人相学は、中国3000年の歴史を持つ。 その中で、“額”・“目から鼻”・“口元”は、人生の“ある年代”を表しているという。 さて口元は、以下のどの年代を表しているだろう? 1:初年運 2:中年運 3:晩年運 正解は、3:晩年運だ。 人相学には「額は初年運を表し、目から鼻は中年運を表し、口元は晩年運を表す」という言葉がある。 額は遺伝的な要素が強く表れる。“おでこの広いこどもは、将来賢くなる”と言われるのは、その様な意味なのだろう。 一方、目は“心の窓”といわれ心の内面を表し、さらに鼻は文字通り“人生の花”である財運や夫婦運を表す。 “目が中年運を表す”は、最も仕事ができる時には目が輝いているからなのだろう。 一方、「口元は晩年運を表す」のは容易に想像できる。 歯が丈夫でなんでも噛めると、老いてますます意気盛ん。 しかし、古代中国では、歯を失い噛めなくなると老い先短いということに違いない。 さて、メソポタミア文明のハムランビ法典に「目には目を 歯には歯を」という言葉がある。 類似したことが“旧約聖書”にも書かれてあり、そこには次の一文がある。 「もし奴隷の目をつぶせば、その奴隷は自由にしなければならない」。 「もし奴隷の歯をつぶせば、その奴隷は自由にしなければならない」。 眼も歯も同レベルで考えられていたのだ。 現代人は歯科医療の恩恵を受けているが、硬い食べ物を食べていた古代人にとっては、まさに“歯は生きるための道具”であったことがわかる。 話は変わるが、昼休みにレストランに行ったとする。 このメニューを見て、何が食べたいだろう? カットステーキ?それともエビフライ? でも、それを選べるのは、噛める歯を持っているからだ。 しかし、歯を失うと・・・。 ステーキは、噛めない! エビフライは、口の中を傷つけそう! “どれなら食べれるだろう?”と思いながら、このメニューを見るようになる。 これは、若い頃はわからない! でも歯を失って、はじめて気がつくことなのだ。 歯は、齲蝕になるためや、磨くために生えるのではない。 食べ物をよく噛むために生えてくるのだ。 どんな食べ物も歯がないと噛めない。 だから食べ物の話は、すべて歯の話につながることがわかる。
著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!
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