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しくじり先生の小児歯科 その35 慢性齲蝕を作る その2 試験で良い点を取るために

しくじり先生の小児歯科 その35 慢性齲蝕を作る その2 試験で良い点を取るために
しくじり先生の小児歯科 その35 慢性齲蝕を作る その2 試験で良い点を取るために
初診時は、疼痛がない限り無理な処置を行わず、簡単なことから行なう方が有利である。
さて、試験でよい点をとるためには、簡単な問題から解き始める。
難しい問題・わからない問題は、飛ばして次に進む。



そして残った時間に、難しい問題に取り掛かる。
これは最低点をとらないための鉄則である。
最初から難しい問題を解こうとすると、時間が足らなくなる。

これは学生時代は許されるかもしれないが、社会に出たら通用しない。
いきなり突然の難問が待ち構えている。
診療でも、簡単な小児から順番に来るわけではない。



最初からたいへんな小児に当たるかもしれない。
これを、どのように対処すれば良いのだろう?
そこで気づいたことがある。
簡単な問題を解いている間に、難しい問題を簡単にしておく。
つまり簡単な処置を行う間に、難しい処置を簡単に済ませる処置に誘導する。
そんな方法を紹介する。

これが“齲蝕の慢性化”を図ることである。
筆者は、処置前に齲蝕を慢性化させ、以後の修復処置を簡単になるよう工夫している。

さて、第1・2乳臼歯の急性齲蝕で、ジュクジュクの軟化象牙質となっている。
現在のところ、症状はない。



通常なら、まず麻酔をして抜髄となる。
しかし、麻酔をすると、必ず泣く小児だったらどうだろう?
少し考えていただきたい。

麻酔で大泣きすと、抜髄はさらにたいへんとなる。
泣きわめき、暴れる中での処置は困難を極める。
リーマーを折るかも知れないし、口腔内へ落としたら大事故となる。
このような状態で十分な処置ができるわけがない。
術者まで、泣きたくなりそうだ。
さて、どうすれば良いだろう?

続く

著者岡崎 好秀

前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授

略歴
  • 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
  • 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
所属学会等
  • 日本小児歯科学会:指導医
  • 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
  • 日本口腔衛生学会:認定医,他

歯科豆知識 「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!


岡崎 好秀

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