不安な顔をしながら入室し、局所麻酔をした途端に泣きだしそうになる子どもがいる。 刺入の瞬間に良い言葉がけができず、結果的に大泣きさせてしまうことがある。 言葉がけ次第で、以後の診療が“簡単に処置が終わる”か“泣いて暴れて大騒ぎ”になるか大きく変わる。すなわち子どもが“天国道を歩む”か“地獄道に落ちる”かの大きな分岐点となる。 一度、地獄道に陥いると以後の処置はたいへんだ。 歯科医療従事者も地獄道に陥ることとなる さて、ここで問題だ。
子どもに麻酔をする時、読者はどのような言葉がけをしているだろう? ちょっと考えていただきたい! ~シンキングタイム~ よく聞く言葉の一つに“痛くないよ~”がある。
しかし子どもは、“痛くないよ~”と言われながら、予防接種を打たれてきた。 従って“痛くないよ~”は、“これから注射をする”と受け取るかもしれぬ。 だから泣き出すかもしれぬ。 “怖くないから”という言葉も同様だ。 また保護者が“痛くないよ、痛くないからね!”と興奮して言うほど、子どもはよく泣く。 “痛みをイメージする言葉”は、子どもの心にマイナスに作用することがわかる。 では、どのような言葉がけが良いのだろう?

著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!
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