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【山本やすお】の『まるで成長していない…』
Vol.3 ~小臼歯製作編~
(レジンクラウン法)③

2018/6/27 臨床ライブラリ

シェードを合わせる為の『3つの要素』として
私が必要と考えている『器具』と『材料』とは。

①『正確なシェード情報』に
必要な『器具』と『材料』は・・・

適正な位置関係のシェードガイド写真を撮る上で、私が最も信頼出来るシェードガイドとは 『支台歯の色による影響』 『マージン部の歯肉色による影響』 『最終的にセットされるクラウンの位置関係による色調の見え方による影響』 これらの影響を全て満たしたシェードガイドになります。 つまり、製作する部位に最終形態に近い形で装着されたシェードガイドが最も信頼できると考えています。 私はこのシェードガイドの事を『レジンクラウン』と呼んでいます。 『レジンクラウン』は最終補綴物が口腔内でセットされた際の、おおよその明度、キャラクターの加減を探る目的のためPMMA(アクリル樹脂)をCADでミリングして製作しています。 「シェード撮影の際に、このレジンクラウンを装着した状態でDrに撮影してもらった写真データ」と「レジンクラウン」を見本として、私は技工物を製作しています。 この「レジンクラウン」こそが私が考える最も信頼できるシェードガイドだと考えています。 すなわち、『正確なシェード情報』に必要な『器具』と『材料』とは・・・ 『レジンクラウン』と『レジンクラウンを装着した写真のデータ』になります。 -レジンCrによるメリット- ①撮影時のシェードガイドの位置関係を意識せず撮影ができる。 ②「支台歯」「歯肉」「歯の位置関係」による影響を全て加味したシェードガイドになる。 ③「形態の確認」「咬合の調整」ができる為、患者さん側でも視覚的確認ができ、口腔内にて咬合調整を行いリマウントできるのでファイナル(最終補綴物)の調整が微調整になる。 ④レジンクラウンが最後まで手元に残る為、口腔内と同一に近い状態でシェードガイドによる安定した比較が可能になる。またファイナル(最終補綴物)との形態に相違点がないか確認しやすくなる。 -レジンCrによるデメリット- ①レジンCr製作による「手間」がかかる。 ②「診療回数が1回増える」。 ③取引先にレジンCrの重要性が理解されにくい。

②『正確なシェード写真の分析』に
必要な『器具』『材料』は・・・

次に、正確なシェードガイド情報の写真を正確に対比する作業を行います。 最終的に審美補綴の善し悪しは患者さんの主観に委ねられると考えています。 ですので、色合わせの基準は患者さん本人が鏡で見える範囲内の部位で片顎の歯列が基準になると考えています。 また、患者さんが鏡で見る角度を意識してキャラクターの付与を考えなければなりません。 このような目的のため、私は「患者さんの主観的な審美基準」探る道具として「レジンクラウン」を使用しています。 「レジンクラウン」と目標歯を半分に重ね合わして「色相の対比確認」を行い、重ね合わした状態でモノクロにした後「明度の対比確認」を行います。 その時、手元の「レジンクラウン」と「写真のレジンクラウンの色調」が大体同じに見える様に調整ができれば情報の再現性が高まります。 また、この作業には「写真の切り取り、貼り付け、色調調整ができる編集ソフト」が必要となります。 ②『正確なシェード写真の分析』に必要な『器具』と『材料』とは・・・ 『写真の編集ソフト』になります。

③『分析結果の再現性』に
必要な『器具』『材料』は・・・

次に②の『正確なシェード写真の分析』を基に「分析結果の再現」を行います。 「多色築盛」で製作すれば綺麗な技工物はできますが、今回の様なテトラサイクリンの歯を製作する事は非常に難しい事だと思います。 テトラサイクリンに限らず天然歯牙の内部構造は非常に複雑に形成されていますので、最表層を盛るまでの段階で1度、内部構造に「内部ステイン」を使って色を再現し固定定着させることで確実に目標とする歯の色調に近づけると私は考えています。 また歯には最表層を築盛してもポーセレンだけでは再現が出来ない部分が存在する場合があります。 その場合は「外部ステイン」によってキャラクターを再現する事が必要であると考えています。 また外部ステインは色調の微調整を行う事もできるので「分析結果の再現性」に必要になってきます。 この様に「分析結果の再現性」を行うには「内、外部ステイン」が必要なのです。 内部ステインテクニックは言わずと知れた青嶋仁先生が考案された手法で、写真のケースは私が初めて青嶋ゼミを受講した時に製作したPFMと歯根付きポーセレンです。 青嶋先生に初めて教えて頂いた時の衝撃的な思いがあり、「まるで自分が製作した物とは思えない不思議な気持ち」になりました。 その技術は今も変わらず臨床に役立っており、歯を造る上での表現力に自信をつけてくれました。 今の自分があるのは青嶋先生の内部ステインテクニックのお陰だと感謝しております。 外部ステインはグレーズ温度で焼成できるものでしたら大体のものが使用できるので、私は技工物製作の際、様々なメーカーのステインを使用しております。 特にホワイトのステインは焼成後の色の濃度の感じが様々なので、キャラクターの度合いに合わせて使い分ける様にしています。 『分析結果の再現性』に必要な『器具』と『材料』とは・・・ 『内部ステイン』『外部ステイン』になります。 結論として私が考えるシェードを合わせる為の『3つの要素』とは ①『正確なシェード情報』   →『レジンクラウン』と『レジンクラウンを装着した写真のデータ』 ②『正確なシェード写真の分析』→『画像分析をできる写真の編集ソフト』 ③『分析結果の再現性』    →『内部ステイン』『外部ステイン』 になります。 次回は実際にセラミックを製作していく工程を説明させていただきたいと思います。
【山本やすお】の『まるで成長していない…』Vol.1 「サンプル模型編」
【山本やすお】の『まるで成長していない…』Vol.2 ~小臼歯製作編~(レジンクラウン法)①
【山本やすお】の『まるで成長していない…』Vol.2 ~小臼歯製作編~(レジンクラウン法)②
【山本やすお】の『まるで成長していない…』Vol.3 ~小臼歯製作編~(レジンクラウン法)③