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医科歯科ボーダレスな診療を目指して エピソード2:第6回 こども歯みがきアンケート

医科歯科ボーダレスな診療を目指して エピソード2:第6回 こども歯みがきアンケート
医科歯科ボーダレスな診療を目指して エピソード2:第6回 こども歯みがきアンケート
今月から数回にわたり、内科医師として歯科口腔にかかわっていることの実際をご紹介します。

2021年3月に「こども歯みがきアンケート」を開始し継続中です。内科医院で受診される患者さんの歯科口腔衛生行動を調査し、かつ啓蒙するというコンセプト自体は数年前より構想していました。その動機は、「口腔の健康は全身の健康の上流にあり、口腔衛生と口腔機能の向上・維持が健康長寿を実現する」という当院のビジョンに基づきます。

対象は当院に受診された患者さんのうち、12歳以下のお子さんがいらっしゃる方です。問診時に家族歴をうかがっているので家族構成は把握しています。実は当医院ではお子さんを同伴されている場合には、お子さんのお口もみせていただくことは日常的なことです。もちろんお子さんはカルテを作っていません。鼻づまり気味で口呼吸のお子さんを連れてこられるのをみると黙っていられません。お父さんお母さんにお子さんの口腔への興味をもっていただくきっかけになっていると実感しています。

アンケートの内容は、以下の18項目でA4用紙1枚上から下までと並んでいますが、ほとんどが選択回答式なのですんなり書いていただけます。



診療の合間にこれまで50名ほどのお母様・お父様にご回答いただきました。現時点での各設問への回答の傾向などをご紹介しましょう。

歯みがき回数は2回が最多、続いて1回、3回という結果でした。仕上げ磨きの実施は半数ほど。

歯ブラシ・歯磨剤の購入経路はドラッグストアが最多で、その選択基準は「お子さんの好きなキャラクター」が最多でした。私には意外だったのですが、こども用歯ブラシ選択には機能性を重視する方は少ないということでしょうか?3歳~5歳頃は歯ブラシを噛んでしまってすぐにダメになりますのでこだわってもしょうがないのかもしれませんね。

かかりつけ歯科医院があると回答された方は半数を超えました。

「口腔育成」の認知度は低く、ほとんどの方が知らないと回答されました。残念ではありますがこのことは予想されたことであり、この機会に認知され興味をもっていただきたいと思っています。参考図書として『子どもたちが上手に噛める・食べられる・呼吸できるようになる本』(著:柿崎陽介、クインテッセンス出版)、『患者さんにつたえよう!咀嚼効果』(著:増田純一、グレードル株式会社)などを医院に常備してご紹介しています。

むし歯(カリエス)は予防できるということは、ほぼ全員が知っていると回答しました。

お子さんの呼吸、鼻呼吸か口呼吸か、わからないか?については、「わからない」が最多でしたが、これを機会に関心をもっていただけるようなお話をさせていただいています。

今後もこのアンケートを継続していきます。ご興味・ご賛同をいただけましたらぜひ皆様の診療室でもやってみてください。ご意見などございましたらお寄せいただければ幸いです。

著者細田正則

ほそだ内科クリニック 院長・医師・医学博士

略歴
  • 1964年 米国ミシガン州生まれ
  • 1990年 京都府立医科大学卒業
  •     医師免許取得
  •     京都府立医科大学第三内科(現在の消化器内科)入局
  • 1998年 京都府立医科大学大学院修了 医学博士号取得
  • 2011年 ほそだ内科クリニック 開院
所属学会・専門医など
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本消化器病学会認定消化器病専門医・指導医
  • 日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医
  • 日本医師会認定産業医
細田正則

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