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しくじり先生の小児歯科 その41 慢性齲蝕を作る その8 白黒(モノクロ)写真の原理を活かす

しくじり先生の小児歯科 その41 慢性齲蝕を作る その8 白黒(モノクロ)写真の原理を活かす
しくじり先生の小児歯科 その41 慢性齲蝕を作る その8 白黒(モノクロ)写真の原理を活かす
サフォライドによる着色は、乳臼歯より乳前歯部の塗布が目立つ。
この理由は臼歯部に塗布したサフォライドが、唾液により洗い流されるためと考えていた。

さて、大阪大学歯学部 故山賀禮一名誉教授は、サフォライド剤の開発者である。
先生は、太陽光が乳歯黒変の一因となる可能性について話された。(私信)

裏覚えではあるが、およそ次の内容であった。



白黒(モノクロ)写真の原理をご存知だろうか?
まずカメラ内の白黒フイルムに光が当たる。

①フイルム表面には、感光材として臭化銀(AgBr)が塗布されている。
光が当たると銀(Ag)原子が遊離する。
これを感光という。
②それを還元剤に浸すと、銀の還元が進み粒子が成長する。
これが現像。
③さらに錯イオンを除去し水洗する。
④フイルム上で、光が当たった部分が黒くなり白黒のネガができる。

こうして白黒写真は、銀塩の結晶量により濃淡が生じ、シャープな画像となる。

そこでサフォライド(フッ化ジアミン銀)塗布後に、光重合器を照射すると黒変するスピードが早くなった。



ちなみに、乳幼児期のテトラサイクリン服用による永久歯の変色は有名だ。
しかしこれは、萌出直後には認められない。
時間の経過とともに変色が進んでいる。



この理由として太陽光が考えられる。

さて、サフォライドの最大の欠点は“黒変”である。
筆者は、基本的に乳臼歯部に応用している。
その場合でも、保護者には、“黒変する”とネガティブには伝えない。
むしろ、“臼歯部なので目立たない”・“慢性齲蝕にすることで子ども自身が楽に処置できる”とポジティブに伝えている。
本連載で、元気の出る“正の言葉がけ”、そして気持ちの萎える“負の言葉がけ”の使い方について述べた。
(しくじり先生の小児歯科 その20 正の言葉がけ・負の言葉がけ https://d.dental-plaza.com/archives/22920)

サフォライド塗布時も“正の言葉がけ”で伝えることが大切である。


続く

著者岡崎 好秀

前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授

略歴
  • 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
  • 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
所属学会等
  • 日本小児歯科学会:指導医
  • 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
  • 日本口腔衛生学会:認定医,他

歯科豆知識 「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!


岡崎 好秀

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