前回まで、口腔機能発達不全症について述べてきた。 さて現在、新型コロナウイルスの感染者は減少したが、二次・三次流行の可能性が高い。 この時期、その対処法をじっくり考える時期かもしれぬ。 そこで数回にわたり、アフターコロナについて述べることにする。 今回のウイルスの主たる侵入経路は、"目"・"口"・"鼻"の3つの粘膜に集約される。 "目"はゴーグルを利用し、"口"をしっかり閉じれば、侵入経路は"鼻"に限定される。 実際、排気ガス・PM2.5・ウイルスなど環境化学物質の約83%は空気から侵入する。 残りは飲料8%、⾷品が7%と続く。 しかし口呼吸をすると、侵入量も増えるはずだ。 その他にも口を侵入経路にしない方法がある。 さてあなたは、"ドアを開ける時"・"電車のつり革"・"エレベーターのボタン"・"自動販売機・券売機"・"公衆トイレの鍵"など、どちらの手を使うだろう? 無意識に右手(利き手)を使うのではないか・・。 もし、ウイルスが付着した手で、目や口に触れたらどうだろう? それだけ感染のリスクが高まる。 利き手ほど汚染されやすいのだ。 そこで提案がある。 公共物に触れる時は、左手(利き手の逆)、もしくは手の甲で触る癖をつければどうだろう。 これは"クロスドミナンスによる感染予防"と呼び、誰もが簡単にできる方法だ。 また、利き手ほど、良く洗う必要があることがわかる。 さて、急に暑くなってきた。 マスクは飛沫感染の防止のためには重要である。 しかし、誰もがマスクを外したいと思う季節になってきた。 今後、"マスク酸欠"と"マスク熱中症"が問題になるだろう。 続く
著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
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