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歯科医院の医療法人化の流れとは?
要件や費用も合わせて解説!

2020/6/22 歯科医院経営

個人の歯科医院から規模を拡大するために医療法人化を行う場合は、所定の手続きを進める必要があります。
今回は、医療法人化の要件や法人登記までの手続き、法人化委託の費用相場などについて解説します。

医療法人化の内容やメリット・デメリット、医療法人化の注意点については、下記関連記事をご参照ください。
【関連】歯科医院の医療法人化とは?手続きや売上目安、メリットや注意点まとめ

歯科医院の医療法人化の要件

歯科医院が医療法人化するためには、以下の人的および財産的要件を満たす必要があります。

医療法人化の人的要件

人的要件は、以下の通りです。 ・社員 原則3名以上(18歳以上) ・理事 原則3名以上 ・監事 原則1名以上 ・理事の歯科医師1名を理事長に専任 監事に、理事や職員、3親等内の親族、顧問の士業者を就任させることはできません。 また、都道府県知事の認可を受けた場合、理事を1名または2名に変更することが可能です。

医療法人化の財産的要件・資産要件

・運転資金 年間予算2ヶ月分の準備 ・拠出(寄付)財産 不動産、建物付属設備、現預金、医業未収入金(直近2ヶ月分)、医療用機械備品、什器・備品、電話加入権・保証金など 拠出(寄付)財産を取得するために負った債務は、法人設立と同時に引き継ぐことができます。

歯科医院の医療法人化の流れ・手順

次に、歯科医院の医療法人化の手順を解説します。 下記表は全体の時期や内容、届出先をまとめた表です。 以下、それぞれ詳しく説明します。

1.医療法人設立説明会の受講

医療法人を設立するためには、都道府県知事の認可を受けなければなりません。 認可の申請時期は、各自治体によって定められています。 設立を決めたら、医療法人設立説明会を受講するか、医療法人係や歯科医師会の担当者に相談する必要があります。

2.定款(案)の作成

おおまかな設立時期が決まったら、設立の申請に必要な書類を作成しましょう。 「定款」や「運転資金の拠出・寄付についての契約書」などです。 定款とは、医療法人の組織や活動について決めるルールです。 定款には定めなければならない事項があります。 ① 目的 ② 名称 ③ 開設しようとする病院、診療所または介護老人保健施設の名称および開設場所 ④ 事務所の所在地 ⑤ 資産および会計に関する規定 ⑥ 役員に関する規定 ⑦ 社員総会および社員たる資格の得喪に関する規定 ⑧ 解散に関する規定 ⑨ 定款の変更に関する規定 ⑩ 公告の方法 解散時に余った財産は、国や地方公共団体、他の医療法人に帰属する決まりです。 定款を変更するには、株式会社などと異なり、所轄庁に認可申請書を提出して審査を受ける必要があります。

3.設立総会の開催

次に、定款や拠出金、役員などの承認を行う設立総会を開催します。 設立総会で決まった内容は、議事録に記載しなければなりません。

4.設立認可申請書の作成・提出

設立総会を終えてから、「設立認可申請書」を作成し、各都道府県(市)の医療法人係に提出します。 申請書は、該当の窓口や自治体のホームページから入手しましょう。 本申請を行う前には、「仮受付(仮申請)」を行う必要があります。 仮受付も期間が定められているため、事前に確認しておきましょう。 期限に間に合わない場合は、設立時期が大幅に遅れる可能性があるため注意してください。

5.設立認可申請書の審査

提出後は審査を受けることとなりますが、審査の対象は申請書類の内容だけではありません。 保健所等の関係機関への事前照会や面接などを含みます。 もし、内容や照会に不備があれば、申請を取り下げられる場合があります。

6.都道府県医療審議会への諮問・答申

都道府県医療審議会は、「医療を提供する体制を確保できているか」を調査・審議する機関です。 審議会の委員は、歯科医師や医師、薬剤師、医療を受ける立場の者などから都道府県知事が任命します。 都道府県医療審議会から受けた諮問に対して、答申する必要があります。

7.設立認可書の受領

審査や諮問などに問題がなければ、設立認可書を交付してもらえます。 ただし、この時点ではまだ医療法人は設立していません。

8.設立登記申請書類の作成

設立に必要な手続きができたら、2週間以内に設立登記をします。 所轄の法務局に「設立登記申請書類」を提出しましょう。 設立登記に記載する事項は、以下の通りです。 ① 法人の名称 ② 法人の事務所所在地 ③ 目的および業務(歯科医院の住所・名称) ④ 役員に関する事項(理事長の氏名・住所) ⑤ 法人の資産総額

9.登記完了(設立)

医療法人設立登記が完了したら、正式に医療法人の設立を決めることができます。

歯科医院の医療法人設立認可後の手続き

医療法人設立認可後も、いくつかの手続きが必要です。 ・診療所の開設許可申請 ・保険医療機関指定申請書の作成・提出 ・諸官庁への提出 以下、それぞれ説明します。

診療所の開設許可申請

認可後に提出が必要な開設許可申請とは、医療法人で有床診療所を開設する場合に提出する書類です。 また、個人から医療法人に診療所を移行する場合は、個人の診療所の廃止届も提出しなければなりません。 医療法人の開設許可の通知を受けてから、開設届・廃止届の提出を行います。 開設・廃止から10日以内に、所轄の保健所へ提出しましょう。

保険医療機関指定申請書の作成・提出

保険診療を行うために、「保険医療機関指定申請」を行わなければなりません。 申請から1ヶ月ほどで指定を受けられます。 指定待ちの期間中に行った診療を保険診療として遡及適用するためには、「遡及申請」の提出が必要です。 遡及の認可には条件があるため、事前に確認をしておきましょう。

諸官庁への提出

他の諸官庁にも以下の書類の届出が必要です。 ・法人設立届出書 ・棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書 ・給与支払事務所等の開設届出書 ・青色申告承認申請書 ・法律設立申告書 ・社会保険手続き 各手続きの提出先や提出期限は以下の通りです。

歯科医院の医療法人設立は自分でできる?費用は?

医療法人設立は、自分で行う場合と専門家に依頼する場合があります。 自分で行う場合は、届出などの手続きに必要な費用以外はかかりません。 時間に余裕のある場合は、自分で手続きを進めてもいいかもしれませんが、書類作成には専門的な知識を必要とするため、自分で調べるには労力がかかります。

専門家のサポートを受ける場合の費用の目安

「医療法人設立まで期間が短い」「プロに任せて安心して進めたい」という場合は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。 専門家のサポートを受ける場合の費用の相場は、30万円〜60万円ほどです。 「登記まで」「登記後の届出まで」など、業務範囲によって異なります。 医療法人化に特化した専門家に相談しましょう。 複数の専門家で見積もりを取って、商談を進めてみてください。

計画的な医療法人化を

歯科医院を医療法人化するまでには、多くの手続きを行う必要があります。 申請書ごとに提出の期限が決められているため、地域の諸官庁に確認を取っておきましょう。 専門家に依頼すれば、スムーズに手続きを進めることも可能です。 今回の記事を参考に、検討してみてくださいね。