“開いた質問”・“閉じた質問”という言葉がけの手法がある。“開いた質問”は 相手が自由に話を返せる質問である。 話が広がるので、初診時やリコール時の最初に利用する。 初診時、子どもはこれから何をするかわからず不安でいっぱいとなる。 大人でも、緊張する。 そんな時に言葉をかけてもらうと楽になる 子どもならなおさらだ。 さて、“開いた質問”のコツは、季節の話題で話しかける。 まもなく卒業や入学式、さらには新学期を迎える季節だ。 どんな開いた質問が良いだろう? 少し考えていただきたい。 例えば 「今度、幼稚園に行くの? なに幼稚園?」 (そりゃすごい!かっこいい~!」 「今度、何組さんになるの?」 (大きい組さんだ!・お兄さん組になるんだ) 「ランドセル買ってもらった?」(良かったね! 何色かな?)・・・。 これが7月になれば 「もう海(プール)に行った?」 「夏休みはいつから始まるの?」 「夏休みには、どこかへ行くのかな?」など・・・。 秋になれば 「運動会は何に出るの? 玉入れ?綱引き?かけっこ?」 「かけっこは得意?」などとなる。 このように“開いた質問”を通じ、徐々に子どもの心をも開いていく。
「心が開けば、口も開く」のである。 また、自由に発言させることで、こどもの積極性を引き出すこともできる。 さて、もう一つの“閉じた質問”は、イエス・ノーで答える質問である。 診療時、“開いた質問”をしては治療にならない。 そこで、 “閉じた質問”に切り換える。 例えば、「終わったら遊びに行くの?」などと聞けば、イエス・ノーで答えるだろう。 イエスなら「それじゃ、この歯を早く治して遊びに行こう!」などと伝えれば、「ウン!」と答える。 こうしてスムーズに診療が終わるように誘導する。

著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!
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