呼吸筋のトレーニングは、オーラルフレイルの予防にもつながる。(図1) ここで、口笛を吹いていただきたい。久しぶりに吹くと、昔のように上手に吹けない。 いつの間にか、口腔機能が低下しているのだ。 しかし、しばらく続けていると可能となる。これは早口言葉でも同じである。 一般的に、僧侶は長生きするといわれる。 読経がトレーニングになり、肺活量が増える。吹奏楽器なども有効である。 そこで簡単にできる呼吸筋トレーニングを紹介する。 Aペットボトルの利用: 軟らかい材質の500mlペットボトルを口にくわえ、思い切り息を吸いクシャクシャに縮ませる。次に、肺の中の空気を全部吐ききるつもりで膨らませる。これを数回繰り返す。 軟らかいペットボトルができれば、硬いものや1,000mLを利用する。(図2) しかし、これを個人で継続的に行うことは困難がつきまとう。 そこで現在、全国で“口腔フレイル予防”の教室が開催され、集団で行う工夫がされている。 Bスポーツ吹き矢: これは簡単に作ることができる。 サランラップの芯を筒にして 新聞紙を丸めてテープで止め弾にする。 そして、ペットボトルを的にしてゲームを行う。(図3) C吹き戻しの利用: 吹き戻しを吹くだけではなく、伸ばしきったところで10秒間キープすると腹筋が鍛えられる。(図4) 歯科医師の中澤桂一郎先生は、吹き戻しを伸ばし、ティッシュを上にあげ、落ちてくるところをキャッチするゲームを考案されている。これがなかなか面白い。(図5) また最近、医療機関でトレーニング器具としても利用され始めた。(図6) 呼吸筋トレーニングは、まだまだある。 続く
著者岡崎 好秀
前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授
略歴
- 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
- 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
- 日本小児歯科学会:指導医
- 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
- 日本口腔衛生学会:認定医,他
歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
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