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【山本やすお】の『まるで成長していない…』
Vol.2 ~小臼歯製作編~
(レジンクラウン法)①

2018/2/2 臨床ライブラリ

今回書かせて頂く症例内容は2017年に製作したジルコニアクラウン上顎右上4番のケースになります。

今回のケースの患者さんは、以前に本人の気に入った補綴治療が行われなかった為、歯科医院を何件も渡り歩かれていました。
この度は、ご縁があって私の取引先の歯科医院に来院されました。
患者さんは歯科医院に不信感を持っており、毎回治療の度に本人の意見を書いた「メモ用紙」をDrに手渡しされていました。
患者さんは以前、歯科関係の仕事をされていたようで、所々に歯科の専門用語が使われていました。
そのメモの内容は、同歯列の上顎側切歯と両側の第2小臼歯にPFMクラウン(メタルボンド)が入っているのですが、こちらは本人の要望も達成されないままセットされた補綴物で、「形態」「色調」に不満を抱いているといったものでした。

今回の患者さんの要望はジルコニアクラウンで
「反対則の上顎犬歯と第一小臼歯の様な色調で歯列に調和し、食べ物が詰まらない形態の補綴物」を制作して欲しいというものでした。

今回製作する部位のシェード写真(Drサイド撮影)

今回製作する部位の上顎第一小臼歯のシェード写真。 オールセラミックの製作には必ず支台歯のシェード写真が必要になります。 今回のようなテトラサイクリンのケースの場合のシェードは該当するシェードガイドがない為、選択する基準はなるべく明度の近いものになります。

希望されている反対側の色調(Drサイド撮影)

反対則歯列の写真、患者さんの要望は上顎犬歯、第一小臼歯のような残存歯と同じ色調、つまり歯列に調和した色調を希望されています。 このように具体的な希望がある場合、ドクターは歯科技工士に分かりやすく伝達する必要があります。 おそらく前回はこの伝達が無かったが為に、第二小臼歯のようなPFMクラウン(メタルボンド)が製作されてしまったのだと思います。 この伝達一つの有無で歯科医院は1人の患者さんを失う事になり、同時にとても大切な「信用」も失う事になってしまいます。

画像分析による「テトラサイクリンの特徴」

以前納得いかなかったPFMクラウン(メタルボンド)が隣接していますので、キーノート(Macのソフト)にてPFMクラウン(メタルボンド)の写真を半分に切り取り、 希望色調である上顎第一小臼歯にその写真を貼り付けて色相を対比してみて見るとテトラサイクリンの特徴がわかると思います。 特徴が分かれば、実はテトラサイクリンは特に難しい色調ではありません。 レディッシュブラウン系、オレンジ系、ブルー系の層「濃度」「配置」の表現を内部ステインで再現していく、言わば「色ぬり」に近い作業になります。 ただ、1点だけ守らななければいけない「約束ごと」があります。 それは「テトラサイクリンの歯に隠れた一番明るい部分の確認をする事」です。 そして、この明度の高い部分が最終的に再現できていなければいけないポイントとなります。

「モノクロでの明度確認」

明度の確認は写真を白黒にして確認します。 今回のケースの場合は歯茎部分とエナメル部分の明度が高いです。 しかし、明度の高さはエナメル部分の内部にブルーグレー色があり、それを覆った明度の高さがあります。 「カラーの写真」と「白黒の写真」を見比べる事で「どのような明度の低さ」なのか、また「どのような明度の高さ」なのかを考え、 築盛する際には、最下層から設計図を組み立てる作業を行います。
その設計図いつも同じではなくて、『支台歯の色調』『フレームの色調』『ポーセレンのクリアランス』の条件によって毎回変わってきます。
このようなポイントを踏まえつつ次回は技工士が色調を合わせる為に根本的に必要な『3つの要素』を説明していきたいと思います。
【山本やすお】の『まるで成長していない…』Vol.1 「サンプル模型編」
【山本やすお】の『まるで成長していない…』Vol.2 ~小臼歯製作編~(レジンクラウン法)①
【山本やすお】の『まるで成長していない…』Vol.2 ~小臼歯製作編~(レジンクラウン法)②
【山本やすお】の『まるで成長していない…』Vol.3 ~小臼歯製作編~(レジンクラウン法)③