「施設の経年劣化を感じた」、「コンセプトを刷新したい」といった理由で歯科医院のリフォームを検討されているかもしれません。 歯科医院のリフォームは、集患を左右する重要なポイントです。 今回は、歯科医院のリフォームの目的や手順、リフォームする場所や注意点などについてまとめます。歯科医院をリフォームする目的
リフォームを行う目的として、以下のような理由が挙げられます。 ・患者さんを集める ・施設の経年劣化を防ぐ ・業務効率を改善する患者さんを集める
歯科医院にとって、集患は売上に直結する重要なポイントです。 患者さんは、通院する歯科医院を決める際、「まずは通院してみないと歯科医師の治療技術の良し悪しが分からない」という気持ちが正直なところでしょう。 治療技術について専門的な知識を持っていないからです。 そのため、歯科医院の口コミや見た目といった限られた情報から、通院する歯科医院を選択・判断することとなります。 清潔感のある見た目から、「この歯科医院なら安心して任せられそう」とイメージをいだき、通院を決めます。 歯科医院の見た目から好印象を与えるためには、リフォームが必要です。 患者さんに選択してもらえるだけの清潔感を保つためには、3年〜5年に一度のリフォーム(大規模な工事を伴わないケースの場合)が目安となるでしょう。施設の経年劣化を防ぐ
施設を使い続けると、当然ですが、建物が経年劣化します。 内装・外装に染みついた汚れや、物をぶつけてできたキズは、いくら掃除しても綺麗にはなりません。 経年劣化を修復・防止するために、適切なスパンでリフォームの検討が必要となるでしょう。業務効率を改善する
部屋や機材の位置が原因で生じている業務の非効率な部分がある可能性があります。 これらの非効率を改善するために、リフォームを行いましょう。 スタッフの導線や患者さんの誘導など、些細なことでも塵も積もれば山となるため、リフォームが業務改善につながります。歯科医院のリフォームの流れ・手順
続いて、歯科医院におけるリフォーム全体の流れ・手順について解説します。<STEP.1>リフォーム後のイメージを決める
リフォームを行う場所や内容について決めましょう。 「とにかくリフォームしたい」という気持ちだけでプランなく業者に相談すると、打ち合わせに時間がかかってしまい、また合わない業者を選んでしまうことにつながります。<STEP.2>業者に見積りを出してもらう
業者に歯科医院の下見をしてもらい、見積りを出してもらいます。 いくつか業者に依頼して相見積もりを取るなどし、比較検討しましょう。<STEP.3>業者を選ぶ
検討の結果から、業者を選んで契約を結びましょう。<STEP.4>工事を開始する
歯科医院の営業にできるだけ差し支えないよう、工期を決めて行います。 営業日・時間の変更がある場合、事前に患者さんへ告知しておきましょう。<STEP.5>工事が完了する
工事の仕上がりをチェックして、リフォームは完了です。 リニューアルしたことをホームページやSNSで発信するなど、患者さんに周知することで集客にもなります。歯科医院のリフォーム箇所【内装編】
歯科医院の内装をリフォームする場合、主なリフォーム箇所として以下が挙げられます。 ・床 ・壁紙 ・ソファやチェア ・照明 ・受付 それぞれ解説します。床
患者さんが院内を歩くときに、目が行きやすい箇所が床です。 白い床は特に目立ち、床の汚れやキズ、シミから不快感を抱かれることも。 絨毯にも垂れた薬液でシミができることもあるでしょう。 できるだけ汚れやキズ、シミのできにくい床材や絨毯を選ぶことをおすすめします。壁紙
壁紙は、院内の雰囲気を左右する要素のひとつです。 たとえば、ホテルや旅館で使われるようなデザイン・素材の壁紙を選ぶと、高級感や重厚感を与えることができます。 歯科医院のイメージや患者層に合った壁紙を選びましょう。ソファやチェア
待合室や診療室のソファ・チェアを使い続けると、汚れやシミが目立ちやすくなります。 普段の掃除で汚れが取れなくなってきたら、生地を張り替えましょう。 特に白色やクリーム色の生地は汚れが目立つため、注意してください。照明
壁紙と同じく、院内の雰囲気を変えてくれるのが照明です。 照明器具を変えるだけでなく、「蛍光灯色」や「暖色」など電灯を変えることで、与える印象がガラッと変わります。 また、間接照明を取り入れるなどの工夫を施すことで、違った雰囲気を出すこともできます。受付
受付は、歯科医院の第一印象を決めます。 受付周りを清潔に保っているだけで、好印象を患者さんに与えることができるでしょう。 また、リフォームだけでなく、患者さんに見えている部分の整理整頓も重要です。歯科医院のリフォーム箇所【外装編】
歯科医院の外装をリフォームする場合、主なリフォーム箇所として以下が挙げられます。入り口・玄関
入り口・玄関は、「歯科医院への入りやすさ」「敷居の低さ」を決定する要因となります。 暗くどんよりした印象を与える入り口だと、初診を検討している患者さんに「なんだか入りにくそう」と避けられる可能性があります。 明るくお洒落、清潔、爽やかな印象を与えることで、安心して中に入ってもらいやすいです。 また、高齢者や車椅子の方に配慮した広めの入り口やスロープのある玄関を用意すると、バリアフリーの観点からもアピールできるでしょう。看板
周辺にお住いの方や歯科医院が接している道路を使っている方へアピールする際、看板が役立ちます。 簡素過ぎる看板は、野暮なイメージを与えてしまいます。 また、看板が汚れているとマイナスイメージを与えることも。 可能ならデザイナーを入れ、ブランディングできる看板にしておきましょう。外壁・屋根
外壁や屋根の汚れ、キズを防ぐために塗り直しを行いましょう。 それ以外に、伸び放題の植木や放ったらかしの自転車、吸い殻だらけの喫煙所などは、歯科医院とは関係なくとも、周りにあるだけで不快感を与えるため、注意してください。歯科医院のリフォームにおける注意点
歯科医院のリフォームにおいて、業者選びと予算のかけ方に注意が必要です。 それぞれ解説します。業者選びに注意する
「せっかく打ち合わせをしたのに希望通りにリフォームしてもらなかった」、「当初もらった見積もりとは話が違い、大幅な予算オーバーになっていた」などの失敗を防ぐために、リフォーム業者選びでは次のポイントを押さえておきましょう。 ・歯科医院の実績を持っているか リフォーム業者の実績は、ホームページやパンフレットなどで確認しておきます。 歯科医院での実績がないと、歯科医院に合ったデザインを提案してもらえなかったり、歯科医院の状況に配慮した工事を行ってもらなかったりといった可能性があるためです。 また、知り合いの歯科医院で実際にリフォームを行ったことがある信頼できる業者を紹介してもらう方法も手段の一つです。 ・質問への対応やサポートが丁寧か 業界の専門用語や工事の不明点について、丁寧に説明してくれる業者であるかもチェックすべき点といえます。 分からないことをそのままにしておくと、「指定していた壁紙と違う」、「階段の段差がおかしい」といったトラブルになることも。 後々のトラブルを防ぐために、丁寧な対応をしてくれる業者を選びましょう。 ・見積り書が詳細に書かれているか 詳細に書かれた見積り書には、使用する部材や工事の内容について細かく記載されています。 「外装リフォーム一式 XX万円」など、ざっくりとした項目しか書かれていない見積り書は、その真偽が分かりにくく、悪徳な業者ではカサ増しして見積もられているかもしれません。 あいまいな見積り書は、金銭トラブルにもつながりかねないため、できるだけ詳細に表示してもらいましょう。 また、前項と同じく、見積り書まで丁寧な対応をしてくれる業者を選ぶべきでしょう。予算のかけ方に注意する
今回お伝えしたリフォーム箇所すべてを変えることは、現実的でないでしょう。 予算には限りがあるため、「どこを変えると最も効果的か」を考えてリフォームを行いましょう。 また、複数の業者から見積りをもらっても、「一番安いから」という理由だけで業者を選ぶことは避けてください。 前項でお伝えしたポイントを押さえて、リフォームが成功する業者を選びましょう。目的を持ってリフォームを実施しましょう
歯科医院の印象や業務を改善するために、リフォームを検討される方は少なくありません。 しかし、やみくもにリフォームを進めても、多くの費用をかけたのに見合った効果を得られない可能性もあります。 リフォームを実施する前に、今回お伝えしたポイントを踏まえ、集患や業務改善といった目的を達成できる適切なリフォーム業者を選択し、改装を行いましょう。