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イートロス医学のススメ
第5回:COVID-19から医科歯科連携まで

2020/5/29 臨床ライブラリ

皆さんこんにちは。米永一理(よねなが かずみち)です。
今回もまずは、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)についてお話します。

COVID-19による緊急事態宣言が全国で解除され、「新しい生活様式」のもと、日常生活に向けた再建がはじまっているかと思います。5月18日に厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部は、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き」の第2版を公表しました。

ここでは重症化マーカーとして、

1)Dダイマーの上昇
2)CRPの上昇
3)LDHの上昇
4)フェリチンの上昇
5)リンパ球の低下
6)クレアチニンの上昇

が参考所見として挙げられています。また、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染によって血栓症の発症リスクが増大することや、小児では川崎病様の症状を呈する事例もあることが記載され、治療に関しても大きく改訂されました。さらに、国内の患者数は4月をピークに減少しているものの、再流行のリスクもあり、予断を許さない状況であることが付記されています。

このCOVID-19の再流行に関しては、1918~1920年に流行したスペイン風邪が、変異により1918年夏以降の第2波の方が重篤であったことを考えると、心配は尽きません。COVID-19は、インフルエンザウイルスほどの変異はしにくいですが、変異しないわけではないことが厄介な点です。まだまだ集団免疫や特効薬ができるまで時間がかかることも、予断を許さない状況としています。加えて、一般的なコロナウイルス感染症が、夏に収束し冬に再燃することを考えると、今後秋から冬の再流行に向けた段階的な準備が必要となりそうです。

そして、ピークをすぎた現時点で特に注意しておかないといけないことは、世の中が大きく変わる渦中であり、このときにバタバタと新たな制度ができてしまうことです。過去の経験上、いったん制度ができてしまうとなかなか変えられないため、感染対策や遠隔診療、遠隔教育などの「新しい診療様式」に対して、歯科として先手を打って準備し、発信をしていく必要があります。

(注:本文は2020年5月24日に執筆しています。COVID-19に関しては今後情報が変わる可能性があります。正しい情報は、学会ホームページなどで随時ご確認ください)

さて、イートロス医学のススメと題してはじめた連載も、COVID19の流行があり、大幅に内容を変更してお届けしてきました。次回が早くも最終回の予定です。ここで、アフターコロナ、ウィズコロナを見据えた医科歯科連携について少しお話しします。

ご存じのとおり、医科歯科連携は、1999年にLancetに掲載された米山武義先生の論文を皮切りに、2000年代は歯科が中心となり医科歯科連携が盛り上がり、2010年代は医科からも盛り上がってきました。
そして、2020年代は具体的な連携を進めていく状況になっています。

特に、令和元年6月21日に閣議決定された内閣府の骨太方針2019には、「口腔の健康は全身の健康につがることからエビデンスの信頼性を向上させつつ、(中略)医科歯科連携に加え、介護、障害福祉関係機関との連携を含む歯科医療保健提供体制の構築に取り組む」とあります。このように、さまざまな政策の中でも、引き続き医科歯科連携が重要視されており、われわれ医療者としても大事にしたい課題です。

そして具体的に、連携で算定できる案件が増えてきました。
たとえば、
①診療情報連携共有料 120点/3カ月に1回(医科歯科両方で算定可)
②診療情報提供料Ⅰ 250点+歯科診療等特別対応連携加算 100点+検査・画像情報提供加算 30点(歯科で算定可)
③診療情報提供料Ⅰ 250点+歯科医療機関連連携加算 100点+検査・画像情報提供加算 30点(医科で算定可)
などです(各種基準は別途ご確認ください)。

先生方におかれましては、医科歯科連携を今までは理念として、ある意味ボランティアで開拓してこられたと思います。しかしながら、アフターコロナ、ウィズコロナ下で連携を継続させるためには、医科歯科それぞれが、経営的に安定していることも重要です。よって、しっかりと制度を把握し、落穂拾いのように各項目を算定していく必要があります。さらに、歯科からも医科へ、医科歯科連携で「こんなの算定できますよ」と情報提供していくことが、双方にとって、連携を進めやすくなる一助となります。

今回はここまでです。この変革の時期だからこそ、この連載で一貫してお話ししてきた「正しい情報がみんなを支える」ということを念頭に、引き続きしっかりとした医科歯科連携を構築できればと思います。

ではまた次回お会いしましょう。
ありがとうございました。