講演会は、演者から聴衆者へ一方通行の話になりがちだ。 これでは聞く方は、面白くないし退屈だ。 いかにして聴衆者参加型にできるかがポイントとなる。 そこで講演会をクイズ形式にするのがコツだ。 ゴールデンタイムで,面白そうなのはたいていクイズ番組だ。 いつのまにか自分もスタジオにいて,他のゲストと一緒に考え答えている気になる。 これを、講演会に応用するのだ。 例えば: よく噛むと溜まらないのは,次のうちのどれだろう?(図1) 1鼻クソ 2:目クソ 3:耳クソ 読者も、一緒に考えていただきたい。 どうだろう,答えを早く知りたい・・と思うはずだ。 その瞬間、演者のペースに入っているのだ。 さて、正解は“耳クソ”である。 どうしてか? ここで、人差し指を耳の穴に入れ,そして顎を開閉していただきたい。 関節頭が動くことがわかる。 だから耳クソが、自然に剥がれ落ちたまらないという。 これはある医師から聞いたのだが,イギリスの家庭医学書に書いてあるそうだ。 一般の方々は,食事の時には“歯”だけを使っていると思っている。 しかし、口唇や舌、それに下顎や筋肉も使っていることを実感させるのだ。 これだけで演者と聴衆者の距離がぐっと縮まる。 もう一つ、クイズを出そう。 現在,日本人の平均寿命は男性約81歳。女性は約87歳。(2020年簡易生命表) 江戸時代の平均寿命は,いくつだろう?(図2) 1:30歳 2:45歳 3:50歳 正解は、45歳である。 ちなみに、縄文時代は31歳、室町で33歳、昭和22年(1947年)が52歳。 江戸時代に比べたら,寿命が約2倍延びたのだ。 これからも寿命は延び続けるだろう。 長生きして,旨いものを腹いっぱい食べる。 「人生,八十有余年 最後は一週間!」 そして“ピンピンコロリ”で逝く。(図3) これが理想である。 では現在、ピンピンコロリで逝ける方はどの位だろう?(図4)
著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!
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