歯ブラシだけで、子どもは呼吸の調整が上手になった。 ここから本番だ。 次の山には、タービンや電気エンジンがあり、音や刺激で泣かせてしまう。 さて筆者は“コントラにプロフィブラシを装着したもの”を“歯医者さんの歯ブラシ”・“歯医者さんの電動歯ブラシ”と名付けている。 プロフィブラシにフッ化物をつけ、“歯医者さんの歯ブラシで磨いてあげよう!”と言う。 この段階では、コントラは回転させず“ゴシゴシ”と言いながら、手を前後に動かせ臼歯を磨く。 そして歯ブラシと同様、5数える間だけコントラを動かせた後、それを抜き呼吸を整えながら繰り返す。 こうして、まず器具に慣れさせる。 慣れてきたら、徐々に回転させ歯面の研磨(PMTC)を行う。 鏡を見せながら「わあ~!きれいな歯になってきた!」などと伝える。 この際、前歯より臼歯部を優先させする。 臼歯部は、前歯部より感覚が鈍いので嫌がる可能性が低いためである。 これは、コントラで軟化象牙質を除去するトレーニングにつながる。 さらにコントラが注水可能な場合,右手でPMTC、左手でバキュームを持ち吸引しながら行う。 これは、タービンの練習になっている。 ここまでくれば、実際の治療に即したトレーニングが完了したことになる。 初診時にトレーニングの一環として歯科衛生士が行えば、以後の治療が効率的に進むはずだ。
著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!
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