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「ニセ花粉症」を知っていますか? 鼻の中の異物を洗い流す効果がある「鼻うがい」

「ニセ花粉症」を知っていますか? 鼻の中の異物を洗い流す効果がある「鼻うがい」
「ニセ花粉症」を知っていますか? 鼻の中の異物を洗い流す効果がある「鼻うがい」
毎年春になるとくしゃみや鼻水に悩まされるという人も多いと思いますが、そうした症状も最近は通年性になっていて、2022年は秋にくしゃみや鼻水に悩む人が多かったように思います。

皆さんは「ニセ花粉症」という言葉を知っていますか? 花粉症というと花粉に反応する症状だと思われるでしょうが、最近は花粉のアレルギーがないのにくしゃみや鼻水など、アレルギー症状を引き起こしている人がいるのです。それがニセ花粉症です。

私たちの細胞は通常、皮膚などに守られていて、隣り合う細胞同士がしっかりと結合しています。この細胞同士が強固に接着する構造のことを「タイトジャンクション(密着結合)」といいます。ディーゼルエンジンから排出される窒素化合物やPM2.5などの粒子状物質、大気中のいろいろなゴミを絡め取って飛んでくる黄砂など、大気汚染物質によって、このタイトジャンクションが壊されると、鼻の粘膜からゴミや花粉などの異物が体内に侵入し、慢性の炎症を引き起こすのです。



「検査をしても花粉のアレルギー反応がないのになぜ鼻水が出るのだろう…」と思っている人は、もしかしたら車の往来が多い幹線道路沿いや坂の下にお住まいではないでしょうか。坂の下では車がアクセルを踏むため、多くの異物が舞います。花粉症ではないのにアレルギー症状がある人は、そうした異物によって繊毛の機能やタイトジャンクションが壊されている可能性があります。

こうした異物を洗い流すのも、「鼻うがい」の利点の一つです。繊毛についているゴミや花粉、PM2.5を鼻うがいによって取り除けば、繊毛の機能だけでなく、タイトジャンクションも守られ、体内に余計な物質が入り込まなくなります。
このように、鼻の中を洗い流すことにはさまざまな意味があるのです。



最近、鼻閉による口呼吸患者さんの「口腔トラブルを予防」し、「スムースな診療」を実施する観点から、鼻呼吸指導、鼻うがいをお勧めしている歯科医院を見かけるようになりました。口呼吸は、口腔乾燥によるう蝕の増加、口臭、いびき、唾液減少による自浄作用の低下をはじめ、さまざまな弊害があるとされています。歯科医院で指導を受けた全国の患者さんから、フロー・サイナスケアへの喜びの声が届いています。

口腔トラブルを予防する観点から、患者さまに「鼻うがい」をおすすめる歯科医院が全国で増えています。
「フロー・サイナスケア」に関する情報はこちら
https://www.dental-plaza.com/article/flo_sinus_care/

著者今井 一彰

みらいクリニック院長

1995年、山口大学医学部卒、同大学救急医学講座入局。 福岡徳洲会病院麻酔科、飯塚病院漢方診療科医長、山口大学総合診療部助手などを経て2006年、博多駅近くにみらいクリニック開業。 日本東洋医学会認定漢方専門医、認定NPO法人日本病巣疾患研究会副理事長、日本加圧医療学会理事、息育指導士、日本靴医学会会員。

今井 一彰

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