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開業したい歯科医師が知っておくべき銀行からの借入!融資を受けるポイントも解説

開業したい歯科医師が知っておくべき銀行からの借入!融資を受けるポイントも解説
開業したい歯科医師が知っておくべき銀行からの借入!融資を受けるポイントも解説
歯科医院の開業に必要な資金を集めるために、融資を受けられる機関の一つが銀行です。
ですが、銀行から融資を受けることは容易ではありません。

今回は、銀行融資の特徴や種類、融資を受けやすくするポイントなどについて解説します。

銀行からの借入は難しい?

銀行からの借入は、一般的に日本政策金融公庫などに比べて難しくなる傾向があります。 その難易度は銀行の種類によっても異なります。 メガバンク・都市銀行は、開業前の歯科医師の融資に消極的ですが、既に開業している歯科医師には積極的な傾向があります。 一方で地方銀行は、新規開業の歯科医師であっても優良な貸付先として積極的に融資を行うことも。 他の融資機関についても詳しく知りたい方は、下記をご参照ください。 【関連】歯科医院が資金融資を受けるには?融資の種類や手順ついて解説! また、下記に当てはまる場合は、銀行の融資がより厳しくなってしまいます。 ・クレジットブラック 返済の遅延や踏み倒しをクレジット事故といいますが、直近5年~7年以内にクレジット事故を起こしてしまった場合は融資審査が厳しくなるでしょう。 該当するかは、CIC(指定信用情報機関)で調べられます。 ちなみに、携帯電話代金の遅延・踏み倒しでもCICに掲載される可能性があります。 ・税金の未納・滞納 勤務医として働き、給与から税金を天引きされている場合は基本的に問題ありません。 しかし、すでに開業をしていて、所得税や法人税、事業税など各種税金の未納・滞納のある方は、融資が厳しくなる可能性も。 ・自己資金がない 開業するための資金をすべて融資でまかなおうとすると不利に働きます。 自己資金を計画的に貯めて、足りない分を融資で補う方が高評価です。 家族からもらったお金も自己資金として認められますが、自分で貯めた方が評価されます。 また、別で借りたお金を自己資金として主張しても認められず、融資を受けられなくなってしまいます。 開業を決意したら資金面の準備を進めておきましょう。 ・キャッシングをしている 消費者金融やクレジットカードで、キャッシングの利用残高のある場合は、融資を受けるのが難しくなってしまいます。 返済を終えておきましょう。

銀行からの借入の種類

銀行からの借入は、主に7種類あります。

証書貸付

証書貸付は、融資の申込時に「金銭消費賃借契約書(借用証書)」を提出する方式です。 基本的に1年以上の長期融資で利用されます。 借入期間は、運転資金用途で7年以内、設備資金用途で15年以内に設定します。 返済方法は、元金を期間で均等に割って定額を返済していく「元金均等返済」が一般的です。 利息は残りの元金で算出され、毎月の返済と合わせて支払います。 借入に関する情報は「金銭消費賃貸契約書」に書かれています。

当座貸越

当座貸越は、あらかじめ設定した上限額まで、自由に借入・返済できる方式です。 「一般当座貸越」と「専用当座貸越」の2種類があります。 一般当座貸越は、当座預金の残高を超える額を引き出す場合に、不足分を自動で借越しに充てる方式です。 専用当座貸越は、通預金や当座預金とは別に専用の口座を用意し、必要な金額を引き出す方式です。 担保の評価額を上限として借入するケースもあります。

手形貸付

手形貸付は、約束手形を発行し、それを担保に借入する方式です。 約束手形とは、手形の発行側が受取側に対し、期日までの返済を約束する証書のこと。 一般的に運転資金の目的で融資を受けるケースが多く、借入期間は数カ月~1年以内が目安です。 支払いは利息を一括先払い、返済を期日に一括返済が基本ですが、歯科医院の状況によっては利息の分割や期日前の一部返済といった対応もしています。

手形割引

手形割引は、手形の期日前に手形を銀行に現金化してもらう借入方式です。 ※自らが発行した手形ではなく、相手方から返済を待っていた手形が対象 手形を銀行に渡す代わりに、銀行から手形の額面から利息や手数料などを差し引いた金額を受け取ることが可能です。 歯科医院の現金が不足している際に、運転資金の調達のために利用されるケースで多く使われます。 注意点は、割引手形が不渡り(相手方が倒産等の理由で返済できないなど)になった場合は、自ら銀行に全額返済(支払い)しなければなりません。

売掛債権担保融資

売掛債権担保融資は、売掛債権を担保に借り入れる方式です。 売掛債権とは、商品やサービスの売上代金のうち、まだ受け取れていない代金を請求する権利のこと。 歯科医院では、国からの診療報酬の支払いが翌々月になったり(診療報酬債権とも呼ばれる)、自由診療の代金の支払いが分割になったりといった場合に売掛債権が発生します。 売掛債権担保融資は、これらの売掛債権の支払い期日前に借入れを行い、売掛金が入金されたら返済する流れです。 売掛債権を担保にするためには、「売掛先に通知する」もしくは「通知せず、法務局で売掛債権譲渡登記を行う」という2つのアプローチがあります。

不動産担保融資

不動産担保融資とは、土地・建物などの不動産を担保にし、借入れる方式です。 審査に時間がかかるケースが多いですが、低金利・長期の高額融資を受けられます。 多くの場合は、歯科医院の設備投資といった目的で利用されます。

プロパー融資と保証付き融資

「プロパー融資」は、信用保証協会の保証をつけずに融資を受ける方式で、信用力に自信のある方におすすめの方法です。 「保証付き融資」は、信用力の低い会社がスムーズに融資を受けるために、信用保証協会の保証をつけて申し込む融資のことです。 信用保証協会は47都道府県で運営されています。

銀行融資を受けるためのポイント

・融資を受ける目的をハッキリさせる 事業計画書などの作成から、「なぜ融資が必要なのか?」をハッキリとさせましょう。 「とにかくお金が必要」と言っても融資は受けられません。 開業に必要な資金を項目別に金額まで明らかにし、自己資金でまかなえる金額と融資が必要な金額を明示します。 先ほど触れましたが、自己資金ゼロで融資を受けることは難しいため、なるべく自己資本比率を高めましょう。 ・必要な書類準備に手を抜かない 融資審査を進めるなかで、書類は重要な判断材料です。 書類に不備があるだけで、銀行からの信用を失いかねません。 一般的に銀行の融資に必要な書類は、以下の通りです。 ・事業計画書(または創業計画書) ・損益計算書 ・貸借対照表 ・借入申込書 ・試算表 ・資金繰り表借り入れ状況一覧 ・身分証明書 ・源泉徴収票 ・印鑑証明 ・銀行通帳 ・住民票 ・自己資金の額がわかる書類 ・課税証明書(直近2~3年分) ・借入残高の明細書(キャッシングなどしている場合) ・購入物件の契約書(物件を購入する場合) ・確定申告書類 など 【関連】歯科医院の開業に必要な事業計画書の作り方は?必要性や手順、注意点を解説 【関連】開業したい歯科医師必見!創業計画書の役割や書き方、注意点を解説 ・審査に通りやすい時期を選ぶ 一概にはいえませんが、年間で審査の通りやすい時期があると言われています。 年度末決算月の3月、中間決算月の9月、コストのかさむ12月は、銀行側で「業績を上げたい」「ノルマを達成したい」という心理が働くため、融資に積極的になる傾向があります。 上記の月に融資を受けられるよう、審査が通りやすい月の最低2か月前から準備を進めておきましょう。 ・審査前から信頼関係を築く 融資審査には、書類だけでなく人柄や姿勢も含まれます。 提出書類の不備や提出期限の遅れなどは、融資審査に悪影響を及ぼします。 また、一般的に見ず知らずの相手から「お金を借りたい」と言われても、すぐに信用することは難しいでしょう。 これは銀行も同様で、初対面の相手ではなく以前から付き合いがあり信頼の置ける相手になら、前向きな検討をしてもらえるはずです。 融資を受ける前から、銀行との信頼関係を築きましょう。

徹底的に準備して銀行融資を受けよう

銀行融資を受けるのは他と比べてハードルも高まりますが、おさえるべきポイントをしっかりとクリアすることで融資を受けられる可能性も高まります。 今回お伝えしたポイントを実践して、歯科医院の開業を目指してみてはいかがでしょうか。 【歯科開業支援コンテンツ】OneToOne Club

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