若年層を中心に流行しているセルフホワイトニングサロン。
歯科医院でもホワイトニングを行っていますが、あえて医療機関ではないセルフホワイトニングサロンを利用する理由に迫ります。
Googleの検索ロボット(AI)が認識しているセルフホワイトニングサロンと歯科医院の違いについて解説します。
※本記事では、Google検索の結果から推測される利用者のニーズとホワイトニングとセルフホワイトニングの違いを推測しております。
Googleの検索結果は
インターネット検索エンジンGoogleでセルフホワイトニングを検索し、 検索結果から見えてくる世間のセルフホワイトニングへの考え方について考察します。/
Googleのの検索ロボット(AI)のセルフホワイトニングに対する認識とは
Google検索の上位表示には、多くのホワイトニングサロンが紹介されています。
この検索結果から、Googleの検索ロボット(AI)は「セルフホワイトニングとは、専用サロンで行うもの」と認識しており、一方でホワイトニングにおける権威性は、歯科医院と認識しています(多くの歯科医院のホームページに「ホワイトニング」という記載がされているため)。
そのため、Googleの検索結果は 「セルフホワイトニングは専用サロン」「従来のホワイトニングは歯科医院」と表示されると考えられます。
セルフホワイトニングと歯科医院のホワイトニングは別の施術と認識
ホワイトニングサロンに続いて多く見られたのは、セルフホワイトニングと歯科医院でのホワイトニングを比較する記事が上位表示されています。
Googleの検索ロボット(AI)の認識は「セルフホワイトニングと歯科医院でのホワイトニングには違いがある」と認識していることがわかります。
ただし、利用者視点での検索結果を表示するGoogleのAIは、「値段の違い」や「通いやすさの違い」について解説する程度です。
安全性や仕上がりについては、「歯科医院の方が白く仕上がる」「強い薬剤を使うと歯がしみる」といった内容を上位表示しております。
Googleの検索ロボット(AI)はセルフホワイトニングとホワイトニングはそれぞれ別の施術だと認識しており、その情報が検索ユーザーに直接伝わっています。
専用サロンはエステ・歯科医院は医療機関という境目がある
Google検索においてセルフホワイトニングサロンの多くはエステティックと分類されています。
つまり、Googleの検索ロボット(AI)はセルフホワイトニングはエステティックで、ホワイトニングは医療行為であると認識しています。
近年、Googleの検索機能は頻繁にアップデートされており、医療行為が伴うサービスは権威性の高い 歯科医院が上位に表示されるようになっています。
そのため、検索ユーザーは「ホワイトニングは医療行為である」という検索結果を目にすることが多く、敷居の高さを感じる人が多いかもかもしれません。 その結果、若年層では、エステ感覚で気軽に通える専用サロンが求められている可能性があります。
Googleの検索上、歯科医院のホワイトニングの権威性は低い?
歯科医院は医療機関でもあるため、ホワイトニングにおける歯科医院の権威性は強いと感がられます。
しかし、(Googleの検索結果から)Googleの検索エンジン(AI)はホワイトニング施術を求める人は「手軽さ」を求めていると認識しているため、検索結果で上位表示がされにくい傾向があります。
Googleの検索ロボット(AI)がセルフホワイトニングサロンの手軽さを評価
ホワイトニングサロンと歯科医院のホワイトニングの検索結果の違いは、利用者にとって「通いやすさ」や「コストパフォーマンスの高さ」において、Googleの検索ロボット(AI)の認識に依存します。 なぜ、このようにGoogleの検索ロボット(AI)が認識してしまうのか?
その要因のひとつにセルフホワイトニングは美容院やエステのように手軽に予約できるため、ホワイトニングサロンの権威性が高まっていると考えられます。
歯の治療が主業務である歯科医院は「通いやすさ」や「コストパフォーマンスの高さ」として、歯科医院がGoogle検索上で優位に立つことは難しいといえます。
現在のGoogle検索の仕様では、店舗の営業時間や定休日なども認識し、検索ユーザーのホワイトニングに対する需要(あくまでGoogleの検索ロボット(AI)が認識している需要)を考慮して、検索結果を導き出します。
そのため、遅くまで受付をしていて休日も施術を受けられるホワイトニングサロンが検索ユーザーに支持されている可能性があります。
歯科医院は金額ではなく、利便性や付加価値を高める
このように、Googleの検索結果から、歯科医院でホワイトニング患者さんを獲得するためには、以下3つのポイントについて対策を打つ必要があります。
- ・予約の取りやすさ
- ・コストについての理解
- ・治療患者さんのアップセル
それぞれのポイントについて、詳しく考えてみましょう。
予約の取りやすさ
Googleの検索結果において、「手軽に利用できる」という点では、セルフホワイトニングサロンが権威性を持っています。
歯科医院がホワイトニングにおける検索結果を高めるためには、「予約の取りやすさ(ネット予約やSNS運用)」を高める必要があります。
特にホワイトニングの流行を生み出している10代後半から30代までの患者さんにとって、TwitterやInstagramなどのSNSはとても身近なものとなります。 気軽に投稿できるSNSは若年層への情報発信に欠かせないツールであり、実際にホワイトニングサロンではLINEで予約受付を行っているサロンが増えています。 友だちと約束する感覚で、ホワイトニングサロンの予約をできる点が支持を集めているようです。 SNSで歯科医院やホワイトニングの情報を発信する場合、「〇〇歯科医院 ホワイトニング」のようなホワイトニングにのみ特化したアカウントも効果的です。
ホワイトニングに特化していることがアカウント名もわかりやすく、潜在ターゲットにアピールしやすいメリットがあります
コストについての理解
ホワイトニングサロンは1回の施術コストを抑えられるものの、頻繁に通う必要があります。 また、患者さんが思い描く白さには仕上がりにくいことや、安全性の問題も考えられます。 しかし、結果的にホワイトニングサロンでもそれなりのコストがかかるということを知らない人は少なくありません。 6カ月間ホワイトニングに通うことを想定して考えてみましょう。
ホワイトニングサロンにおける1回の施術料金を3,500円(相場の中央値)とします。
初月は週に1回、次月より1ヶ月に1度の施術が必要です。
3,500円(1回の施術料金)×4(初月に週1度施術を受けた場合)=14,000円
3,500円(1回の施術料金)×5(次月以降5カ月間、月に1度施術を受けた場合)=17,500円
14,000円(初月の施術料金)+17,500円(次月以降5カ月間の施術料金)=31,500円
歯科医院で行うホワイトニングの場合、初回の施術料金を32,500円(相場の中央値)とします。
施術から3ヵ月後、メンテナンス費用として15,000円(コーティングやクリーニング費用の相場)が必要であると仮定します。
32,500円(施術料金)+15,000円(メンテナンス費用)=47,500円 総コストの差は16,000円です。
これは歯科医院で安全性の高いホワイトニングを、技術と専門知識を持ったスタッフが行う付加価値の価格です。
コストの差が、歯の仕上がりや安全性にあることを適切に説明しましょう。
来院回数もホワイトニングサロンは半年に9回の施術が必要なことに対して、歯科医院なら半年までで2回の施術で済みます。時間が取れないという人にとっても、歯科医院で施術を行うメリットになり得ます。
このようにホワイトニングサロンと歯科医院の違いは、院内ポップやブログ・SNSなどで発信していくことも検討してみてはいかがでしょうか。
治療患者さんからのアップセル導入
歯科医院にとって、最も効率良くホワイトニング患者さんを獲得するには治療を終えた患者さんのアップセルが重要です。
治療を終えた患者さんであれば、定期健診を行いつつホワイトニングのアプローチを行うことができます。
時間をかけて患者さんのホワイトニングに対する疑問や不安をカウンセリングできるため、施術後のトラブルも起こりにくいといえます。 しかし、患者さんのアップセルには、スタッフ教育の底上げが欠かせません。
強引なアプローチを行ってしまい「定期健診に行っただけなのに高いホワイトニングを勧められた」と悪い評判が立つことは避けなければいけません。
まずは院内ポップを充実させて患者さん自身がホワイトニングに興味を持つ環境を作りましょう。
また、患者さんの歯に対する疑問や希望を伺って、適切に回答できる環境を整えます。ホワイトニングに興味を持った患者さんへ、スムーズに案内ができるようシミュレーション研修を導入することもおすすめです。
まとめ
セルフホワイトニングサロンは、今やエステ感覚で気軽に利用できるサービスです。 一方で、専門知識を持たない人が行うセルフホワイトニングのトラブルは徐々に増えつつあることも無視できません。 Googleの検索結果から、歯科医院でのホワイトニングはホワイトニングサロンの「利便性」や「費用感」において、権威性が低いと考えられます。 歯科医院で専門知識を持った歯科医やスタッフが行う施術には、ホワイトニングサロンにない付加価値があります。 適切なアプローチで、ホワイトニングの付加価値を感じてもらうことが、これからのホワイトニング施術の課題といえます。