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【山本やすお】の『まるで成長していない…』
Vol.2 ~小臼歯製作編~
(レジンクラウン法)②

2018/2/26 臨床ライブラリ

「シェード写真について…」歯科技工士が色調を合わせる為に根本的に必要な「3つの要素」とは

その「3つの要素」とは、 ①「正確なシェード情報」 ②「正確なシェード写真の分析」 ③「分析結果の再現」 になります。

①「正確なシェード情報」

適正な判断ができる写真は下記の条件を満たしている必要があります。 1.シェードガイドが対象歯と前後的に同一上で水平面が保たれている(角度が同じ)位置関係 2.適正な露出(色が飛んでいない) 3.適正なハレーション(なるべく歯面に現れず隅角にハレーションがある) ①が誤った情報であると、②と③の作業は無意味となり、正確に色調の合った技工物を製作する事は不可能となります。 また、前歯部よりも臼歯部の方が撮影難易度が高く、①の撮影条件が難しくなってしまう事が多いです。 コマーシャルラボ(複数の歯科医院と取り引きしてる歯科技工所)では撮影をDrにお願いする事もあり、臼歯部の撮影の際、シェードガイドの合わせ方を間違ってしまうDrも多々おられます。 「臼歯部撮影の際の間違ったシェードガイドの合わせ方の例」 シェードガイドが手前に来ている。 シェードガイドが手前に来ていて少し影になっている。 シェードガイドの角度が悪くて対象歯の前にシェードガイドを置いている。 被写体の角度が悪くてシェードガイドに光が届かず暗くなっている。 「何故このような写真はいけないのか?」 写真は実際の肉眼で見たものと同じである事が理想ですが、これは現実的に不可能だと思います。 つまり、歯科技工士が技工物を制作する時には、「写真に写っている歯の色に合わすのではなく、写っている歯の色とシェードガイドとの対比で技工物を作る」という方法でしか技工物の色調を合わせることができないということです。 「間違ったシェードガイドの位置関係」では歯の色調を対比する事ができませんので、たとえ「有名な技工士」「一流のセラミスト」であろうとも本来の色調を再現した技工物を製作する事は出来ません。

②「正確なシェード写真の分析」

「正確なシェード写真の分析」とは? なぜ分析が必要なのか? ①「正確なシェード情報」の次に歯科技工士は「写真の分析」を行います。 なぜ「写真の分析」が必要かと言うと、撮影した写真をそのままシェードガイドと比較しても、実際の色は正確にはわからないからです。 その理由は、口腔内では色相対比による様々な目の錯覚が起こるからです。 画像1 画像2 もし画像1のAとBの柄の色、画像2の女性の両方の目の色が共に同じ色に見えていれば、画像分析は必要ありませんが、同じに見える人はいないと思います。 この現象を解決するために、パソコンでこの錯覚を消して、同じ色に見える様に画像処理を行います。 「錯覚を消す画像処理」 対象物を切り取って重ね合わせます。 こちらも対象物を切り取って重ね合わせます。 この様に錯覚を消して実際の色調を確かめるには、この様に対象物に重ね合わせて確認するしかありません。 「シェードの分析」もこれと同じ事で、シェードガイドを半分に切り取り、対象歯に重ね合わせて画像分析をする事が結果として②「正確なシェード写真の分析」につながります。 「正確なシェード写真」「正確に分析」した上で、「分析結果を再現」する事がシェードマッチングという作業になります。

③「分析結果の再現」

歯科技工士が色調を合わせる為に根本的に必要な「3つの要素」の中で、最後の要素③「分析結果の再現」が1番難しいと私は考えています。 「再現性」とは陶材築盛の際にレイヤーを計算して、「明度」と「彩度」を最終的に写真と同じように表現する事です。 他にも「形態修正の能力」「歯のディテール」「歯列のバランス」などの再現技術も必要になり、「個人のスキル」に大きく左右されるので皆が同じ様に製作できないからです。 逆に難しいからこそ歯科技工士の価値を高めれる重要なポイントだと私は考えています。 次回は今回お話しした「3つの要素」を実施する際に、私が必要と考えている「器具」と「材料」を使ったシェードの合わせ方を解説を致します。
【山本やすお】の『まるで成長していない…』Vol.1 「サンプル模型編」
【山本やすお】の『まるで成長していない…』Vol.2 ~小臼歯製作編~(レジンクラウン法)①
【山本やすお】の『まるで成長していない…』Vol.2 ~小臼歯製作編~(レジンクラウン法)②
【山本やすお】の『まるで成長していない…』Vol.3 ~小臼歯製作編~(レジンクラウン法)③