペを待っていたり、術後に患者さんを見に行く時など待機時間が発生することがあるため、どうしても労働時間が長くなってしまいます。 また、今は大学院生なので雰囲気的に帰りにくいと感じてしまう時があります。 インタビュアー 帰りにくい雰囲気の改善は歯科医院・病院経営者にとって、大きな課題ではないでしょうか。 しかし、待ち時間も患者さんにとって、必要な確保時間ですが、先生は待機時間をどう活用されていますか? A先生 待機時間は自分の勉強時間として使っています。今は全身管理の勉強していますが、成形の練習も行っています。 インタビュアー (座学以外にも成形技術の向上に待機時間をあてられているとのこと。近年、社会貢献を仕事や就職先に求める志の高い若い方が増えていると耳にします。今回、インタビューをさせていただいた若手女性歯科医師の先生も高い志を持っている方だと感じた瞬間でした)

労働時間や環境についての本音

インタビュアー 労働時間について、もう少しお話を聞かせていただけばと思います。 上司との面談や会議は勤務時間内に行われていますか? A先生 勤務時間外に行われる時もあります。 他の先生方のスケジュールもあるため、勤務時間外に行われることは仕方ないことだと思って従っています。 インタビュアー (多くの患者さんを抱える同僚や責任が増える上司、参加人数が多い会議のことも考えると面談が勤務時間外で行われることもやむを得ないと仰っていました。しかし、本来、面談を実施している以上、上司や現場の歯科医師にとって、面談も業務の一部であることは間違いありません。経営者の方は勤務時間内に面談が行えるような改善が必要なのでは?と感じた瞬間でした) 上司との1on1ミーティングは行われていますか?また、先生は1on1ミーティングが必要だと思いますか? A先生 上司と1on1ミーティングは時々行われています。 不安なことなど聞いていただきたい時もあるため、1on1ミーティングは必要だと思います。 インタビュアー 上司として理想とする人はどういう方ですか? A先生 やっぱり話しやすい、親しみやすい上司だと大変ありがたいです。 勉強や将来のことへの悩みを聞いてもらいたいという思いがあります。 インタビュアー 最近ではあまり耳にすることはなくなりましたが、ご年配の上司の方の中には飲みニケーションを推奨している方もいらっしゃいます。 飲みニケーションは必要だと感じていらっしゃいますか? A先生 飲みニケーションは必要ないと思っています。お酒が好きじゃないため、断ることが多いです。 インタビュアー (インタビューを通して、「お酒は好きじゃない」という断る理由は「上司との雰囲気を悪くしたくない」という気遣いが感じられました。若手の断る理由を額面通り受け取るのではなく、その理由の先にある課題や本音を聞き出せる上司が理想の上司ではないかと感じました) 質問を変えさせていただきます。女性歯科医師に対する周囲の理解は足りていると感じていますでしょうか? A先生 私の職場の場合、周囲の理解は足りていると思います。 保育園のお迎えがある歯科医師はお迎えの時間までのシフトにして、先に帰してもらっている方もいらっしゃいます。 インタビュアー 女性歯科医師が快適に働けるためには、どんな職場環境が必要だとお考えですか? A先生 産休・育休や時短勤務を快く受け入れてくれる職場環境が必要だと思います。 インタビュアー 出産は女性特有の大切なイベントです。 私も女性として出産後のことを考えると、 育休や産休など女性歯科医師が働きやすい環境にする配慮は大切なことだと思います。

まとめ

「産休・育休や時短勤務を快く受け入れてくれる職場環境を望んでいる」と仰っていた先生の言葉は、「そうした職場環境がまだまだ歯科業界には浸透していない」と感じる気持ちの裏返しなのではないでしょうか。 最近では、男性も子育てのための休みを取りやすくする改正育児・介護休業法が衆院本会議で可決、成立しました。 出産や育児を女性特有の課題と考えるのではなく、出産・育児に触れる男性歯科医師にも配慮した職場環境の整備が求められます。 『【後編】20代若手女性歯科医師の働き方とは?労働時間や現場の理解等の職場環境、結婚や将来のキャリアへの本音に迫ります』では、引き続き、同じ女性若手歯科医師の先生に『結婚に対する意識や結婚後のキャリア、求める福利厚生』についてのインタビューをご紹介します。