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“呼吸”と“嚥下”はコインの裏表 その4:呼吸筋のトレーニング

“呼吸”と“嚥下”はコインの裏表 その4:呼吸筋のトレーニング
“呼吸”と“嚥下”はコインの裏表 その4:呼吸筋のトレーニング
呼吸筋のトレーニングは、オーラルフレイルの予防にもつながる。(図1)


ここで、口笛を吹いていただきたい。久しぶりに吹くと、昔のように上手に吹けない。
いつの間にか、口腔機能が低下しているのだ。
しかし、しばらく続けていると可能となる。これは早口言葉でも同じである。
一般的に、僧侶は長生きするといわれる。
読経がトレーニングになり、肺活量が増える。吹奏楽器なども有効である。

そこで簡単にできる呼吸筋トレーニングを紹介する。
Aペットボトルの利用:
軟らかい材質の500mlペットボトルを口にくわえ、思い切り息を吸いクシャクシャに縮ませる。次に、肺の中の空気を全部吐ききるつもりで膨らませる。これを数回繰り返す。
軟らかいペットボトルができれば、硬いものや1,000mLを利用する。(図2)


しかし、これを個人で継続的に行うことは困難がつきまとう。
そこで現在、全国で“口腔フレイル予防”の教室が開催され、集団で行う工夫がされている。
Bスポーツ吹き矢:
これは簡単に作ることができる。
サランラップの芯を筒にして 新聞紙を丸めてテープで止め弾にする。
そして、ペットボトルを的にしてゲームを行う。(図3)


C吹き戻しの利用:
吹き戻しを吹くだけではなく、伸ばしきったところで10秒間キープすると腹筋が鍛えられる。(図4)

歯科医師の中澤桂一郎先生は、吹き戻しを伸ばし、ティッシュを上にあげ、落ちてくるところをキャッチするゲームを考案されている。これがなかなか面白い。(図5)

また最近、医療機関でトレーニング器具としても利用され始めた。(図6)

呼吸筋トレーニングは、まだまだある。

 
続く 

著者岡崎 好秀

前 岡山大学病院 小児歯科講師
国立モンゴル医科大学 客員教授

略歴
  • 1978年 愛知学院大学歯学部 卒業 大阪大学小児歯科 入局
  • 1984年 岡山大学小児歯科 講師専門:小児歯科・障害児歯科・健康教育
所属学会等
  • 日本小児歯科学会:指導医
  • 日本障害者歯科学会:認定医 評議員
  • 日本口腔衛生学会:認定医,他

歯科豆知識
「Dr.オカザキのまるごと歯学」では、様々な角度から、歯学についてお話しします。
人が噛む効果について、また動物と食物の関係、治療の組立て、食べることと命について。
知っているようで知らなかった、歯に関する目からウロコのコラムです!


岡崎 好秀

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