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2022年10月のピックアップ書籍

2022年10月のピックアップ書籍
2022年10月のピックアップ書籍

睡眠歯科の基本的知識からその実践までを、余すことなく誠実に解説 『歯科医師のための睡眠時無呼吸治療 その基礎知識と口腔内装置治療の実践』

宮地 舞・著 クインテッセンス出版 問合先 03-5842-2272(営業部) 定価 12,100円(本体11,000円+税10%)・192頁 評 者 山﨑長郎 (東京都・原宿デンタルオフィス) 私はこれまで、補綴歯科を中心に歯科医師として長く、十分な研鑽を積んできた。そんな私の歯科人生において、「何かやり残したことはなかったか?」と考えたとき、ぽっかりと穴が空いていた分野が“睡眠時無呼吸の歯科的治療”(以下、睡眠歯科)であった。「最後にこの学問を習得しない限り、補綴治療のゴールは見えない……」、そんなことを思ってその臨床に取り組んでいた矢先、本書の著者である宮地舞先生と知己を得た。当時、宮地先生はカリフォルニア大学ロサンゼルス校に留学中で、偶然にも睡眠歯科学を専攻されていた。 本書内でも言及されているが、現在の日本の歯科界においては睡眠歯科の重要性がそれほど高くは認知されていない。そこで宮地先生と睡眠歯科について何回か情報交換を行うとともに、睡眠歯科を日本の歯科界にさらに普及、推進させようということで2人の意見が一致した。それから数年間、宮地先生は睡眠歯科の成書を精魂込めて執筆され、このたび、今までにないすばらしい構成に仕立て上げ、上梓された。 本書は全13章からなる大著で、各章の特徴と簡単なポイントは以下のとおりである。 第1章:睡眠時無呼吸治療の必要性を多様な角度から掘り下げ、喚起。 第2章:睡眠時無呼吸を改善するための治療法を、医科との連携を含めて述べるとともに、患者の睡眠時の姿勢やその状態を解説。 第3章:睡眠時無呼吸の検査の種類と検査データの読み方を解説。とくに睡眠ポリグラフ検査は、疾患の程度を知るうえで非常に参考になる。 第4章:第6章から述べられている睡眠歯科の治療の流れを概説。 第5章:睡眠歯科導入のために院内で整備すべき事項をソフトとハードの両面で紹介。 第6章:潜在性の睡眠時無呼吸患者のスクリーニングを解説。ここは、きわめて重要な章である。 第7章:検査の実際を解説。 第8~10章:治療計画の立案から印象・咬合採得、装置の設計・製作・調整・装着および患者指導を解説。この3章は実に詳細な臨床指導書になっていて、とくにわかりやすい。 第11章:装着後の客観的評価法と装置の調整を解説。 第12、13章:患者とのコミュニケーション法や睡眠医学を補足的に解説。 このように、睡眠歯科の基本的知識からその実践までが、余すことなく誠実に解説されている。宮地先生の明瞭かつ理路整然とした筆致に読み手は引き込まれ、これまで睡眠歯科に興味のなかった歯科医師でさえも一定の興味が惹起されることだろう。睡眠歯科についてよくここまで緻密かつ詳細に纏められたものと、宮地先生に心からの賛辞を贈りたい。 私は日本の歯科医師に今一度、睡眠歯科に総合的に取り組んでもらい、睡眠時無呼吸に悩む多くの患者を救ってほしいと願っている。そのとき、大袈裟ではなく、本書がそのバイブルとなるに違いない。

感染対策を行うべき根拠が懇切丁寧に示された、真の実践書 『歯科医院のための感染対策マニュアル  RKIガイドラインに基づいたルーティンワーク』

中村健太郎・監著 伊藤磨樹/伊藤 彩・著 クインテッセンス出版 問合先 03-5842-2272(営業部) 定価 7,700円(本体7,000円+税10%)・136頁 評 者 藤本晋治 (山口県・ふじもと歯科 クリニック) 私たち歯科医師が日々の診療をスムーズに行うためには適切な汚染再生処理が必須になってくる。本書はヨーロッパを中心にスタンダードとされているロベルト・コッホ研究所(RKI)のガイドラインに準拠し、確実な汚染再生処理をどうすれば実現できるかが記載されている。 また、毎朝診療が始まる前、診療中、そして診療後の感染対策のルーティンワークについて、工程ごとに細かく記載されているため、このとおりに実践すればいいという構成になっている。そのうえで、グローブの着脱や手洗いの方法やタイミング、機器のメインテナンスなどに至るまで網羅されているが、ここには著者の強い思いがある。 前著『決定版 歯科医院のための感染対策』が上梓された頃から、感染対策の本来の理念をしっかり理解することなく、対外的にアピールするために清潔域・不潔域を色分けしたり、感染対策の一部の方法のみを取り入れたりして本来の目的からそれている医院が増えてきたことに対し、著者は警鐘を鳴らしてきた。そもそも処置ごとにグローブを取り替えるなど、その必要性を理解していなければ言われても意外にできないものだ。だからこそ、本書では1つひとつの行為が必要な理由を親切に説明してくれているので、私たちのマインドも同時に醸成されるのだ。 特筆すべきは、本来の目的を理解していないがために誤りやすいポイントを「Attention!」と注意喚起してくれたり、本当に伝えたい部分、歯科医院でその対策を講じなければならない根拠を「Evidence」としてコラム形式でまとめてくれているところにある。読者の先生方は、ただなんとなくクラスB滅菌器やウォッシャーディスインフェクターを導入して自己満足に陥っていないだろうか。クリティカルAとB、セミクリティカルAとBの取り扱いや、個人防護具(PPE)の取り扱い、エアロゾル感染から身を守るために何をすればいいのか説明できるだろうか。チェアの確実な汚染再生処理はできているだろうか。アルコールを噴霧して拭き取ってOKとしていないだろうか。クラスB滅菌器には本当に滅菌できたかどうかを証明する方法があるのだが、ご存知だろうか。 こういう話をすると、今でさえギリギリで運用しているのに、これ以上のことを実践する時間がどこにあるのかという嘆きが聞こえてきそうだ。心配ない。本当にすべきことを系統立てて考えると、実は非常にシンプルで今までより少なくなってくるのだ。なんでも滅菌、ディスポと、筆者自身が陥っていた、時間をかける割には不十分なところばかりのジレンマから解放される考え方が本書に散りばめられている。先生方が信頼するスタッフとともに、まずはこの本から読み進めてほしい。写真や具体的なやり方が多く掲載されており、するべきことがはっきりするはずだ。その後に前著も併せて読むと、その背景にある歯科医院の感染対策の本質が見えてくるはずだ。

すばやく楽しく理解できる問題集で、勉強会10回分の価値が詰まっている 『“考えて解くのが楽しくなる”臨床ドリル ペリオ&インプラント 50問』

荒井昌海/岡田素平太/中田光太郎・監著 甘利佳之/安斉昌照/佐藤優樹・著 クインテッセンス出版 問合先 03-5842-2272(営業部) 定価 7,700円(本体7,000円+税10%)・176頁 評 者 中島航輝 (東京都・医療法人社団世航会) ついに若手歯科医師の教育・研修にベストな問題集が刊行された。 よくある問題集は、ページ数、文字数が多く、読むのが面倒と感じる若手歯科医師も多いと思うが、本書は1ページあたりの文字の量やイラストの大きさなどバランスよく配置されたドリル形式の問題集で、たいへん読みやすい。「誰か読んで、要点だけまとめて、効率よく教えてくれない?」というニーズに対応した1冊だ。卒後1年目、3年目、5年目向けと記載されており、経験レベルの違いにも応じている。 出題されている50問は、通常であれば理解するのに多大な時間と労力がかかるが、本書なら、すばやく楽しく理解できて、まさにこういう本を待っていた。 勉強会に1日参加しても理解できる内容はこの50問のうち5問くらいだと思う。しかし、この問題集には勉強会10回分の価値が詰まっている。教育する側の院長先生にも1冊、研修する勤務医側にも1冊ずつあると、臨床研修を準備する時間の効率がとてもよくなる。そんなコストパフォーマンスにも優れている。 筆者が考える特筆した内容は、以下の4項目だ。 1つ目は“歯周病の新分類と根分岐部病変の治療”。最近、ペリオ関連の勉強会に参加すると冒頭「歯周病の新分類、知っていますか?」といったクローズドクエスチョンを投げかけられることが多い。それくらい歯周病の新分類には強い関心がもたれているが、本書の問題を解くことで、教育する側も内容を再確認でき、なおかつアップデートされる。筆者自身、とても勉強になった。 2つ目は“外科器具の使用方法と切開剥離縫合”。縫合については、とくに充実しており、単純縫合、垂直懸垂縫合、垂直マットレス縫合、水平マットレス縫合、連続ロック縫合、遊離歯肉移植術の縫合などが出題されている。剥離や減張切開、インプラント手術時のフラップマネジメントなど、ベーシックな知識と技術向上に役立つ内容になっており、新人だけでなく、卒後5年目以降でも臨床のヒントになる。 3つ目は“インプラント埋入のポジションと周囲炎の対応”。この問題だけでも全若手歯科医師に解いてもらいたいくらい非常にわかりやすい内容で、インプラントとインプラント間の距離、インプラントと天然歯間の距離など、ドクターならかならず知っておきたいインプラント知識を速攻で身に付けることができる。 4つ目は“咬合調整の方法”。ペリオの咬合調整を問う問題では、赤と青のマーキングで視覚化され、若手歯科医師でも理解しやすく、また臨床ですぐに実践できる。   このように院長が勤務医に教えたい内容が、シンプルにわかりやすく50問という形でまとめられている。この1冊があれば、より充実した研修教育の実現と、日常臨床レベルを押し上げる起爆剤になることは間違いない。

患者指導に根拠と説得力を。関野先生の最新エビデンス本! 『ドクター関野のエビデンス・アカデミアメインテナンスの重要性&口腔×全身疾患の関係の伝えかた』

関野 愉・著 クインテッセンス出版 問合先 03-5842-2272(営業部) 定価 5,940円(本体5,400円+税10%)・112頁 評者 米山武義 (静岡県・米山歯科クリニック院長) 本書の著者である関野氏は、スウェーデンでPh.D.(博士号)を取得した数少ない日本人留学生の1人という過去をもつ。評者がイエテボリ大学に留学した1980年代当時、スウェーデン国内(4歯学部)では、年わずか10名前後の取得者しか輩出していなかった。そのため同国でPh.D.を得ることは、大学組織における准教授に匹敵し、国の宝のように大切にされていたことを覚えている。そのようなハイレベルな研究環境のなかで、Jan Lindhe教授のもと世界的な論文を関野氏が生み出し続けたことは、日本人として誇りに思う。 その氏が「メインテナンスと全身疾患」に関係する論文を厳選し、読者に論文の評価の仕方と臨床的な意義を示してくれるのがこの『エビデンス・アカデミア』だ。患者に対しても術者に対しても確信のもてる説明ができることを意図した本書は、たいへんユニークで魅力的である。 本書は、エビデンスに基づき「メインテナンスの重要性」を伝えるPart 1と、「口腔×全身疾患」の関連を示す最新のエビデンスを見ていくPart 2の2部構成になっている。 メインテナンスを続ける根拠となるエビデンスについては、日常臨床にとくに重要と思われる論文を引用し、患者に説明する際の例も付記している。口腔と全身疾患を結びつけるエビデンスについては、そのメカニズムよりも実際にどのような歯科疾患や歯科的な介入が結果に影響したかに重点が置かれている。 たとえば、評者がかかわった研究論文を引用しているPart 2の「口腔×誤嚥性肺炎」の項目を見てみよう。「専門家による口腔ケアが、誤嚥性肺炎の予防に効果がある」という研究結果に対し、まず「エビデンスレベルが低いとの見解もある」と端的に事実を指摘している。次に「相反する研究結果をどのように解釈するか」と他の論文と比較分析し、今後の展開として「専門家による機能面を含めた口腔ケアについての研究が待たれる」とエールをくれた。そして結論のなかで「エビデンスレベルが低い」ことが意味するものは、あくまで「後続の研究により結論が変わる可能性が高い」ことにすぎないとまとめている。完全な研究デザインと結果というものは、不可能と言っていい。ただ「研究者は人類の発展のために常に謙虚であるべき」と考える氏の姿勢には、脱帽である。 これからの歯科医師、歯科衛生士には、科学的論文を読み解く能力が不可欠となってくる。そして「説明能力の優劣」が、診療所選択の基準になる時代が訪れるものと思う。エビデンスに基づいた診療体系は、患者と術者双方にとって、ストレスを間違いなく軽減してくれるだろう。 「本書を活用することにより、患者だけでなく術者自身のモチベーションにつながり、日常臨床が楽しくなっていくと確信する」というのは本書の巻頭言からの抜粋だが、まさにそのとおり。無味乾燥になりがちなエビデンス集を、ともに働き学び合う友人とともに楽しんでほしい。

「できる範囲でも取り組みたい」そんな歯科医師に役立つ一冊 『よくあるケースでイチからわかる! 開業医のための歯科訪問診療算定ガイド 2022年改定対応版 依頼があっても困らない 保険の知識と請求例』

湯島保険診療研究会訪問部会・編 大泉 誠/小澤健一/戸原 玄/増田一郎/ 森末裕行/渡辺 泉・編集委員 クインテッセンス出版 問合先 03-5842-2272(営業部) 定価 4,290円(本体3,900円+税10%)・112頁 評 者 中島孝至 (東京医科歯科大学歯学部非常勤講師) 日本が全人口に対し65歳以上の高齢者の比率が21%以上となり超高齢社会とよばれるようになった2007年以降、高齢化率は毎年増加しており、2021年9月には29.1%と過去最高を記録している。 また、1989年に厚生省(当時)と日本歯科医師会が提唱し、啓発活動を始めた8020(ハチマルニイマル)運動(80歳になっても自分の歯を20本以上保とうという運動)により2016年には全国調査で51%の達成率が報告され、わが国が世界に誇れる長寿社会における健康寿命を延ばすなかで大いに喜ばしい結果となっている。しかし一方で、平均寿命と健康寿命の間には10年程の差が生じており、これらのことから通院できない介護を必要とする患者が大きく増加しているのも現実である。 歯科の分野においては、本人による口腔管理ができない状態の患者、すなわち歯周病やう蝕に苦しむ患者が増加することを意味し、われわれ歯科開業医が診療所での治療から患者の自宅や施設等に出向いて治療を行うことが求められる時代になったことを認識しなくてはならない。 そのときにぜひ手に取ってもらいたいのが本書である。2020年に刊行し、2022年に第2版を出版するはこびになったのは、実にていねいに歯科訪問診療の初心者からスキルアップしていく、各ステップに応じた症例を適切に示しながらわかりやすい解説がされており、患者やその家族からのいかなる申し出に対しても十分に対応できる内容になっていることが多くの読者に支持されたからにほかならない。 第1章では、初めての歯科訪問診療の基礎知識をQ&A形式で、開業医の不安な気持ちに寄り添いながら歯科訪問診療に必要な事項、心構え、器材、医療保険や介護保険のしくみなどを解説している。 第2章では、今まで通院してくれていた患者が通院困難な状態になった場合の対応について、比較的取り組みやすい義歯の調整・修理・新製の事例から徐々に高度な治療事例へと進み、患者が急変した場合や歯周病の継続治療等、ほぼ患者の自宅での歯科訪問診療で想定されるあらゆる事例が網羅されている。 第3章では、患者が施設に入所した場合、病院に入院した場合の対応について請求が難しいとされている介護保険との関係について詳しく説明がされている。 第4章では専門的な対応が必要になった患者を例にした専門医との連携の方法、周術期の口腔機能管理のケースの説明がされている。 第2版では直近の介護保険や医療保険の改定の内容も反映されている。また新しく巻頭企画として口腔細菌定量検査(新設項目)や施設基準が緩和された在宅療養支援歯科診療所2におけるICT加算(新設項目)についてもわかりやすく解説されており、大いに評価したい。 本書は、まさに歯科訪問診療のマニュアル本として珠玉の一冊であるといっても過言ではない。

ダイジェスト版として新たな価値を提供するPRD 別冊ザ・クインテッセンス 『PRD YEARBOOK 2022 歯周組織再生療法と硬・軟組織増生』

岩田健男/山﨑長郎/和泉雄一・編 クインテッセンス出版 問合先 03-5842-2272(営業部) 定価 7,480円(本体6,800円+税10%)・200頁 評 者 水上哲也 (福岡県・医療法人 水上歯科クリニック) 膨大な情報が溢れる現代において必要な情報をダイジェスト的に解説されたものがもてはやされるのは、歯科界においても必然の流れである。私たちはより短いページ数で、より短時間で、そしてより効率よく情報を得ることを求めている。 このような時代背景のなかで、6年前に2ヵ月に一度発刊されていた日本語版PRDが廃刊されて寂しく感じたのは私だけではなかったはずだ。歯科臨床に携わる人々にとって、臨床の最先端の情報を示すものとして非常に価値ある学術雑誌であることは言うまでもなかったからである。 しかしながら現在、このPRD YEARBOOKはダイジェスト版として新たな価値を生み出している。私見ではあるがその理由を述べさせていただくと、まずはじめに日本の著名な臨床家がそれぞれの分野において1年間の間に出された論文のなかでどの論文を特に重要と考え、選出しているかがわかることである。そしてその選ばれた論文は一般の臨床医にとってどの情報が重要であるかを正しく示すものであること、そしてなおかつその内容をわかりやすくまとめてあるばかりでなく、優れている点や評価すべき点を編者が正しく評価し読者に伝えていることだ。結果としてオリジナルの論文と同等、もしくはそれ以上の価値を生み出しているように感じられる。 今年もそれぞれの分野において新鮮で刺激的な情報が提供された。多くは過去に提案された独創的なアイデアを敷延したものであったり、ディシジョンツリーとして治療術式の選択に役立つものであったが、年々進化する内容は目が離せないと感じられた。個人的に特に興味を惹かれたものは、より低侵襲な術式、あるいは不快症状の少ない術式の提案である。Cortelliniによる低侵襲な歯冠長延長術はその概念を見直す斬新なアイデアである。そもそも個体差があり、ばらつきの多い骨縁上付着組織の幅を平均値ですべての症例に当てはめることは不必要な侵襲につながる懸念があったが、そのことを大きく改善するための斬新な考えであり、長期の経過を待って臨床に取り入れたいと感じた。また、Stefaniniによって示された骨膜上の筋繊維を取り除くことで口腔前庭が浅くならないという事実は、なるほどと感じさせられた。一方で、Steigmannによって示されたMucosal Detachment Techniqueは、以前Hom-Lay Wangによって提唱された骨膜ポケットテクニックをさらに改良したものであると思われたが、トラブルの多い骨膜を残しての部分層弁の形成において特殊な器具を開発して安全な術式としたことが斬新であった。 筆者にとって、このPRD YEARBOOKは毎年拝読するのが楽しみな雑誌である。初めて読む方はきっと過去のバックナンバーも見たいと感じるに違いない。そしてこのようなすばらしい学術雑誌において毎年論文を選出、解説されている編者の先生方に敬意を表したい。

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