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しくじり先生の小児歯科 その17 “歯医者さん歯ブラシ”で手指の固定のトレーニング

しくじり先生の小児歯科 その17  “歯医者さん歯ブラシ”で手指の固定のトレーニング
しくじり先生の小児歯科 その17 “歯医者さん歯ブラシ”で手指の固定のトレーニング
これまで述べてきた様に、初診や定期健診でPMTCを行っていた場合・行わなかった場合を比べると、実際の治療ではどちらが泣かないだろう?



当然、PMTCを行ってきた方が、タービンの音や刺激に慣れ泣かないはずだ。

さて、恐怖心が強い子どもは、歯ブラシからコントラに代えると嫌がることがある。
ここで、そのコツについても触れておく。
まず歯ブラシを行うときは、わざ視野に入れ一定リズムで磨く。
こうして、歯ブラシが来ると、息を止め口を開けるという回路を作っておく。
そしてコントラに変える場合は、同じリズムで視野に入れないように側方(死角)から挿入する。



ところでPMTCは、子どもの恐怖心を軽減するだけではない。
新人ドクターの研修にも有効だ。
大人と比べ小児の口腔は狭く、タービンやバキュームの動きが制限され形成が難しい。



そこで最初に、幼稚園児や小学生に歯垢染色剤で染め出しを行う。
染色された歯垢は、すべて齲窩だとイメージする。



こうして薬指をレストとして、染色部位をポリッシングする。
これは形成時、患歯に確実にバーを当てるトレーニングとなる。



また舌が動き傷つけないように配慮するなど、形成以外にも気をつけなければならない。
そこでバキュームを術者が持つことで、舌や頬の排除の方法を確認することも必要だ。
例えば、右下に齲窩があると仮定する。
注水下でPMTCをし、左手のバキュームで舌の排除をすれば、まさに形成の練習だ。



筆者自身も体動の大きな障害児に対し、タービンでの形成前には、必ず注水下でPMTCを行うことにしている。

著者岡崎 好秀

前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授

略歴
  • 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
  • 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
所属学会等
  • 日本小児歯科学会:指導医
  • 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
  • 日本口腔衛生学会:認定医,他

歯科豆知識 「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!


岡崎 好秀

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